【まじょのナニーさん】スーパー家政婦さんは魔女!留守番っ子のお悩み解決、ミラクルファンタジー第7巻。【プリンセスと月夜のパーティー】【小学校低学年以上】

2024年3月31日

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まじょのナニーさん  プリンセスと月夜のパーティー  藤真知子/作 はっとりななみ/絵 ポプラ社

ユリのママはおせっかい。頼まれなくても色んな人の面倒をみるから、ユリのことはいつもほったらかしです。ユリのおばさんが骨折したので、おばあちゃんのお店を手伝いに行くママ。お留守番にと派遣されたのは不思議なナニーさんでした……

この本のイメージ ファンタジー☆☆☆☆☆ 苦手を克服☆☆☆☆☆ おせっかいと素敵な親切☆☆☆☆☆

まじょのナニーさん  プリンセスと月夜のパーティー  藤真知子/作 はっとりななみ/絵 ポプラ社

<藤真知子>
東京女子大学卒業。「まじょ子どんな子ふしぎな子」でデビュー。以後、「まじょ子シリーズ」は、幼年童話のファンタジーシリーズとして人気を博し、ついに60巻で完結。ほかにも「わたしのママは魔女シリーズ」(全50巻)など、作品多数。

<はっとりななみ>
武蔵野音楽大学卒業。その後東京デザイン専門学校でグラフィックデザインを学び、製紙メーカーデザイン部を経て、イラストレーターに。絵本の挿絵やグリーティングカードほか、さまざまな媒体にイラストレーションを提供している

 キュートな魔女ものファンタジーシリーズの生みの親、藤真知子先生の現行シリーズ、「まじょのナニーさん」第7巻。初版は2021年。

 「まじょのナニーさん」は、魔法を使えるスーパー家政婦さんが、なんらかの理由でひとりでお留守番をしなければならない小さな子どものもとへ来て、様々な困りごとや悩みを魔法で解決してくれる一話完結のファンタジーシリーズです。

 ナニーさんは正体不明。どうして家政婦さんをしているのか謎。基本的に一話完結なので、どの巻から読んでも楽しめますが、「最初から順番に読みたい」と言う方は、第一巻「まほうでおせわいたします」からお読みください。「まほうでおせわいたします」のレビューはこちら

 今回のおはなしは……

 ユリのママはとてもおせっかい。
 頼まれもしないのに、いろんな人の面倒をみるので、いつもユリはほったらかし。

 今回も、おばさんが骨折しておばあちゃんのお店をレストランを手伝えなくなったので、ママが子守とお店の手伝いをしに行くことになりました。

 そのうえ、パパは明日から出張に出かけてしまいます。
 ママはユリのためにナニーさんというスーパー家政婦さんを手配してくれました。

 でも、ユリは「ナニーさんをおばさんのところへよこして、ママはうちにいればいいじゃない」と、ぷんぷん。
 不機嫌なユリですが、ナニーさんが心をほぐしてくれて……

 ……と、いうのがあらすじ。

「まじょのナニーさん」は、毎回、現代のお留守番っ子が抱えるお悩み事をナニーさんが魔法で後押しして乗り越えられるように応援してくれる、セラピーストーリー。

 今回は「苦手を克服」。
「苦手と思う気持ちには好きになりたいと言う気持ちがあるのです」と言うのがナニーさんのアドバイス。

 これねえ、すべてではないですが、そういう側面はありますね。
 わたしにとってそれは「お金」です。昔からお金関係は本当に苦手で、できれば避けて通りたい問題なのですが、「好きになりたい」と言う気持ちはたしかにあります。

 このブログでも何度かお金や経済についての児童書をご紹介しているのは、自分が読んで勉強したいからなんですよ。苦手だけど得意になりたい。そういう気持ちがいつもあります。

 わたしは身体が弱くて乗り物酔いや船酔いをするタイプですが、アウトドアやキャンプに憧れていて子どもの頃から、アーサー・ランサムが大好きでした。苦手だけど好き。確かにある。そういうの。

 そんなわけで、ユリは苦手だった跳び箱をビビリトールという魔法の薬で克服。ユリの恐怖心をビビリリスというリスの形にして追い出します。

 そのうえ、その経験を生かして、ハートムーンの国のムスット姫も助けることができました。

 面白いのは、ユリがここで「おせっかい」心を発揮してお姫さまを助けてあげたことです。
 ユリは、ママが他人におせっかいをするのをあんなに嫌がっていたのに、やっぱり母娘なんですね。

 ナニーさんはクールであんまり笑わない女性ですが、いざというときは「おまかせください」と魔法を使ってくれてとても頼りになるスーパーレディです。
 そして、ユリのママのようにちょっぴりおせっかいのところもあるのですが、それを指摘されると「わたしのはおせっかいではなく、すてきなしんせつです」とすまして言うのでした。

 字が大きくて読みやすく、ほとんどがひらがなですが、簡単な漢字にもすべて振り仮名がふってあります。
 はっとりななみ先生の挿絵が今回も愛らしい。要所要所にフルカラーの挿絵もあります。今回はダンスパーティーのシーンが華やかです。
 フォントが大きく読みやすく、絵本を卒業したばかりのお子さまにのお留守番のときのひとり読みにおすすめ。

 ナニーさんがかっこよく、一見とてもクールなのに、いつもお留守番っ子の気持ちに寄り添ってくれるのが素敵。今回のお話には「他人に優しくしたい、親切にしたい」という気持ち、それを素直にあらわす喜びなどが書かれています。

 このシリーズは、主人公が女の子でナニーさんも女性なので女の子向けのお話ではありますが、テーマとなる内容は男女共通ですし、ナニーさんの魔法はアニメみたいに楽しく華やかなので、男の子でも楽しく読めると思います。

 ハロウィンはもうすぐ。
 不思議なナニーさんの物語で、魔法気分を満喫しましょう。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。
 今回は「苦手を克服」がテーマなので、お子さまに乗り越えたい苦手な何かがある場合はおすすめです。

 誰かに親切にする人のことを最初は「おせっかい」と嫌がる主人公ですが、最終的には他人に親切にする喜びを感じられるようになります。

 読後はマカロンでティータイムを。

 

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