【まじょのナニーさん】お留守番子の最強の味方!魔法のアイスクリームのお味は?【雪だるまのアイスクリームやさん】【小学校低学年以上】
アメリカ育ちのレアのパパはいつもママとペアで出かけてしまいます。お留守番ばかりのレアはおかんむり。そこへナニーさんがやってきて……(まじょのナニーさん 雪だるまのアイスクリームやさん 藤真知子/作 はっとりななみ/絵 ポプラ社)
この本のイメージ 雪のファンタジー☆☆☆☆☆ アイスクリーム☆☆☆☆☆ ポジティブシンキング☆☆☆☆☆
まじょのナニーさん 雪だるまのアイスクリームやさん 藤真知子/作 はっとりななみ/絵 ポプラ社
<藤真知子>
東京女子大学卒業。「まじょ子どんな子ふしぎな子」でデビュー。以後、「まじょ子シリーズ」は、幼年童話のファンタジーシリーズとして人気を博し、ついに60巻で完結。ほかにも「わたしのママは魔女シリーズ」(全50巻)など、作品多数。
<はっとりななみ>
武蔵野音楽大学卒業。その後東京デザイン専門学校でグラフィックデザインを学び、製紙メーカーデザイン部を経て、イラストレーターに。絵本の挿絵やグリーティングカードほか、さまざまな媒体にイラストレーションを提供している
キュートな魔女ものファンタジーシリーズの生みの親、藤真知子先生の現行シリーズの第10巻「まじょのナニーさん 雪だるまのアイスクリームやさん 」。初版は2023年。
「まじょのナニーさん」は、魔法を使えるスーパー家政婦ナニーさんが、なんらかの理由でひとりでお留守番をしなければならない小さな子どものもとへ来て、様々な困りごとや悩みを魔法で解決してくれる一話完結のファンタジーシリーズ。毎回登場するお留守番子はちがいます。
ナニーさんは正体不明。どうして家政婦さんをしているのかも謎。基本的に一話完結なので、どの巻から読んでも楽しめますが、最初から順番に読みたい方は、まずは第1巻「まほうでおせわいたします」からお読みください。
「まほうでおせわいたします」のレビューはこちら↓
今回のお話は……
レアのパパは日本人だけどアメリカ育ち。だから、いつもママとふたりでどこかへお出かけしてしまいます。
今回はハワイにある会社のパーティーにふたりで行ってしまいました。
お留守番のレアのもとへは不思議なナニーさんが。
不機嫌なレアでしたが、ナニーさんの魔法を見てびっくり。
スノーボールの中の雪山にある、雪だるまのアイスクリームやさんに連れて行ってもらいます。
雪だるまのダルと仲良しになったレアは、お互いのママに不満はありながらも発想の転換で上手に気持ちを伝えられそうだと思うのでした……
……と、いうのがあらすじ。
今回は、「ものごとは考え方ひとつで解決できる(かも)」と言うお話。
夫婦でのお出かけが多いパパとママにいつもおいてけぼりのレア。
ママが大好きなキルトを作っているときも「針を使っているからあぶない」と近寄らせてくれなくて、つまらない。
ずっと我慢していてごきげん斜めのレアでしたが、「ママにキルトの作り方教わっちゃおう、そうしたらいつも一緒にいられる」と思いつきます。
不満なことも、納得いかないことも、もしかしたら考えようひとつで解決してしまうかも知れません。
ただ大人しく我慢だけしていると、いつか爆発してしまうかも。
我慢するより、発想の転換で解決してしまったほうがずっといい。自分も楽しいしママも楽しいはず。
そんな風に考えられるようになって、レアはちょっとだけ大人になったし、気持ちも楽になりました。
「いい子にして我慢する」と言うのは、日本の子どもがまず覚えることです。
日本の住宅は狭いし、電車は満員、大人も子どもも忙しいので「我慢する」ことを身に着けないと生きてゆけないからです。だからと言って、毎日我慢だけしているとそれではいつか限界が来てしまいます。
わたしは子どもの頃、「心の物置」に辛いことや哀しいこと、納得できないことを心のダンボールに詰めてどんどん仕舞っていました。それで普段は考えなくてすむし、どうにかなると思っていたのです。
でも、そのやり方では中学生くらいで物置がいっぱいになってしまうことに気がつきました。
がんばればその物置は増築して少し広くすることはできます。けれど、それでも大学生になる頃にはやっぱりいっぱいになってしまいました。
そのとき、気がついたのです。
無理しないで生きてる人は「物置システム」じゃないんだって。
心の中に綺麗な小川があって、哀しいことも辛いこともどんどん流してしまっているのです。
どうしたらああいう風になれるんだろうか……
それは、今回のレアちゃんのように、小さなこと、些細なことでもすぐに発想の転換でマイナスをプラスに転換しているから。
そうか、ああすればいいのか……
と、気づいたからといって、人は慣れたやり方からすぐに変えることはできませんが、それは訓練と言うか新しい習慣と言うか。
しかし物置を増築しすぎて崩壊したガラクタの下敷きになって圧死するのを避けるためには、必死でがんばるしかありません。
今でもそんなに上手にできるようになったわけではありませんが(三つ子の魂百)、でも、最近は反射的に物置を作ろうとすると「いかんいかん」と小川に流せるようになってきています。(成長が遅い)
今回のお話は単純な話ではあるのですが、小さなお子さまが子どもの頃に身に着けておくとあとあとの人生でとても楽に生きられる考え方のコツのようなものが描かれています。
お留守番子は家でひとりでいる時間が多く、そうするとぐるぐると悩み事を考え続けてしまいがち。
そんなとき、ナニーさんの素敵な魔法やレアちゃんの考え方に触れると、もっと楽に生きられる方法を知ることが出来るかもしれません。
字は大きめで読みやすく、すべての漢字には振り仮名がふってあります。五十音が読めれば一人でコツコツ読みきれるので小学校低学年から。お留守番のときに読むのにぴったり。
すべての見開きにはっとりななみ先生の可愛らしい挿絵が入っており、ところどころにはカラーの挿絵もあり華やかです。
明るく楽しく、セラピー要素もあるファンタジー。
お留守番の多いお子さまへのプレゼントに、読み聞かせに。
スーパー家政婦ナニーさんのミラクルストーリーをぜひどうぞ!
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はまったくありません。ただ我慢するのではなく発想の転換でマイナスなこともプラスにしていこうというお話です。
読後はアイスクリームが食べたくなるかもしれません。ご用意を。
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