【あつかったらぬげばいい】悩んだらどうすればいい? 思わずクスッとしてしまう、お悩み解決絵本【子どもから大人まで】
あつかったらぬげばいい。ヘトヘトにつかれたら、はもみがかずにそのままねればいい。ふとっちゃったら、なかまをみつければいい…… 困ったらどうしよう? とぼけてて、でも役に立つ、うーんと唸ってしまう、お悩み解決絵本。(あつかったらぬげばいい ヨシタケシンスケ/作 MOEのえほん 白泉社)
この本のイメージ ズバッと解決解決☆☆☆☆☆ 心スッキリ☆☆☆☆☆ 子どもから大人まで☆☆☆☆☆
あつかったらぬげばいい ヨシタケシンスケ/作 MOEのえほん 白泉社
<ヨシタケシンスケ>
1973年、神奈川県生まれ。筑波大学大学院芸術研究科総合造形コース修了。「りんごかもしれない」「もうぬげない」(以上、ブロンズ新社)、「りゆうがあります」「なつみはなんにでもなれる」「おしっこちょっぴりもれたろう」(以上、PHP研究所)、「あつかったらぬげばいい」(白泉社)で、MOE絵本屋さん大賞第1位、「りんごかもしれない」で、第61回産経児童出版文化賞美術賞を受賞。著書に、「このあとどうしちゃおう」「ころべばいいのに」「ねぐせのしくみ」(以上、ブロンズ新社)、「ふまんがあります」「わたしのわごむはわたさない」(以上、PHP研究所)、「つまんないつまんない」(白泉社)、「あるかしら書店」(ポプラ社)、「みえるとかみえないとか」(アリス館)などがある。2児の父。
初版は2020年です。
これといったストーリーはなく、「あつかったらぬげばいい」「ふとっちゃったら、なかまをみつければいい」などの格言のような短いフレーズで構成されています。
単純な構成ですが、どれも生きていたら躓いたり悩んだりしそうなことばかり。
「ヘトヘトにつかれたら」とか「ふとっちゃったら」みたいな身近なことから、「だいじなひとが いなくなったら」とか「ひとのふこうを ねがっちゃったら」など深刻なものまで。
わたしが好きなのは
「よのなかが みにくくおもえてきちゃったら ひかるがめんをみなきゃいい」
「へやがちらかっていたら とりあえずむきだけそろえればいい」
「じぶんの いばしょがなかったら のはらにしきものをしけばいい」
そうかあ、向きだけ揃えればいいか……でも、そんなふうに考えれば、やる気も出てくるというものです。小さな第一歩が大切ですもんね。
「野原に敷物」のフレーズも大好き。
狭い部屋に人がギュウギュウにいて落ち着かなかったり他人とのコミュニケーションでつかれきってしまったりすると、公園のベンチやカフェの一人席に避難してしまう性格なので、野原に敷物を敷いて自分だけのスペースを確保すると安心する気持ちがわかります。
可愛らしい絵で見開きで「お悩み解決」が書かれており、すべてがひらがなで読みやすい。
ひらがなのみなので、五十音が読めればひとり読みで読みきれます。
絵もわかりやすく、賢い子なら4歳くらいから読めるでしょう。もちろん、読み聞かせをしても楽しい絵本です。
最近は、小さな子どもの世界でも人間関係が複雑になったり、人付き合い、気遣いで悩んでしまうようなので、幼稚園や小学校に通うお子さまにもこの絵本は役に立つかもしれません。
(考えてみれば、わたしが弟とふたりで公園に行ったとき、生まれて初めて近所の子たちとのもめごとに巻き込まれたのも5歳くらいでした)
しかし、ここはあえて悩める大人におすすめしたい。
15.1 x 1.1 x 15 cmと言う小ぶりの絵本なのですが、カフェでぱらぱらと読むのにぴったり。
どのページをひらいてもクスッと笑顔になってしまい、そして心に張り付いていた悩みがスッと小さくなって飛んでいってくれるのです。
「おとなでいるのにつかれたら あしのうらをじめんからはなせばいい」で、大人たちが山や木に登ったり、ブランコをこいだりしている絵が無性に可愛い。
悩みの答えは、こんなふうに単純なところにあるのかもしれません。
一日一回、占いのようにぱらっとめくってその日のページを読むのもいいし、カバンに忍ばせておいて職場で疲れ果てたときにトイレでこっそり読んでも。お弁当やカフェタイムに一人でほっこり読むのもおすすめです。
表紙だけでなく中身もアールヌーボー調のデザインがほどこされていて、かわいい絵なのに絶妙におしゃれ。
大人が一人でカフェで読んでいてもさまになりそう。
親子でウンウンとうなずきながら読むのもいいですね。いろんな楽しみ方ができる絵本です。もちろん、プレゼントにも。
がんばりすぎて疲れているお友だちに、かわいいお孫さんに、そして孫からおじいちゃんおばあちゃんに。
シンプルなのに心に沁みる絵本です。
ピンと来たら、ぜひどうぞ!
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
おすすめです。他人に気を使いすぎて疲れてしまう人、感受性が鋭すぎていろいろと考えすぎてしまう人に「ほっと一息」をくれる絵本です。
自分へのプレゼントだけでなく、大切な人への贈り物にも最適です。
おいしいものと好きな飲み物と一緒に、ゆっくりじっくり読んでくださいね。
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