【ダーク・マテリアルズ】神秘の短剣を手に入れる!謎が明らかになりつつあるシリーズ第4巻【神秘の短剣】【中学生以上】

2024年1月26日

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神秘の短剣 下 ダーク・マテリアルズⅡ フィリップ・プルマン/作 大久保寛/訳 TAKUMI/カバー装画 新潮文庫

チャールズ卿に奪われた真理計を取り戻すために、ライラとウィルは異世界のポータルへと向かう。そこでウィルは神秘の短剣を手にし……(神秘の短剣 下 ダーク・マテリアルズⅡ フィリップ・プルマン/作 大久保寛/訳 TAKUMI/カバー装画 新潮文庫)

この本のイメージ 本格ファンタジー☆☆☆☆☆ 多元宇宙☆☆☆☆☆ ダークマター☆☆☆☆☆

神秘の短剣 下 ダーク・マテリアルズⅡ フィリップ・プルマン/作 大久保寛/訳 TAKUMI/カバー装画 新潮文庫

<フィリップ・プルマン>
1946年、英国ノリッジ生れ。児童文学作家。父親が英国空軍の軍人のため、子供時代は様々な国で暮らす。オックスフォード大学を卒業後、ウエストミンスター大学で英文学を教えるかたわら、小説、戯曲、絵本、児童文学などを発表。代表作に「ダーク・マテリアルズ」三部作があり、「黄金の羅針盤」で1996年にカーネギー賞とガーディアン賞を受賞。また「琥珀の望遠鏡」では2002年にウィットブレッド賞児童文学賞を受賞し、児童文学として初めて最優秀賞も受賞するという快挙をなしとげた。

<大久保寛>
大久保 寛(おおくぼ ひろし、1954年~)は、日本の英米文学翻訳家。「おおくぼかん」の読みも用いている。

 原題はHis Dark Materials: The Subtle Knife.イギリスでの初版は1997年。日本では2000年、文庫版は2021年が初版です。

 お話は、第1巻から完全に続いていますので、ご興味を持たれた方は「黄金の羅針盤 上 ダーク・マテリアルズⅠ」から順にお読みください。「黄金の羅針盤 上 ダーク・マテリアルズⅠ」のレビューはこちら

 今回のお話は……

 チャールズ卿に奪われた真理計を取り戻すため、ライラとウィルは異世界のポータルへと向かう。
 そこで、ウィルは「神秘の短剣」を手に入れるのだった。

 ウィルの父親は生きているのか?そして、ライラにまつわる予言とは何か?

 一方、チャールズ卿のもとには意外な人物が訪れており……

 ……と、いうのがあらすじ。

 ライラの年齢を考えると児童小説として書かれていると思うのですが、かなり過酷な展開です。流血シーンもありますし、人も死にます。

 子どもだから心清いとか大人だから卑怯だとかそういうことはなく、子どもにも大人にもずるい奴もいい人もいて、それがリアリティとなって摩訶不思議な世界観を支えています。

 無数の多元宇宙が登場しますが、そこに生きる人間たちにはさほど変わりがないのです。人の本質とは、そういうものなのかもしれません。

 この物語にはシリーズ第1巻から孤児や機能不全家庭の子、または親元から誘拐されてきた子どもたちが数多く登場します。
 これは何を意味するのでしょうか。

 子どもたちはダストの影響を受けず、スペクターなどの魔物からも襲われないという特性からも、大人と子どものあいだには何か隠された違いがあり、それが今後のストーリーに大きく影響してくるのかもしれません。

 真実を読み解く「真理計」を使いこなすことができるのにライラは嘘つきで、しかも悪びれずその嘘を駆使してウィルを守る。
 病んだ母を周囲の虐待から守ってきたウィルは、ライラを守るためにためらわずに暴力をふるう。(もちろん、敵も武器を使ったりもするし、正当防衛ですが)

 善と悪が単純にふたつに分かれていない世界で、運命に翻弄されながらもふたりは諦めることなく逞しく障害を乗り越えてゆきます。

 正しいから勝つとか生き残るとかではなく、間違っているから負けるとか死ぬとかでもない、正しいのに命を落とすこともあるし悪いのに勝つ者もいるという、理不尽な世界をふたりの子どもたちがどう生き抜き、世界の謎を解くのか……これからの行く末を見届けたいと思います。

 漢字が多く振り仮名が少ないので中学生から。おそらく海外ではライラの年齢的に児童文学として出版されていると思うので、読みやすく振り仮名の多いバージョンがあればいいのにと思います。読むことができるのなら小学校高学年からでも。

 単純な勧善懲悪のお話ではないので、そういう話が受け入れられる方向け。

 「十二国記」や「ハリー・ポッター」、「指輪物語」がお好きな方に。ダイアナ・ウィン・ジョーンズの多元宇宙ものがお好きな方に。

 「神秘の短剣」は複雑だけど読み応えのあるお話です。本格ファンタジーを読みたい方に。お時間があるときに、ぜひどうぞ!

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 子供向けのお話ですが、残酷なシーンや流血シーンはあります。人も死にます。気をつけて書かれていますがショッキングなシーンもあり「そういうお話なのだな」とあらかじめ心の準備をしていれば大丈夫という子にはおすすめです。

 単純な勧善懲悪ではなく、善の中にも悪があり悪の中にも善があるような混沌とした世界観です。
 非情にダークなファンタジーですが、お読みになったお子さまの情緒が一段深くなるかもしれません。

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