【おねぼうさんはだあれ?】春を待つ気持ちで満たされる、愛らしい絵本。読み聞かせに。【4歳 5歳 6歳】
森に春が来ました。うさぎのミミナちゃんは花を摘みながら、冬ごもりからなかなか起きてこない友達を起こしに行きました。くまのフワくん、やまねのクルリくん、とかげのスールちゃん、かえるのピョントくん…… (おねぼうさんはだあれ? 片山玲子/絵 あずみ虫/絵 学研プラス)
この本のイメージ 動物ファンタジー☆☆☆☆☆ 冬眠からの目覚め☆☆☆☆☆ 春の花☆☆☆☆☆
おねぼうさんはだあれ? 片山玲子/絵 あずみ虫/絵 学研プラス
<片山玲子>
1949年群馬県生まれ。詩人、絵本作家。夫・片山健さんとの絵本に「たのしいふゆごもり「(福音館書店)がある。ほかに「ゆきのひのアイスクリーム「(柳生まち子・絵 福音館書店)など。2018年、病気のため他界。
<あずみ虫>
1975年神奈川県生まれ。絵本作家、イラストレーター。安西水丸氏に師事。アルミ板をカッティングする技法が独特。絵本「わたしのこねこ「(澤口たまみ・文 福音館書店)で産経児童出版文化賞美術賞を受賞。
春の訪れと喜びを描いた、愛らしい絵本「おねぼうさんはだあれ?」のご紹介です。
初版は2021年。
お話は……
春が来ました。
うさぎのミミナちゃんは、なかなか起きてこない冬ごもりの友だちを起こしに行きました。
よく眠っているくまのフワくんの枕元にはシロツメクサの花束を、
やまねのクルリくんの枕元にはすみれの花束を、
とかげのスールちゃんの枕元にはカタクリの花束を、
かえるのピョントくんの枕元には野イチゴの花束を置いていきました。
「あーあ、だれもおきてくれない」
ミミナちゃんはいつもみんなと遊ぶおひさまのはらで居眠りしてしまいました。
すると……
……と、いうのがあらすじ。
みんなと遊ぶのが待ち遠しくて、起こしに行ってしまうのに、無理に揺り起こすことはせずにそっと春のお花を置いてゆくミミナちゃん。
そして、春のお花のにおいで目を覚ました動物たちは、もちろん、花束をとどけてくれたお友だちを思い出してくれるのです。
春を待つ気持ち、春が来た嬉しい気持ち、そして、大切なお友だちと再会するうれしい気持ちがいっぱいに詰まった、あたたかで愛らしい絵本です。
文章は平易で読みやすく、すべてがひらがなとカタカナ。ボリュームは見開きで最大10行前後ですので、五十音が読めるお子さまならひとり読みでコツコツと最後まで読み切ることができます。もちろん、読み聞かせにも。
あずみ虫先生の愛らしい絵は、アルミ板を切り抜いて重ねたらしく、愛らしいなかに独特の味わいがあります。
目を覚ましたミミナちゃんの幸せいっぱいの表情はこちらも顔がほころんでしまいます。
春の喜びいっぱいの絵本「おねぼうさんはだあれ?」。
この季節の読み聞かせに、ぜひどうぞ!
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はまったくありません。
大好きな友だちたちを起こしに行くのに無理に声をかけず、花を置いて帰るミミナちゃんのこまやかな心づかいが素敵です。
ミミナちゃんの気持ちに気付くお友だちたちとの友情に心がほっこりします。
春に目覚める動物たちや、春に咲く野草を教えてくれもします。
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