【もしものせかい】もしもあのとき、ああだったら?人生の不思議を語る深くてやさしい絵本。【子どもから大人まで】

2024年4月14日

広告

もしものせかい ヨシタケシンスケ/作 赤ちゃんとママ社

もしもあのとき、あれがうまく行っていたら?もしも、あのときあの道を選んでいたら?もしも、あのとき、あれがおきていなかったら? そんなたくさんの「もしも」が人生を支えている……(もしものせかい ヨシタケシンスケ/作 赤ちゃんとママ社

この本のイメージ 選んでも選ばなくても☆☆☆☆☆ 想像力☆☆☆☆☆ 自分をささえるもの☆☆☆☆☆

もしものせかい ヨシタケシンスケ/作 赤ちゃんとママ社

<ヨシタケシンスケ>
1973年、神奈川県生まれ。筑波大学大学院芸術研究科総合造形コース修了。「りんごかもしれない」「もうぬげない」(以上、ブロンズ新社)、「りゆうがあります」「なつみはなんにでもなれる」「おしっこちょっぴりもれたろう」(以上、PHP研究所)、「あつかったらぬげばいい」(白泉社)で、MOE絵本屋さん大賞第1位、「りんごかもしれない」で、第61回産経児童出版文化賞美術賞を受賞。著書に、「このあとどうしちゃおう」「ころべばいいのに」「ねぐせのしくみ」(以上、ブロンズ新社)、「ふまんがあります」「わたしのわごむはわたさない」(以上、PHP研究所)、「つまんないつまんない」(白泉社)、「あるかしら書店」(ポプラ社)、「みえるとかみえないとか」(アリス館)などがある。2児の父。

 元日のブログはあらかじめ大晦日に書いていたものなので、実質的に本日のブログが今年最初の記事となります。今年もよろしくお願いいたします。

 昨年は、自分の事情で一時期異次元空間に閉じ込められており、なかなかこちらの世界にもどれないでいました。
 そんなこともあり、復活後は生活ペースに気をつけ、まずは健康を優先することを心がけています。お正月はそれまでの疲労がたまっていたこともあって、少しゆったりとさせていただきました。

 その間に、世の中では大事件が相次ぎ、まだまだ気の休まらない日々が続いていますね。
 被災地のみなさまのもとに、一日も早く、平穏な日常が訪れますように。

 本日ご紹介する絵本は、ヨシタケシンスケ先生の「もしものせかい」です。初版は2020年。

 ヨシタケ先生は、楽しくゆかいで軽快で、そして深くて哲学的な絵本を次々と生み出してくださいます。
 小さな子どもが「自分とはなんなのか」「世界とはなんなのか」と考え始めたとき、大人に「どうして」攻撃を始めるお年頃のとき、その「どうして」の気持ちのど真ん中にボールを投げてくれる絵本がヨシタケ絵本です。

 それは、大人になっていても抱き続ける「子ども心」にも届きます。

 この「もしものせかい」は、もしも、あのおもちゃを無くしていなかったら? もしもあの習い事をやめていなかったら? もしも、あのとき引越ししていなかったら? と、子どもの人生のなかで何度も訪れる「もしも」について語っています。

 「もしも」は自分が選べるものだけではありません。突然の事故や哀しいできごと、自分の力ではどうしようもないような大きなことでも「もしものせかい」は生まれてしまいます。

 それは、考えると涙が流れてしまうような、哀しく辛いことかもしれません。しかし、この絵本ではその「もしもの世界」はいつも「きみ」を支えてくれ、「きみ」の世界を豊かにしてくれるのだといいます。

 それは悲しみだけではないのだ、そこには幸せもあるし、力強さもあるし、豊かさもあるのだ。
 その「もしものせかい」があることで人は強く大きくなれるのだ……

 あまりそんな風に考えたことはありませんでした。
 哀しいことやつらいことを考えることは、日常生活ではネガティブなことだと言われます。もう済んだこと、終わったこと、過去のことを考えてもそれで未来が豊かになるわけでは無いというのが、一般社会ではよく言われることです。
 でもね、わたしくらいの歳になると、そろそろだんだん友だちが鬼籍に入るようになります。
 若いときは友だちとの離別なんて喧嘩別れくらいしかなかったけれど、この歳になると「喧嘩なんてお互い生きてなきゃできないんだから、あれは案外幸せなことだったんだな」と思うようになります。

 そして、否応無しに「もしものせかい」は広がってゆくのです。

 字はすべてカタカナとひらがな。
 小ぶりの本で見開きに最大で十行くらいの文章で、文は手書きではなくて写植です。

 五十音が読めるお子さまならひとりで読みきれる量です。ひとりで考え込むことが多かったり、「どうして」攻撃の多いお子さま向け。けれど、大人が読んでも心に沁みる絵本でもあります。

 人生ではじめて「もしも」を考え始めたばかりの小さなお子さまに。
 そして、「もしものせかい」がだんだん大きくなり始めたことを感じ始めた大人の方に。ぜひ。

 静かなカフェか、リビングで、ひとりで温かい飲み物をお供にゆっくりと読んでみましょう。ミルクか豆乳たっぷりの飲み物がいいかも。少しだけ甘くして、ぽってりとした大き目のマグカップで。

 じわじわと「もしものせかい」が自分を包んで、やさしく支えてくれている力強さを感じられるようになります。
 疲れた毎日のお守り代わりに、絵本はいかがですか。

 今年はもっと自分を労わる年にしませんか?

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。「どうして」攻撃がはじまった頃のお子さまの、人生に対する漠然とした不安を受け止めてくれます。大きな哀しいことがあったり、何かを失ったりした経験の後に、心を包んで支えてくれる絵本です。大人の和み絵本としてもおすすめです。

 

商品紹介ページはこちら

 

 

お気に入り登録をしてくださればうれしいです。また遊びに来てくださいね。
応援してくださると励みになります。

にほんブログ村 本ブログへ

広告