【魔女のいじわるラムネ】いじわるなあいつに仕返しを?魔女の不思議な駄菓子屋さん。【小学校低学年以上】

2024年4月16日

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魔女のいじわるラムネ 草野あきこ/作 ひがしちから/絵 PHP研究所

トモヤは同じクラスのワタルくんが苦手です。ワタルくんはからだが大きく強そうで、いつも友達をからかったり、ばかにしたりするからです。そんなワタルくんのことを考えながら歩いていると……(魔女のいじわるラムネ 草野あきこ/作 ひがしちから/絵 PHP研究所)

この本のイメージ オカルトファンタジー☆☆☆☆☆ 友情☆☆☆☆☆ 意外な事実☆☆☆☆☆

魔女のいじわるラムネ 草野あきこ/作 ひがしちから/絵 PHP研究所

<草野あきこ>
福岡女子短期大学音楽科卒業。第32回福島正実記念SF童話賞大賞受賞。「おばけ道、ただいま工事中!?」(岩崎書店)でデビュー。同作品で第49回日本児童文学者協会新人賞を受賞。「魔女ののろいアメ」(PHP研究所)で第65回青少年読書感想文全国コンクール課題図書。主な作品に「三年三組黒板の花太郎さん」(岩崎書店)、「魔女のいじわるラムネ」(PHP研究所)などがある。

<ひがしちから>
大分県生まれ。筑波大学芸術専門学群視覚伝達デザイン科卒業。2004年、第5 回ピンポイント絵本コンペで優秀賞を受賞。受賞作をもとにつくった「えんふねにのって」(BL出版)で、2006年に絵本作家デビュー。「魔女ののろいアメ」(PHP研究所)で第65回青少年読書感想文全国コンクール課題図書。主な作品に「ぼくのかえりみち」「いま、なんさい?」(以上、BL出版)、「ぼくひこうき」(ゴブリン書房)、「おじいちゃんのふね」(ブロンズ新社)、「おむかえ」(佼成出版社)などがある。

 本日ご紹介するのは子供向けのほのぼのオカルトファンタジー「魔女のいじわるラムネ」。初版は2019年。「魔女ののろいアメ」の続編になります。

 「魔女ののろいアメ」では、横暴なお姉ちゃんが大嫌いなサキちゃんがお姉ちゃんに仕返ししようとするお話でした。

 今回のお話は……

 トモヤは、同じクラスのワタルくんが苦手です。
 ワタルくんは身体が大きくて強そうで怖いのですが、すぐトモヤたちをばかにしたり、からかったりするからです。

 ワタルくんのことを考えながら道を歩いていると、公園で魔女の駄菓子屋に出会います。魔女はトモヤに「いじわるラムネ」をあげるから、これでワタルくんに仕返しをすればいいと言うのですが……

 ……と、いうのがあらすじ。

 どうやら、このシリーズは「嫌いな誰かもよく観察していると意外な一面が見えてくるかもよ」というテーマのようです。

 身体が大きくて、一緒にいるだけで怖くなってしまうワタルくん。
 ワタルくんがすることは、全部いじわるのように見えていたけれど……

 実際に世の中には擁護のしようもないいじめもあるので、すべてがすべて「勘違い」「思い違い」とは言い切れません。
 けれど、こんなふうに見方を変えて相手の意外な長所に気付くことができたら、こじれにこじれて大きなトラブルになる前に防ぐことができるかも。

 たいていの場合、長所は欠点の裏がわに隠れていることが多いものです。
 ズケズケとものを言い、デリカシーがない子の裏側には、素直で率直な心が隠れているかもしれません。
 気遣いや遠慮がないぶんだけ、誰かが困ったときには図々しく踏み込んで助けてくれるかもしれません。

 もしかしたら「嫌いな子」は案外「好きな子」かも……

 今回もラストはほのぼのとしたハッピーエンド。

 文章は平易で読みやすく、すべての漢字に振り仮名が振ってありますので、五十音が読めればひとり読みで読みきることができます。もちろん、読み聞かせにも。

 だいたい「モンスター・ホテル」や「まじょのナニーさん」「チュウチュウ通り」「なんでも魔女商会」などと同じくらい、絵本を卒業してそろそろ長めの小説に挑戦し始めた頃におすすめの物語です。

 すべての見開きにひがしちから先生の挿絵が入っており、所々フルカラーの絵もあって豪華です。

 どこかなつかしい、ほのぼのとした人情味あふれるオカルトファンタジーです。
 魔女の店が駄菓子屋と言うのもレトロ。

 不思議な話が読みたくて、そして、ちょっぴりあったかい気持ちになりたかったら、「魔女のいじわるラムネ」をぜひどうぞ。
 おどろおどろしいところかひとつもない、ゆかいでやさしい魔女物語です。

 ※この本には電子書籍もあります。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はまったくありません。魔女がでてきて仕返しのためにラムネを作るという設定なのに、怖いところは一つもありません。

 ゆかいで、楽しく、ほのぼのとしたオカルトファンタジーです。

 小学校になったばかりの子どもたちの微妙な気持ちのすれ違いや、人間の多面性について描かれており、読み終わると温かい気持ちになれます。

 

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