【ピーターラビットのおはなし】繊細な絵と、かわいい童話。時代を越えて愛される名作絵本。いたずらうさぎの物語です。【ピーターラビットの絵本】 【4歳 5歳 6歳】

2020年12月3日

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ピーターラビットのおはなし ビアトリクス・ポター/作 いしいももこ/訳 福音館

ピーターは、フロプシー、モプシー、カトンテールの四きょうだい。やさしいおかあさんと五匹で暮らしています。

この本のイメージ かわいい☆☆☆☆☆ ほんわか☆☆☆ にんげんこわい☆☆☆☆

ピーターラビットのおはなし ビアトリクス・ポター/作 いしいももこ/訳 福音館

 ビクトリア朝時代に描かれ、いまなお愛される名作絵本です。
挿絵が、実際のうさぎの魅力をとらえつつ、表情豊かでかわいらしく、作者が動物や自然に対して深い知識と愛があったことがうかがえます。

ピーターラビットのおはなし ビアトリクス・ポター/作 いしいももこ/訳 福音館

 ビアトリクス・ポターは、この時代の上流階級の娘として、いちども学校に行くことなく育ちました。彼女を教育したのは家庭教師で、お勉強部屋にたくさんの動物を飼っていたそうです。

 その家庭教師が退職し、彼女の息子に出した絵手紙「ピーターラビットのおはなし」をもとにして、絵本を出版しようと思い立ったそうです。

 ところが、当時、その本を出版してもらえる出版社はなく、やむなくビアトリスは、自費出版し、親戚やお友達に配りました。つまり、いまでいう同人誌みたいなものだったのです!ちょっとびっくりです。

友達に、こんなすごい同人誌を自分で作っちゃう神絵師がいたと思ってごらんなさいよ!熱烈応援しちゃいますよね。この「知り合いに自作の絵本を配る」行為は、しばらく続き、読者には「シャーロック・ホームズ」シリーズの作者、アーサー・コナン・ドイルもいたそうです。(お子さんがファンだったらしい)

 すごいですね!「クマのプーさん」のA.A.ミルンが「たのしい川べ」の大ファンだったことと言い、昔の大作家たちの交友も、ドラマになるくらい面白そうです。

 結果、それが好評で、その挿絵をフルカラーにして出版に至り、今なお愛されている絵本シリーズになったわけです。

 「ピーターラビットのおはなし」は、作者ビアトリクスの、身近な生き物や身近な人々への愛情によって生まれたものなのかもしれません。

 ピーターの設定はちょっぴりブラックです。ご存知の方も多いと思いますが、ピーターのお父さんは、近所のマクレガーさん(人間)の畑に入り込んで、捕まってミートパイにされてしまっているのです。

 つまり、ピーターラビットシリーズにおいて、人間はおそろしい「天敵」なのです。

 おかあさんは、ピーターに「マクレガーさんのところにだけは行っちゃいけません」と言うのですが、いたずらうさぎのピーターは、そんなのおかまいなし。畑にもぐりこんでレタスやはつか大根を食べてしまいます。

 怒ったマクレガーさんがピーターを追いまわし、ピーターは命からがら逃げ帰ってくる、と言うのが、この絵本のストーリー。

 このほかの話にもマクレガーさんは登場しますが、徹頭徹尾、「恐ろしい存在」として出てきます。子うさぎが捕まってしまう話でも、捕まえたうさぎを食料としか見ていません。実際、農家をやっていると、畑を荒らす動物への認識はそんなものかもしれませんね。

 「ピーターラビットのおはなし」だけでなく、このシリーズには、当時は害獣であったであろう、うさぎやねずみが、細密な挿絵で可愛らしく表情豊かに登場してきます。「グロースターの仕立て屋」では、ねずみが仕立て屋を助けて大活躍します。
作者は、人間にとって都合がいいか悪いかではなく、すべての動物に愛情を注いでいたのでしょう。

 ピーターラビットの絵本は、小ぶりで持ち運びがしやすい、かわいい絵本です。これは、作者の要望でそうなったものだそうで、小さなお子さんにいつも持ち歩いて読んでほしいと言う願いがあったのだと思います。

 文章は、ひらがなが多く読みやすく、石井桃子さんの名翻訳です。読み聞かせにも、ひとりで読むにも、そして、大人が休日に読むにもおすすめです。
挿絵だけでなく装丁も美しいので、プレゼントにも最適。もちろん、インテリアとして飾っても。

 小さなお子様が、最初に出会う絵本としてもおすすめです。もしも、都会にお住まいで、野菜やお肉など、食べ物がどこから来るのか知らない年齢のお子様であれば、この本を入り口にしてそうしたことを説明するとよいかしれません。

 大人が読むと、かわいらしいピーターの表情に癒されます。休日の午後や、お風呂上りにおすすめの絵本です。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

ネガティブな要素(お父さんがパイになるなど)は、まったく気にならないほどうまく処理されています。かわいらしく、ほのぼのとした童話です。
キャロットケーキやスコーンと、濃いミルクティーをお供にぜひどうぞ。

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