【ケイティのふしぎ美術館】楽しくてためになる!絵の中のお姫様とお友だちになっちゃうファンタジー絵本。第8巻【ケイティとスペインのおひめさま】【4歳 5歳 6歳 7歳】

2024年3月30日

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ケイティとスペインのおひめさま ケイティのふしぎ美術館 8  ジェイムズ・メイヒュー/作 西村秀一/訳 結城昌子/監修 サイエンティスト社

明日はケイティの誕生日。ケイティのためにお姫さまのドレスをつくろうとおばあちゃんは大張り切り。でも、どうしてもうまくゆきません。何かヒントがないかしらと、おばあちゃんとケイティは美術館にでかけます……

この本のイメージ お姫様になりたい☆☆☆☆☆ 美術館の魅力☆☆☆☆☆ ファンタジー☆☆☆☆☆

ケイティとスペインのおひめさま ケイティのふしぎ美術館 8  ジェイムズ・メイヒュー/作 西村秀一/訳 結城昌子/監修 サイエンティスト社

<ジェイムズ・メイヒュー>
1964年イギリス生まれの絵本作家。メイドストン美術大学。絵画、オペラ、バレエに造詣が深く、その魅力を伝える絵本を制作している。

<西村秀一>
1984年山形大学医学部卒業後、CDC(米国疾病対策センター)インフルエンザ部門留学、国立感染症研究所主任研究官などを経て、現在は仙台医療センター臨床研究部ウイルスセンター長。研究の傍ら、医学関係の翻訳のほか、絵本翻訳も手がける

<結城昌子>
武蔵野美術大学卒業。アートディレクター、アートエッセイスト。1993年「ゴッホの絵本うずまきぐるぐる」(小学館)を刊行して以来、子どもとアートをつなぐ様々な活動を開始。ワークショップや講演、小中学生を対象とした各種コンクールの審査などを続けている

 面白くてためになる、「ケイティのふしぎ美術館」シリーズ第8巻、「ケイティとスペインのおひめさま」です。原題は、KATIE and the Spanish Princess. 初版は2006年。日本語版の初版は2013年です。

 今回のお話は……

 明日はケイティの誕生日。おばあちゃんはケイティのためにお姫様のドレスを作ろうと、大張り切り。ところが、どうもうまくゆきません。

 何かヒントを掴もうと、ふたりは美術館にやってきます。

 いつものようにおばあちゃんは、ロビーでうとうと。ひとりで周っていたケイティは、絵の中のお姫さまと仲良くなります。彼女の名はマルガリータ。

 お姫さまにあこがれていケイティと、お姫さまに飽き飽きしていたマルガリータは、服を取り替えることに……

 ……と、いうのがあらすじ。

 今回紹介されている絵画は、
 ディエゴ・ベラスケス「白衣のマルガリータ王女」(オーストリア・ウィーン ウィーン美術史美術館)、
 フランシスコ・デ・ゴヤ「マヌエル・オソーリオ・デ・スーニガ」(アメリカ・ニューヨーク メトロポリタン美術館)、
 フランシスコ・デ・ゴヤ「日傘」(スペイン・マドリード プラド美術館)、
 バルトロメ・エステバン・ムリーリョ「手すりにもたれる少年」(イギリス・ロンドン ナショナルギャラリー )、
 ディエゴ・ベラスケス「茶色と銀色の服のフェリペ4世」(イギリス・ロンドン ナショナルギャラリー)
 です。

 白衣のマルガリータ王女と服を交換したケイティは、ふたりで絵の外に出て、赤い服のマヌエルと仲良くなり、彼のカササギが王女のアクセサリーを持ち去られてしまいます。カササギを追いかけて「日傘」の中に入るふたり。そこでもカササギは捕まらず、ムリーニョの「手すりにもたれる少年」の知恵を借りてつかまえます。

 最後に、マルガリータ王女の父、フェリペ4世とお話して、服をもとに戻しておしまい。
 でも、ムリーリョの描いた少年にちゃんと自分のチョコレートケーキをあげてお礼をするケイティなのでした。

 「白衣のマルガリータ王女」のモデルはスペインのフェリペ4世の娘、マルガリータ・テレサ・デ・エスパーニャ。この肖像画は世界中にファンがいて、よく美術展のポスターにも使用されています。

 あどけないのにどこか威厳がある、愛らしさと気高さが絶妙に入り混じった表情の肖像画です。西村秀一先生の翻訳も素敵で、マルガリータ王女の言葉遣いはとても丁寧で可愛らしく、優しそうなのです。モナ・リザよりも言葉遣いが美しいかも。

 「王子と乞食」のように服を交換して思う存分遊んだケイティとマルガリータ。
 生き生きとした表情で幸せそうなムリーニョの「手すりにもたれる少年」との対比もあり、幸せとはお金のあるなしではないのかも? と、思わせるシーンもあります。(とはいえ、安易に貧しさを美化することはできないけども)

 子どもなら一度は考える、「あの絵の中に入ってみたいな」という気持ち、そんな願いをかなえてくるのがケイティのシリーズです。可愛くて楽しくて、知育要素もあり、そしてファンタジーとしても楽しめます。
 今回のお話はそのうえ「お姫さまになりたい」も叶えてくれて、楽しさも二倍。

 文章は漢字まじりですが、すべての漢字にふりがながふってある総ルビです。
 小さなお子さまへのプレゼントに、大人の和み時間におすすめのアートファンタジー。

 芸術の秋にぜひどうぞ。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素は一切ありません。安心してお楽しみいただけます。絵の大好きなお子さまにおすすめの絵本です。

 読後は、スペインのお菓子、チュロスとコーヒーでひと休み。

 

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