【大どろぼうホッツェンプロッツ】60年前から愛される、ドイツの名作児童文学。腕白少年が大泥棒と対決【小学校中学年以上】

2024年3月17日

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大どろぼうホッツェンプロッツ プロイスラー/作 トリップ/絵 中村浩三/訳 偕成社

おばあさんの大切なコーヒーひきが、大泥棒ホッツェンプロッツに盗まれてしまいました。さあたいへん。カスパールとゼッペルのふたりと、大泥棒ホッツェンプロッツの対決が始まりました。

この本のイメージ 腕白少年☆☆☆☆☆ 大冒険☆☆☆☆☆ じつはファンタジー☆☆☆☆☆

大どろぼうホッツェンプロッツ プロイスラー/作 トリップ/絵 中村浩三/訳 偕成社

<オトフリート・プロイスラー>
オトフリート・プロイスラー(Otfried Preußler、1923年10月20日~2013年2月18日)は、チェコスロバキア生まれのドイツの児童文学者。長年教師をしながら童話を次々に発表する。代表作に「大どろぼうホッツェンプロッツ」「小さい魔女」「クラバート」など。本国ドイツをはじめ世界各国で多くの文学賞を受賞している。

<フランツ・ヨーゼフ・トリップ>
フランツ・ヨーゼフ・トリップ(Franz Josef Tripp、1915年12月7日~1978年2月18日)は、ドイツのエッセンに生まれる。新聞関係の仕事をしながらハインリック・C・ベランに師事、1949年に独立。ドイツの画家、イラストレーターとして多くの児童書の挿絵を描いた。息子は芸術家ヤン・ペーター・トリップ。

<中村浩三>
中村 浩三(なかむら こうぞう、1917年(大正6年)7月10日~ 2008年(平成20年))は、日本のドイツ文学者、翻訳家、早稲田大学名誉教授。 島根県生まれ。1944年早稲田大学文学部独文科卒。早稲田高等学校講師、1951年早大理工学部助教授、57年教授、68 ~74年語学教育研究所長、88年定年退任、名誉教授。1991年「少年ルーカスの遠い旅」で産経児童出版文化賞受賞。ドイツの児童文学を多く訳し、「大どろぼうホッツェンプロッツ」三部作がロングセラーとなっている。

 児童文学のロングセラー「大どろぼうホッツェンプロッツ」です。原題はDer Räuber Hotzenplotz. ドイツでの初版は1962年。日本語版初版は1966年です。

 これ、どういうわけか、未読だったんですよねえ。今読んでも、めちゃくちゃ面白いので、これは小さい子どもの頃、読んでおくんだったな、と少し後悔。(でも、知らなかったんですよね)

 児童文学には、この「大どろぼうホッツェンプロッツ」や、「名探偵カッレくん」「チョコレート戦争」など、子どもが知恵を使って大人と渡り合う話があります。これは、大人になってからだと充分に醍醐味がわかりません。

 この胸のすくような感じは、おそらく、小学生のときに読まないと本当の意味では楽しめないのだと思います。

 主人公は、仲良しコンビ、カスパールと親友ゼッペル。カスパールのおばあさんがある日、大どろぼうホッツェンプロッツに大切なコーヒーひき(コーヒー豆を手でぐるぐる回して轢くやつです)を奪われてしまいます。

 このコーヒーひきは、ただのコーヒーひきではなくて、ハンドルをまわすとオルゴールのように「5月はものみなあらたに」と言う曲を奏でてくれる、特別なコーヒーひきだったのでした。

 お気に入りのコーヒー引きを奪われて、おばあさんは倒れてしまいます。

 憤慨したカスパールとゼッペルは、ホッツェンプロッツを懲らしめてやろうと一計を案じますが……

 と、いうのがあらすじ。

 このホッツェンプロッツ、おばあさんの家からコーヒー引きをこっそり盗むんじゃなくて、堂々と脅して取り上げてるので、もはや大泥棒というより強盗です。しかし、持ってゆくのがコーヒーひき。
 なので、ちょっととんまな強盗なのかなと思ったら、けっこうずるがしこくて、この後、カスパールとゼッペルはいろいろとたいへんな目に遭います。

 じつはこの後、このお話はファンタジーだったことがわかります。中盤からは魔法使いや妖精が登場するんです。

 その魔法使いのおかげでカスパールは、かなりつらい思いをしますが、そこは根性で乗り越えて、なんとかしてしまいます。さすが、この時代の子どもはたくましい。

 おそらく、60年くらい前だと、小さな子どもが悪い大人に浚われて無理やり働かせられたりなど、わりと頻繁にあったことなのでしょう。そういう意味での警告もある物語なのでしょうが、このふたりの腕白坊主がとにかく、へこたれない、負けていないというのが気持ちいいのです。

 どんな状況になっても、前向きに捕らえ、なんとかして打開してゆく。そんなど根性みたいなものは、大人も含めて現代は枯れてきてしまっています。生命力が乏しくなってきてるのですね。

 この童話は、そんな、古き良き子どもたちのパワーみたいなものがあふれていて、閉塞しがちな現代の子どもたちに元気を補給してくれる気がします。

 文章は平易で読みやすく、とぼけた挿絵がふんだんに入っています。物語としてかなりボリュームがあるので、小学校中学年から。けれども、すべての漢字にふりがなが振ってあるので、かしこい子なら小学校低学年からコツコツ読むことができます。ぜひ、挑戦してみてください。小さな章に分かれているので、読み聞かせにもおすすめ。

 そうそう、この本を読んで「5月はものみなあらたに」と言う曲がどんな曲か、聴いてみたくなりませんでしたか?
 わたしは、すごく知りたくなったので検索してみました。
 知ってびっくり。

 なんとこの曲だったとは!

 あまりにも驚いたので、最後にリンクしておきます。
 インターネットがなかったら、一生知る事はなかったと思うので、文明に感謝。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。ゆかいで楽しい児童文学です。
 男の子たちと大どろぼうの頭脳戦が楽しいので、そういうのが好きなら、おすすめです。

 読後は、生クリームをたっぷり添えたプラムケーキとコーヒーでコーヒータイムを楽しんでください。

 

商品紹介ページはこちら

 

 

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