【うみべのおはなし3にんぐみ】おはなししよう!物語を愛する子どもたちのゆかいなお話集【小学校低学年以上】

2024年4月11日

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うみべのおはなし3にんぐみ  ジェイムズ・マーシャル/作 小宮由/訳 大日本図書

砂浜でピクニックをしていた三人組、ローリー、サム、スパイダー。ローリーが自作のお話を披露すると、「ぼくならもっと面白いお話が作れるよ」と、サムとスパイダーが……

この本のイメージ 創作の楽しみ☆☆☆☆☆ 連鎖する想像力☆☆☆☆☆ 仲良し三人組☆☆☆☆☆

うみべのおはなし3にんぐみ  ジェイムズ・マーシャル/作 小宮由/訳 大日本図書

<ジェイムズ・マーシャル>
1942年アメリカのテキサス州に生まれ、1992年に50歳で没。高校教師として出発し、児童文学のさし絵の分野で活躍。また作家としても才能を発揮し、ユーモアのあふれる50作以上の絵本や物語を残した。代表作品に、自作自画の「二頭のかば」シリーズや「フクロウ探偵30ばんめの事件」などがある。

<小宮由>
翻訳家。1974年、東京都出身。学生時代を熊本で過ごし、大学卒業後、児童書版元に入社。2001年に留学。帰国後、いくつかの版元勤務を経て現在に至る。2004年より、東京・阿佐ケ谷で家庭文庫「このあの文庫」を主宰。
両親・兄夫婦は熊本・西原村で児童書専門店竹とんぼを経営。
祖父は、トルストイ文学の翻訳家 北御門二郎。

 原題はTHREE BY THE SEA. アメリカでの初版は1981年。日本での初版は2022年です。

 イギリスの古い児童文学を読むと、子どもたちの冬の娯楽として暖炉のそばで創作話をする、と言うシーンをよく見かけます。
 子どもたちが親に「お話して、お話して」とせがみ、グリム童話などの昔話をするか、お父さんやお母さんの思い出話、または親が創作したオリジナルの童話などを語ります。

 「物語」はテレビやビデオゲームなどのない、娯楽の少ない時代の楽しみだったのでしょう。
 日本でも、囲炉裏端で昔話をする風習がありました。

 物語を聞くことも、物語を作ることも、小さな子どもの発育や成長に大きなプラスの影響を及ぼします。
しかしいきなり自作の童話を語るのはハードルが高い。

 最初は誰もが知っている既存のおとぎ話を聞かせたり、自分の若い頃の思い出話をしたりするところからはじめて、慣れてくればオリジナルのお話をするのも楽しいかもしれません。
 楽なのは、既存のお話のつづきを考えたり、改変したりすることで、これは「二次創作」と言って、今でも夏と冬にとある巨大展示会場でひっそりイベントが行われています。

 「おはなし3にんぐみ」シリーズは、「おはなし」が大好きな三人の子ども、ローリー、サム、スパイダーがおでかけした先で即興の物語を披露しあうお話です。

 面白いのは、最初は「ねことねずみと犬がいました」くらいしか内容がなかったお話が、そこから発想を得てどんどん広がっていったことです。やっぱり何もないところから長いお話を作るのは難しくてこんなふうに連想しながら育ってゆくものなんですね。

 最後はちょっとしたホラーものみたいになっていて、スパイダーお見事!

 字は大きくて読みやすく、簡単な漢字しかありませんがすべて振り仮名が振ってあります。五十音が読めればひとりで読みきれますが、読み聞かせをしても楽しそうです。

 すべての見開きに挿絵が入っており、絵本と小説の中間あたりの、絵本を卒業したばかりのお子さまにおすすめの物語集です。

 親子で読み終わったら、「おはなし3にんぐみ」のように、自作のお話を聞かせあうのも楽しそう。
 この夏、お風呂上りの本読みタイムに、おでかけ先でのお部屋タイムに。
 親と子のコミュニケーションがいっそう楽しくなりそうな「おはなし3にんぐみ」をぜひどうぞ!

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はいっさいありません。
 子どもの頭のなかの想像が、そのまま吐き出されたようなゆかいで楽しいお話集です。「お話をつくる」楽しみや「お話を語る」楽しさを教えてくれる本です。
 絵本を卒業したばかりのお子さまにおすすめです。

 

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