【理花のおかしな実験室9】科学とお菓子はベストコンビ! ときめきのパティシエ・バディストーリー第九巻【進め、ふたりの輝く道へ】【小学校中学年以上】
そらくんから「いっしょに菓子作るの、これで最後にしよう」って言われてしまった理花。科学の道を目指し始めた矢先に、そらくんが菓子作りをあきらめると聞いてしまい…… (理花のおかしな実験室 9 進め、ふたりの輝く道へ やまもとふみ/作 nanao/絵 角川つばさ文庫)
この本のイメージ 和菓子☆☆☆☆☆ 実験と検証☆☆☆☆☆ 進路☆☆☆☆☆
理花のおかしな実験室 9 進め、ふたりの輝く道へ やまもとふみ/作 nanao/絵 角川つばさ文庫
<やまもとふみ>
福岡県出身で千葉県在住。やぎ座のA型。2019年に第8回角川つばさ文庫小説賞金賞を受賞。趣味は街の散策と野球の観戦。好きなスイーツはホットケーキ。作るより食べるほうが好き。
<nanao>
イラストレーター。6人組エンタメユニット「すとろべりーぷりんす」の公式イラストを中心に活動中。
理科のお料理のときめきフュージョン! サイエンスクッキングストーリー、「理花のおかしな実験室 9 進め、ふたりの輝く道へ」第9巻の初版は2023年6月です。
お話は第1巻から完全に続いているため、まずは第1巻「理花のおかしな実験室 1 お菓子づくりはナゾだらけ!?」からお読みください。
第1巻のレビューはこちら↓
今回のお話は……
せっかくのバレンタイン、理花ちゃんが用意したチョコレートをそらくんは受け取ってくれたものの、相棒解消を宣告され千河学院へ行くことをすすめられて理花ちゃんは大ショック。
一方、そらくんはお父さんに本格的に野球の道へ入るように促され、ジュニアチームの試験を受けることになりました。
野球も好きだけどお菓子作りも好きでやめたくないそらくんは、お父さんに菓子作りを認めてもらおうと、お父さんのためのお菓子を作ろうと決意しますが……
……と、いうのが今回のあらすじ。
そらくんとずっと一緒に実験していたいという気持ちと科学者への道のあいだで揺れ動いていた理花ちゃんと、野球と菓子作りのあいだで苦しんでいたそらくんの悩みに今回ひとつの答えが出ます。
理花ちゃんの悩みは、大人になってもわりと女性のテーマとなる「家庭と仕事の両立」にも似ていて、難しい問題ではあります。
自分のしたいことを全力でしようと思うと、一緒にいたい人との時間はどうしても削られてしまう。そのとき、どうする?と言う問題に、理花ちゃんなりの答えを出します。
そらくんの問題は「好きなことと得意なこと、どちらを選ぶ?」と言う、これまた難しいテーマ。
才能がある人は普通の人が多くの時間を費やさないとできないことを簡単にできたり、とてつもないセンスで驚くような結果を出したりします。しかし、才能がなくても好きなことはやっているあいだに時間を忘れてしまう。
どちらの道を選ぶのが正解なのか?
その答えは、かなり意外なものでした。
でも、わたしはすごく好き。
どうしなきゃいけない、こうしなきゃいけないというのは他人が決めることじゃないし、限界なんて設定しないでやりたいと思ったことはどんどんやればいい。
現実(オタク)世界でも、声優をやりながら東大を卒業した佐々木望さんとか、声優だけど看護師の資格を持っている林原めぐみさんとかいます。
というか、声優しながら東大とか。意味が分からないくらいすごい。
大切なのは自分に限界を作らないことなんでしょうね。
私事で恐縮ですが、わたし自身も20年以上追い続けている夢があります。
その夢を抱いた当初から、「ばかげている」とか「できっこない」と言われてきました。今でもその夢を追い続けています。
わたしの年齢的なことや、その夢の大きさから「いいかげん現実を見て諦めたら」と言われることも多いのですが、逆に歳をとればとるほど残りの寿命を何に使うかを真剣に考えるようになりました。
自分の目指していること、やりたいこと以外のことに時間を使うのがどんどんもったいなくなるのです。だから、諦めない。
理花ちゃんの決断を読んで、背中を押された気分です。これでよかったんだ、わたしも頑張ろうと心から思えました。ありがとう、理花ちゃん。
文章は理花ちゃん、そらくんの一人称。会話口調で書かれているので読みやすく、すべての漢字には振り仮名が振ってあります。小学校中学年から。
身近なお悩み事に科学的アプローチで立ち向かう、キッチンサイエンスストーリー。
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