【まじょのナニーさん】家政婦さんは魔女。魔法を使えるスーパーレディがやってきた!どきどきの第5巻。【青空のお友だちケーキ】【小学校低学年以上】

2024年3月29日

広告

まじょのナニーさん 青空のお友だちケーキ  藤真知子/作 はっとりななみ/絵 ポプラ社

翻訳家のママは、アメリカの作家さんに会いに海外出張。不安なルナのためにママはスーパー家政婦ナニーさんを手配してくれました。だけど、クラスメイトのユウには「赤ちゃんみたい」とばかにされてしまい……

まじょのナニーさん 青空のお友だちケーキ  藤真知子/作 はっとりななみ/絵 ポプラ社

<藤真知子>
東京女子大学卒業。「まじょ子どんな子ふしぎな子」でデビュー。以後、「まじょ子シリーズ」は、幼年童話のファンタジーシリーズとして人気を博し、ついに60巻で完結。ほかにも「わたしのママは魔女シリーズ」(全50巻)など、作品多数。

<はっとりななみ>
武蔵野音楽大学卒業。その後東京デザイン専門学校でグラフィックデザインを学び、製紙メーカーデザイン部を経て、イラストレーターに。絵本の挿絵やグリーティングカードほか、さまざまな媒体にイラストレーションを提供している

 かわいい魔女ものファンタジーシリーズを多数生み出している藤真知子先生の現行シリーズ、「まじょのナニーさん」第5巻。初版は2019年。

 「まじょのナニーさん」は、魔法を使えるスーパー家政婦さんが、なんらかの理由でひとりでお留守番をしなければならない小さな子どものもとへ来て、様々な困りごとを魔法で解決してくれる一話完結のファンタジーシリーズ。

  基本的に一話完結なので、どの巻から読んでも楽しめますが、最初から順番に読みたい、と言う方は、第一巻「まほうでおせわいたします」から。「まほうでおせわいたします」のレビューはこちら

 今回のお話は……

 ルナのママは翻訳家。アメリカの作家さんに会いに行くため月曜から木曜まで出張です。パパは昼間はお仕事。ママが四日もいないなんて……と、心配するルナに、ママはナニーさんを手配してくれました。

 ところが、そんなルナをクラスメイトの女の子ユウは「あまったれの赤ちゃん」とばかにします。ユウは、いつもおこずかいをもらって1人でお留守番しているのです。

 不安なルナのもとにやってきたナニーさんは、不思議な魔法でルナに「妖精のガチャガチャ」をさせてくれました。
 心がほぐれたルナは、ガチャガチャであてた「ひこ星さまの生クリーム」でケーキを作ろうと思います。このクリームで作ったケーキを食べた人とは、ずっと仲良しになれるのです。

 「ケーキつくりにお友だちをさそってみてください」とナニーさんにいわれ、「誰をさそおう……」とルナは悩みます。

 翌日、給食の時間にごまだんごを床に落としてしまったルナ。
 「だれがだんごを落としたのか」と男の子たちがはやし立てるなか、なんと、いつもルナをばかにしていたユウがかばってくれるのでした……

 ……と、いうのがあらすじ。

 いままでのナニーさんは、お留守番する子供のさみしさや、赤ちゃんにママをとられる不安、できのいいお姉ちゃんへのコンプレックスなど、家庭内の問題が多かったのですが、ここではじめて友情ものが登場します。

 ルナもユウも、両親が共働きのお留守番っ子。最初はぎくしゃくしていたけれど、ユウはルナと仲良くしたかっただけだとわかり、大の仲良しになります。

 わたしが子供のころ、うちの両親は共働きだったので、昼間は祖母と一緒にすごしていました。
 当時は共働きの家は珍しく、既婚女性が働く場合は「旦那さまが許してくれたら」という条件つきという時代。とはいえ、お父さんひとりの稼ぎで家庭を支えることができた、高度成長時代の景気の良い話でもあります。

 今後、共働きの家庭は増えることはあっても減る事はないでしょうから、お留守番っ子の物語のニーズはどんどん増えることでしょう。

 お留守番っ子のための絵本としては「よるくま」「たからもののあなた」、名作ファンタジー「かぎばあさん」などをこのサイトでもご紹介しています。

 ひとりでお留守番するとき、ゲームをしたりアニメを見るのも楽しいですが、本を読むのもまた別の楽しさがあります。
 アニメーションの動きや物語のリズム、ゲームの双方向の面白さも格別ですが、読んでいるうちに吸い込まれてゆくような感覚は、読書ならでは。

 この楽しさをはじめて体感するのは、小学校低学年くらいの、長いお話の読み始めのとき。

 自分の経験を思い起こすと、知らない字を覚え、読めなかった文章がどんどん読めるようになる時期の読書は、暗号解読のような楽しさがありました。おそらく、読書好きになるかどうかは、この時期の体験にかかってくるのではないでしょうか。

 「まじょのナニーさん」シリーズは、そんな時期のお留守番タイムにぴったりの物語です。字が大きくて読みやすく、ほとんどがひらがなですが、簡単な漢字にもすべて振り仮名がふってあります。はっとりななみ先生の可愛らしい挿絵がふんだんに入っており、ところどころはフルカラーの挿絵もあって華やか。

 さみしがりやの主人公がちょっぴり成長するのをナニーさんが助けてくれる、はじけるように楽しくやさしい、不思議ファンタジーです。

 お留守番っ子のさみしさに寄り添い、元気をくれるナニーさん。「青空のお友だちケーキ」は、お友だちがほしい一人っ子のお子さまにおすすめのストーリーです。

 おうち時間が増えそうなこの夏の読書にぜひどうぞ。

 ※この本は電子書籍もあります。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。明るく楽しく、カラフルなファンタジーです。
 女の子の友情ものなので、1人っ子のお子さまに。ツンデレのユウちゃんがかっこよくてかわいいので推せます。

 読後は親子で一緒にケーキが作りたくなるかも。

 

商品紹介ページはこちら

 

 

お気に入り登録をしてくださればうれしいです。また遊びに来てくださいね。
応援してくださると励みになります。

にほんブログ村 本ブログへ

広告