【ええところ】わたしのいいところは何なのかな?自分と他人の良さを知る、あたたかでやさしい絵本。【4歳 5歳 6歳】
わたしには「ええところ」なんてひとつもないねん。そういうわたしにともちゃんが、教えてくれた。「あったよ、あいちゃんのええところ!!」それは……(ええところ くすのきしげのり/作 ふるしょうようこ/絵 学研プラス)
この本のイメージ 友情☆☆☆☆☆ 自己肯定感☆☆☆☆☆ 互いを肯定する☆☆☆☆☆
ええところ くすのきしげのり/作 ふるしょうようこ/絵 学研プラス
<くすのきしげのり>
1961年生まれ。徳島県在住。小学校教諭を経て絵本や児童書などの創作活動を続ける。絵本「おこだでませんように」(小学館)が第2回JBBY賞(日本国際児童図書評議会)バリアフリー部門受賞
<ふるしょうようこ>
東京生まれ。ニューヨークを拠点に活動するイラストレーター。高校卒業後、渡米。ニューヨークの美大・スクールオブビジュアルアーツで学び、卒業後アートディレクターズクラブ新人賞受賞。広告やファッションを中心に国際的に活動中。「ええところ」で絵本デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
優しくて愛らしい絵本のご紹介です。初版は2012年。
お話は……
「わたし」ことあいちゃんは、自分にはどこにも「ええところ」がないと悩んでいます。
背は低いし、力も弱い。走るのも遅いし、声も小さい。100点なんてとったことない。
仲良しのともちゃんに「わたしって、ええところ ひとつもないなあ」と言うと
「そんなことない」と言ってくれ、「明日までに考えてくるわ」とわかれました。
翌日、ともちゃんは「あいちゃんの手はクラスでいちばんあったかい」と言ってくれます。
おかげで、寒い冬、クラスのみんなはあいちゃんの手をにぎりにきてくれるようになりました。
掃除のあと雑巾がけをした子はみんな、あいちゃんの手を握りにきてくれました。
お友だちの手を一生懸命あっためるあいちゃん。でも、みんなの冷たい手を温めていたら、
あいちゃんの手も冷たくなってしまい……
……と、いうのがあらすじ。
ずっと自分にはいいところなんてないと落ち込んでいたのに、自分のいいところが「手の温かいところ」だと知ったら、すぐにクラスのみんなの手をあっためてあげようとするあいちゃんの優しさ。
あいちゃんが自分の良いところを知りたかったのは、自慢したり自信をつけたりしたかったのではなく、誰かの役に立ちたかったからなのですね。
そういうあいちゃんの優しい心に、ともちゃんはとっくに気づいていました。
誰かの「いいところ」に気づくって、なんてすばらしいことなんでしょうか。そして、誰かの「いいところ」をその人に教えてあげると、もっと素敵なことが起きるのです。
わたしは「いいなあ、素敵だなあ」と思うことは口に出すことにしています。
「いいなあ、うらやましいなあ」と思うことも、口に出すことにしています。
「うらやましい」と言う感情について、ネガティブだと言う人がいます。そういう感情を持つことは良くないことだという人もいます。
けれど、「あなた素敵ね。うらやましいわ」と相手に素直に言うことで、ネガティブになりがちな言葉は褒め言葉になるし、そうすると気持ちも自然とポジティブな感情に転換されてゆきます。
他人のいいところに気づき、「素敵だね」と言うことは、お互いの幸せを大きくするのです。
字はすべてひらがなとカタカナ。文章は見開きで最大十五行前後で読みやすく、五十音が読めればひとり読みで読みきることができます。もちろん、読み聞かせにも。
ふるしょうようこ先生のレトロ可愛い絵が昭和の絵物語を思い出させ、なつかしく温かい気持ちになります。今のお子さまや若い方には、かえって新鮮かも。子どもたちのファッションもカラフルでおしゃれです。
自分の良いところを知りたいお子さまに。繊細で落ち込みやすいお子さまへのプレゼントとして。そして昭和大好きな大人の和み絵本としても。
「ええところ」は、ちょっぴりレトロで、優しくて、あったかい気持ちになる絵本です。
寒い季節、暖かい部屋でのリラックスタイムに、読み聞かせに。レトロかわいい絵本をぜひどうぞ!
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ゆるやかに自己肯定感をあげてくれる絵本です。自分のいいところ、他人のいいところを探して、それを教えあうことの素晴らしさ、そこから生まれる幸せを描いています。
昭和風のレトロでおしゃれな絵がたまらない魅力があります。
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