【ズッコケ三人組】あの伝説の児童小説。仲良し三人組の大冒険!こども向け会社経営マニュアル?【小学校中学年以上】

2024年1月20日

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うわさのズッコケ株式会社 那須正幹/作 前川かずお/絵 こども文学館

ハチベエ、ハカセ、モーちゃんは、ミドリ市の仲良し三人組。いつも一緒に面白いことに挑戦するのです。

この本のイメージ 面白い☆☆☆☆☆ ためになる☆☆☆☆☆ なるほど☆☆☆

うわさのズッコケ株式会社 那須正幹/作 前川かずお/絵 こども文学館

 非常に有名な児童文学シリーズ、「ズッコケ三人組」です。
わたしは、読んだこと無かったのですが、知人に「誕生日は毎年ズッコケ三人組を三冊ずつ買ってもらっていた」と言う人がいて、その中で特に思い出深い本としてこれを上げていたことを思い出しました。

 アメリカから「レモネード戦争」が上陸し戦々恐々としていたわけですが、わが日本にも昔から「ズッコケ株式会社」があったわけです!

 ズッコケ三人組は、一話完結でその本によって取り扱うテーマが違うので、いろんな本があります。そのときそのときで、探偵ものになったりホラーになったりSFになったりします。この「うわさのズッコケ株式会社」は、今、話題の会社経営、経済がテーマです。

 ハチベエ、ハカセ、モーちゃんの三人組はいつも仲良しです。三人は、近所の木材港に釣りに出かけます。イワシのシーズンで、三人はたくさんのイワシを釣り上げて、ほっくほく。お父さんには「こんなに釣れてみんなが釣りに来るなら、そこで弁当でも売ったらどうか」と言われます。そして…というお話。

 古きよき時代です。現代だと、食べ物を売るのには保健所の許可が必要ですし、そもそも「釣竿をたらしたら誰でも簡単に釣れる」釣り場はもうないんじゃないでしょうか。トム・ソーヤーの冒険でも、子供たちが釣りで簡単に食料を調達していましたが、現代では難しいのではないかと思います。

 それはともかくとして、三人組は港で弁当を売る商売をしようと思い立つのです。それからは、商売→会社設立→会社経営と話が大きくなっていきます。ちょっとした小学生向け会社経営マニュアルです。

 内容はおどろくほど本格的でした。
まだインターネットがない時代に書かれているので、「株券」などはアナログで、紙に書いてあるのですが、非常に正確に「株式会社の成り立ち」と「会社はどうやって経営するか」が書かれています。

 楽しく読みながら、「会社とは何か」「商売とは何か」が学べると思います。「レモネード戦争」には書かれてなかった、「投資」と言う概念についても説明しています。これ以上わかりやすい説明は無いんじゃないかというレベルで、わかりやすく楽しく書かれているので、最後まで読むと株式会社について深い理解が得られます。

 そして児童文学としてのストーリーも完成されていて、学園ストーリーとしても楽しく読むことができるのです。そのストーリーの中で、「レモネード戦争」と同じく、商売についてのありがちなトラブルや困難についてもきちんと描かれています。正直言って、「こういうすごい本がすでに日本にあったのか!」、と自分の世間知らずを恥じました。

 また、この本には放浪画家の島田先生という一風変わったキャラクターが出てきます。この人が登場することで、お話に一歩踏み込んだ深みが出ています。

 商売の仕方や会社の作り方マニュアル的な話だけでなく、「お金とは何か」「価値とは何か」と言うところまで突っ込んで行ってるんです。ここ10年くらいで社会は急激に変わってしまったので、今、このような人が世の中にいるかどうかはわからないのですが、確かに昭和の時代にはこんな風な人はわりといました。

 ハチベエと島田先生との交流と、「HOYHOY株式会社」の立ち上げから解散までの二軸で物語がすすみますが、終始お話はほのぼのとしていて、のどかで、さわやかなのも魅力です。

 面白く楽しく読んで、経済も学べる。読んだ後は確実にかしこくなっている本です。いろんなテーマでシリーズがでているので、この本はわりと特殊な位置づけなんじゃないかなと思うんですが、どうなんでしょう。

 古い時代に書かれた小説ですが、これからの時代にこそ必要なんじゃないかと言う本です。大人にも子供にもおすすめです。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はほとんどありません。かわいい男の子三人組の楽しいお話です。クラスメイトもいい子ばかりで、ほのぼのとしています。とてもおすすめです。読んだらインスタントラーメンが食べたくなるかもしれないので、ご用意くださいね。

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