【うさぎのくれたバレエシューズ】桜の季節にぴったり。幻想的なファンタジー絵本。【4歳 5歳 6歳 7歳】

2024年4月16日

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うさぎのくれたバレエシューズ   安房直子/文 南塚直子/絵 小峰書店

バレエ教室に通い始めて5年もたつのに、その女の子はおどりが上手になりませんでした。それなのに、音楽がなればおどりたくてたまらなくなるのですから、これはどうしたことでしょう…… (うさぎのくれたバレエシューズ   安房直子/文 南塚直子/絵 小峰書店)

この本のイメージ 桜☆☆☆☆☆ バレエ☆☆☆☆☆ 動物ファンタジー☆☆☆☆☆

うさぎのくれたバレエシューズ   安房直子/文 南塚直子/絵 小峰書店

<安房直子>
1943年、東京に生まれる。日本女子大学国文科卒業。在学中より山室静氏に師事、「目白児童文学」「海賊」を中心に、かずかずの美しい物語を発表。「さんしょっ子」(日本児童文学者協会新人賞)「北風のわすれたハンカチ」(産経児童出版文化賞推薦)「風と木の歌」(小学館文学賞)「遠い野ばらの村」(野間児童文芸賞)「山の童話 風のローラースケート」(新美南吉児童文学賞)「花豆の煮えるまで—小夜の物語」(赤い鳥文学賞特別賞)など受賞多数。1993年、永眠。

<南塚直子>
津田塾大学卒業。
1983年ハンガリー国立美術大学に留学し、銅版画を学ぶ。帰国後、銅版画で絵本を製作。2002年文化庁在外研修員として、パリでヘイター方式の銅版画を学ぶ。2013年京都嵯峨芸術大学陶芸科に入学し、陶板画を学ぶ。以後、陶板画でも絵本を制作。

 本日ご紹介するのは「うさぎのくれたバレエシューズ」。
 1989年初版の愛されるロングセラー絵本です。

 大好きだけど、どうしても上手くなれないことってありますよね。
 身体を使うことは、わりとそういう場合があります。

 スポーツやダンス、絵を描く、立体造形などなど……大好きなんだけど、どうしても上手になれない、どこかどんくさい……

 でも、大好きだからやめられない。

 「うさぎのくれたバレエシューズ」の女の子はそういう子。

 女の子は踊るのが大好きで、音楽がなればついつい踊り始めてしまうくらい好きなのに、もう5年も続けているのにバレエが上手になりません。

 お正月も誕生日も七夕様も、女の子の願うことはただひとつ「どうか、おどりがじょうずになりますように」でした。

 そんな女の子のもとに、ある日、不思議な小包が届きます。
 入っていたのはバレエシューズ。

 送り主は「山のくつや」。

 そのシューズをはいたら、ふいに身体が軽くなります。
 何かに呼び寄せられるように、女の子は山へ行くと、そこには大きな桜の木の中にうさぎのくつやがありました。

 女の子はうさぎと一緒にうさぎのバレエ団のためのバレエシューズをつくります。
そして、シューズが完成するとうさぎたちと一緒におどりはじめ……

 ……と、いうのがあらすじ。

 充分に努力が足りているのに何かがうまくいかないとき、もしかしたら力みすぎているのかもしれません。
 頭で考えすぎているのかもしれません。

 少し視点をずらして、楽しさを思い出して、ずれていたチャンネルがぴたっとあわされば、それまでの蓄積が泉のようにあふれ出てくるのかも。

 女の子はどんなに思い通りに踊れなくても、バレエを嫌いにならなかったしお稽古を投げてしまわなかったし、あきらめませんでした。

 そうしていたら、ある日、「山のくつや」から招待状が来たのです。
 バレエシューズを作る楽しさ、舞台で踊る喜び、花や風や森とひとつになる感覚……それらが女の子の眠っていた何かを開花させました。

 芸術的な何かをやってみたい、うまくなりたいという気持ち、そして、ある時すべての努力が報われて一段階上達するあの感覚が繊細な表現で語られています。

 文章には簡単な漢字が含まれていますが、すべての漢字には振り仮名が振ってあります。五十音が読めればひとり読みでコツコツ読み切ることができます。
 文章量は見開きに最大で13行くらい。もしかしたら読み聞かせ向きかもしれません。

 桜の季節にぴったりの、ロングセラー絵本「うさぎのくれたバレエシューズ」。
 何かにうちこんでいるお子さま、何かが上手になりたいお子さま、バレエやダンスが大好きなお子さまにおすすめの愛らしい絵本です。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はまったくありません。幻想的で美しいファンタジー絵本です。バレエや踊りが大好きなお子さま、ファンタジーが好きなお子さまにおすすめです。

 文章量がやや多いので、ぜひ読み聞かせで。

 

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