【ケイティのふしぎ美術館】楽しくてためになる!美術館の絵に入り込んじゃう、わくわくファンタジー絵本。第7巻【ケイティのはじめての美術館】【4歳 5歳 6歳 7歳】

2024年3月29日

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ケイティのはじめての美術館 ケイティのふしぎ美術館 7  ジェイムズ・メイヒュー/作 西村秀一/訳 結城昌子/監修 サイエンティスト社

ケイティとおばあちゃんがおでかけしていると、きゅうに雨がふってきました。雨宿りしようと入ったのは美術館。たくさんの絵に囲まれて、ケイティはわくわく。ひとりで館内を見て回っていると……

この本のイメージ これがデビュー作☆☆☆☆☆ 美術館の魅力☆☆☆☆☆ ファンタジー☆☆☆☆☆

ケイティのはじめての美術館 ケイティのふしぎ美術館 7  ジェイムズ・メイヒュー/作 西村秀一/訳 結城昌子/監修 サイエンティスト社

<ジェイムズ・メイヒュー>
1964年イギリス生まれの絵本作家。メイドストン美術大学。絵画、オペラ、バレエに造詣が深く、その魅力を伝える絵本を制作している。

<西村秀一>
1984年山形大学医学部卒業後、CDC(米国疾病対策センター)インフルエンザ部門留学、国立感染症研究所主任研究官などを経て、現在は仙台医療センター臨床研究部ウイルスセンター長。研究の傍ら、医学関係の翻訳のほか、絵本翻訳も手がける

<結城昌子>
武蔵野美術大学卒業。アートディレクター、アートエッセイスト。1993年「ゴッホの絵本うずまきぐるぐる」(小学館)を刊行して以来、子どもとアートをつなぐ様々な活動を開始。ワークショップや講演、小中学生を対象とした各種コンクールの審査などを続けている

 面白くてためになる、「ケイティのふしぎ美術館」シリーズ第7巻、「ケイティのはじめての美術館」です。原題は、KATIE’s Picture Show. 初版は1989年。日本語版の初版は2004年です。

 これがジェイムズ・メイヒュー先生のデビュー作で、本国では最初に出版されました。ケイティの愛らしさや「絵の中に入ってゆく」というわくわく感は、この本から生まれました。

 ただし、ほかの作品に比べると、たしかに筆致が粗く、野生的な雰囲気です。けれど若々しい魅力もある絵です。日本ではこの作品からではなく、絵的に安定していてテーマとなっている画家もよく知られている「ケイティとひまわりのたね」から出版されたのは、理解できます。処女作よりもケイティがずっと可愛らしいし、内容もわかりやすいからです。

 でも、この「はじめての美術館」のケイティも、自由奔放さと言うか、天真爛漫さは「ひまわりのたね」「モナリザのひみつ」よりも突き抜けています。最初からやりたい放題だったようです、ケイティ。

 今回登場する絵はジョン・コンスタブル(1776-1837)「干草車」(ロンドン ナショナルギャラリー)、ドミニク・アングル(1780-1867)「座るイネス・モワテシエ夫人」(ロンドン ナショナルギャラリー)、ピエール=オーギュスト・ルノワール(1841-1919)「雨傘」(ロンドン ナショナルギャラリー)、アンリ・ルソー(1844-1910)「不意打ち! 熱帯の嵐」(ロンドン ナショナルギャラリー)、カジミール・マレーヴィチ(1878-1910)「ダイナミック・シュプレマティズム」(ロンドン テート・ギャラリー) です。

 「干草車」の絵の中でアップルパイを食べ、「座るイネス・モワテシエ夫人」にもてなされて紅茶とカップケーキをいただき、「雨傘」の女の子とフラフープで遊び、すっとばしてしまったフラフープを「不意打ち! 熱帯の嵐」へ追いかけ……と、いう感じ。

 ケイティと一緒に美術館を大冒険している気持ちになる絵本です。

 美しい絵を見たとき、「あの絵の中に入ってみたいなあ」とは、子供の頃なら一度は思ったことがあるはず。「この絵の裏側はどうなっているのかな」「この食べ物はどんな味がするのかな」「この子と遊んでみたいな」。こんな空想の欲求を全部叶えてくれるのがケイティのシリーズです。

 しかも、実際の名画はしっかりと描かれており、詳しい解説もあります。文章は読みやすい総ルビ(すべての漢字に振り仮名がふってあります)。
 一人読みも出来ますが、読み聞かせだと親子で美術館を歩いている気分にもなります。

 読後は、美術館のHPをめぐりながら「この絵なんだね」と確認するのも楽しそう。
 ケイティのシリーズは、読んだ後に絵を確認する作業が楽しく、インターネットで何かを調べる練習にもなるので、そこも役立ちます。

 全部で10冊の絵本シリーズでどれもすばらしいのですが、いっぺんに全部買ってしまうと小さな子だと圧倒されてしまうかもしれないので、お子さまが興味を持ちそうなものから一冊ずつ、と言うのがいいかもしれません。

 第1冊目の「ケイティとひまわりのたね」がわかりやすくて、おすすめです。

 可愛くて楽しくて、知育要素もあり、そしてファンタジーとしても楽しめる、ケイティのシリーズ。小さなお子さまへのプレゼントに、大人の和み時間におすすめのアートファンタジーです。

 ※この記事の冒頭の絵はルノワール

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素は一切ありません。安心してお楽しみいただけます。絵の大好きなお子さまにおすすめの絵本です。

 読後は、モワテシエ夫人のティータイムのように、カップケーキでお茶を。

 

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