【ムジナ探偵局】妖怪がらみの事件をムジナ探偵が鮮やかに解決!オカルト事件簿第4巻【満月池の秘密】【小学校中学年以上】

2024年3月27日

広告

ムジナ探偵局 満月池の秘密  富安陽子/作 おかべりか/画 童心社

季節は秋、ムジナ探偵のもとへ奇妙な事件が舞い込んだ。松の老木がそびえるお屋敷で暮らす松居のご隠居、満月池のそばの館で手招きする謎の老人……ムジナ探偵の推理が冴える!

この本のイメージ 妖怪☆☆☆☆☆ 幽霊☆☆☆☆☆ 名探偵☆☆☆☆☆

ムジナ探偵局 満月池の秘密  富安陽子/作 おかべりか/画 童心社

<富安陽子>
富安 陽子(とみやす ようこ、1959年2月15日~)は、日本の児童文学作家。東京都生まれ。和光大学人文学部卒業。25歳でデビューし、1989年「クヌギ林のザワザワ荘」で日本児童文学者協会新人賞、小学館文学賞、1997年「小さなスズナ姫」シリーズで新美南吉児童文学賞、2000年「空へつづく神話」でサンケイ児童出版文化賞を受賞。「やまんば山のモッコたち」はIBBYオナーリスト2002文学作品に選出。2011年、「盆まねき」で第49回野間児童文芸賞、第59回産経児童出版文化賞フジテレビ賞を受賞。2021年、「さくらの谷」で第52回講談社絵本賞を受賞。(wikipediaより)

<おかべりか>
1950年埼玉県に生まれる。オリジナル作品に「よい子への道」「よい子への道2」「とちめんぼう劇場」「やきゅうじょうにいこう」(福音館書店)「しずちゃんのおつかい」(ひかりのくに)「おだんごちゃん」(童心社)など。挿絵に「ムジナ探偵局」シリーズ(童心社)「やまんば妖怪学校」シリーズ、「おばけやさん」シリーズ(偕成社)「はっけよい鯉太」(フレーベル館)「空を飛んだポチ」(講談社)「日本のわらい話」(ポプラ社)など多数。

 「ムジナ探偵局」は「天と地の方程式」「シノダ!」など、日本神話や日本の妖怪をテーマに独自の世界観でファンタジーを書き続ける富安陽子先生の人気シリーズ。第4巻「満月池の秘密」は2007年出版です。

 お話は、それぞれ一冊でまとまっており、どの巻から読んでも楽しく読めるようになっているのですが、細かな設定などは、順に読んだほうがわかりやすいため、まずは第1巻からお読みになることをおすすめします。

 第1巻のレビューはこちら

 おはなしは……

 へんてこ横丁のつきあたり、「古書商 狢堂」(こしょあきない むじなどう)の看板のわきに「狢探偵局」と言う不思議な看板がかかっています。

 店主は「ムジナさん」こと嶋雄太朗。店には時々、不可思議な事件を携えて奇妙な依頼人が訪れます。
 今回は、「松の木屋敷の怪」と「満月池の秘密」の二本立て。

 お話は……

「松の木屋敷の怪」
 松居のご隠居さんは、最近、家で怪事件が続くので困っていました。いきなり家中がくもの巣だらけになったり、ナメクジが「でていけ」とメッセージを残したり。
 怖がった奥さんが怪しげな占い師を連れてきますが、家の怪異はひどくなるばかり。
 さて、ムジナさんは、この家の怪異をどう解決するでしょうか?

「満月池の秘密」
 満月池のそばの公園で野球をしていた源太は、近くの洋館の窓に白いひげの老人の姿を見る。その老人はすでに何年も前に亡くなっている西園寺さんらしい。何度も老人の姿を見てしまう源太は、老人の謎を解こうとする。
 「源太のお母さんお手製のおはぎ」で依頼を受けたムジナさんも、謎の解明に乗り出しますが……

  ……と、いうのが今回のあらすじ。

  どちらも面白かった!
 「松の木屋敷の怪」は、うさんくさい占い師のうさんくささが最高にリアル。妖怪や怪事件より、この占い師がアブナイ。
 どんどんおかしな方向に話が進み、強引な理屈で屋敷を改築寸前……ってところで、ムジナさんが鮮やかに解決してくれて痛快です。何が起きても動じないムジナさんが頼もしい。

 「満月池の秘密」は、洋館のおばあちゃんが、とっても可愛らしくてキュート。全体的にレトロな魅力があり、怪事件の謎もロマンあふれる展開です。いにしえの少女漫画でこんなテイストの話が流行ったかも。なつかしい。

 文章は読みやすく、なんとすべての漢字に振り仮名が振ってある総ルビです。内容的には小学校中学年以上ですが、賢い子なら、コツコツ一人で読めると思います。このボリュームの本が総ルビなのは、うれしいですね。

 いつもながら、ムジナさんの推理は冴え、源太くんとの会話は軽快で、わくわくどきどきの展開です。なつかしのテレビアニメシリーズのような雰囲気もあります。お話としてわかりやすいので、小さなお子さまなら第1巻の次は、これがいいかもしれません。

 「ゲゲゲの鬼太郎」や「悪魔くん」に通じるところもありますが、水木しげるワールドに比べると、おどろおどろしさはなく、ほのぼのとした雰囲気が強いので、怖くないオカルトがお好みの方にはおすすめです。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。ゆかいで、ほのぼのとしたオカルト事件簿です。総ルビなので、五十音が読めれば、ひとりでコツコツ読むことが出来ます。
 「モンスター・ホテル」がお好きなお子さまにはその上級編としておすすめ。昔懐かしいテレビアニメの雰囲気があります。

 読後はおはぎが食べたくなるので、あらかじめ用意しておくことをおすすめします。おいしい緑茶もね。

 

商品紹介ページはこちら

 

 

お気に入り登録をしてくださればうれしいです。また遊びに来てくださいね。
応援してくださると励みになります。

にほんブログ村 本ブログへ

広告