【ふしぎなようせい人形】引っ込み思案の末っ子のもとに舞い降りた妖精人形。クリスマスプレゼントに【四つの人形のお話 4】【小学校低学年以上】
末っ子のエリザベスは何わやっても失敗ばかり。掛け算の九九も出来ないし、お使いのお買い物は間違えてばかり、縫い物をすれば指を怪我してしまいます。でも、お守りにともらった妖精の人形がなんでも助けてくれるようになりました……(ふしぎなようせい人形 四つの人形のお話 4 ルーマー・ゴッデン/作 久慈美貴/訳 たかおゆうこ/絵 徳間書店)
この本のイメージ 日常ファンタジー☆☆☆☆☆ 人形☆☆☆☆☆ クリスマス☆☆☆☆☆
ふしぎなようせい人形 四つの人形のお話 4 ルーマー・ゴッデン/作 久慈美貴/訳 たかおゆうこ/絵 徳間書店
<ルーマー・ゴッデン>
マーガレット・ルーマー・ゴッデン(Margaret Rumer Godden, OBE, 1907年12月10日 ~ 1998年11月8日 )イギリスの作家。
1907年イギリスサセックス州生まれ。生後まもなく家族と共にインドに移り住み、12歳の時にイギリスに戻る。「人形の家」「ねずみ女房」「ハロウィーンの魔法」など。
<久慈美貴>
岩手県生まれ。大学非常勤講師。訳書に「アリーの物語」「野獣の薔薇園」「ヴァイキングの誓い」など。
<たかおゆうこ>
多摩美術大学グラフィックデザイン科卒。大手玩具メーカーの企画デザイン室勤務を経て渡米。カリグラフィー、水彩画、銅版画などを学ぶ。絵本、さし絵など多数
「ねずみ女房」のルーマー・ゴッデンの、小さな子供のための物語です。お人形をテーマにしたファンタジーシリーズの第4巻。「ふしぎなようせい人形 四つの人形のお話4」の原題はThe Fairly Doll. 原書初版は1956年。日本語版初版は2018年です。
ストーリーは……
四人きょうだいの末っ子エリザベスはいつも失敗ばかり。お使いのお買い物は間違え、掛け算の九九はできず、縫い物は怪我をしてばかり、自転車も乗れません。
エリザベスは落ち込むと、いつもクリスマスツリーの飾りがしまってあるヒマヤラスギのながもちの傍で座りこんでいました。
クリスマスにひいおばあさまがやってくることになり、おもてなしをすることになりました。
そこでエリザベスは大失敗。落ち込む彼女にひいおばあさまは「この子にはお守りの妖精が必要ね」と言います。
エリザベスがもらったのは、クリスマスツリーのトップに飾る、妖精の人形でした……
……と、いうのがあらすじ。
日本ではクリスマスツリーのトップは大きな星を飾るのがおなじみですが、イギリスでは妖精の人形を飾る風習もあるようです。絵本「こねこのウィンクルとクリスマスツリー 」でも妖精人形が登場します。
エリザベスの家の妖精人形には不思議な力があって、エリザベスに困ったことがあると魔法の力で助けてくれる(気がする)のでした。
小さな子どもが人形を親友のように思い、困ったことや悩みをこっそり相談するのは珍しいことではありません。ぬいぐるみや人形は内向的な子どものいちばんのイマジナリーフレンドです。
エリザベスは「自分だけの」妖精人形が手に入ったことで前向きになり、様々なことができるようになります。時々は不思議な魔法の力が手伝ってくれて……
それは、本当に魔法なのか、エリザベスの想像の産物なのか。
この物語ではそうした不思議を否定していません。なにしろ、エリザベスに「妖精が必要ね」と言ったのはほかならぬひいおばあさま。勇気がないとか努力が足りないとか言わないのです。ここが、この物語でいちばん好きなところ。
毎日ちゃんと努力して、嫌なことにも立ち向かっているエリザベス。できないのは要領が悪くて不器用なだけ。ついつい緊張してしまうだけ。彼女の繊細な気持ちに寄り添ってくれる存在がいたら、きっとのびのびと成長できるはず……
そして、ひいおばあさまの判断は正しかったのでした。
ラストは現実と不思議が交錯するほのぼのとしたハッピーエンドです。
文章は平易で読みやすく、簡単な漢字以外はひらがなで、漢字にも振り仮名が振ってあります。五十音が読めればひとりでコツコツ読みきることができるでしょう。もちろん、読み聞かせもおすすめです。
クリスマスのお人形のお話なので、クリスマスプレゼントにもぴったり。お孫さんへのプレゼントも素敵です。
心がしみじみとあったかくなる、メルヘンな人形ファンタジーです。
お人形好きなお子さまにぜひどうぞ!
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はまったくありません。内向的で緊張しがちな小さな女の子が自分に自信を持てるようになるメルヘンファンタジーです。人形が少女のパートナーとして彼女を支えます。
小さなお子さまのクリスマスプレゼントにぴったりです。
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