【理花のおかしな実験室】お菓子作りは実験みたい? ときめきのパティシエ・バディストーリー【お菓子づくりはナゾだらけ!?】【小学校中学年以上】

2024年4月6日

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理花のおかしな実験室  1   お菓子づくりはナゾだらけ!?  やまもとふみ/作 nanao/絵 角川つばさ文庫

わたし理花! 理科が得意で嫌いな小学五年生。ある日、あこがれのクラスメイト、そらくんがパティシエを目指していることを知っちゃった。おじいちゃんのケーキ屋さんを助けたいそらくんの力になれるのは、わたしの理科の力? はてさてどうなる、秘密の実験!

この本のイメージ お菓子作り☆☆☆☆☆ 理科実験☆☆☆☆☆ 多様性☆☆☆☆☆

理花のおかしな実験室 1   お菓子づくりはナゾだらけ!?  やまもとふみ/作 nanao/絵 角川つばさ文庫

<やまもとふみ>
福岡県出身で千葉県在住。やぎ座のA型。2019年に第8回角川つばさ文庫小説賞金賞を受賞。趣味は街の散策と野球の観戦。好きなスイーツはホットケーキ。作るより食べるほうが好き。

<nanao>
イラストレーター。6人組エンタメユニット「すとろべりーぷりんす」の公式イラストを中心に活動中。

 このサイトでは、学校の勉強が楽しくなるような、身近な科学や、歴史、古典、美術に興味がもてるような、わくわくする絵本や小説を定期的にご紹介しています。

 子どもの絵本好きにも、おおまかに分けると二種類いて、「物語好き」と「図鑑好き」がいるようです。図鑑好きの子はたいてい、その後、「シートン動物記」や「ファーブル昆虫記」に移行するのが定番でした。

 我々が二十代の頃、隠れオタクかどうかを判断するための「三種の神器」が「シートン動物記」「ファーブル昆虫記」「シャーロック・ホームズ」でした。

 子供部屋をそのまま大人になっても使っている人で、本棚にこの三冊があれば、魂はオタク。たとえ今、ディープな趣味にはまっていなくても、心はオタク。そんな風に言われていたものです。(そして、当時のオタクの家にはたいていこの三冊がありました。子どもの頃に読んで、大人になってもこの三冊が選抜されて残っているのがポイント)

 不思議なものを見たときに「なぜかな?」と思い、新しいものを知ったときに「もっと知りたい」と思う。
 そんなふうに物事と接していると、学ぶことが楽しくなります。

 わたしは、掘り下げて考えるのが好きなほうなのに、学生時代、学校の勉強はあまり好きじゃありませんでした。楽しくなかったのです。漫画やアニメの内容とか、テストに関係ないようなことはよく憶えているのにね。

 学校の勉強が楽しくないと、学生時代はなかなか辛いものになります。1日のなかで学校で過ごす時間は長いし、つまらないことをただひたすら長時間耐えるのは、ストレスがたまります。

 ところが、この歳になって、興味のあることを自分のペースで調べたりするのは楽しいのです。
 ああ、この楽しさを中学生時代にもっと感じられていれば……。

 そう思い、「学ぶことが楽しくなる」本を見つけるとご紹介することにしています。

 本日ご紹介するのは、やまもとふみ先生の「理花のおかしな実験室」。第一巻の初版は2020年10月です。

 主人公は佐々木理花ちゃん。
 小さな頃から大学の先生をしているパパと仲良く科学実験をして育ち、実験や虫や鉱物が大好き……だった女の子。

「だった」と言うのは、「女の子らしくない」ものが好きなことをからかわれてしまった苦い記憶があるから。

 でも、パティシエを目指すクラスメイト・そらくんこと広瀬蒼空くんにお菓子作りの協力を頼まれてから、理花は自分の理科の知識がそらくんの役に立つのだと気がつきます。

 ふたりは、理科の知識を駆使してお菓子作りをマスターしてゆくのでした……

 ……と、言うのがあらすじ。

 クッキーやカスタードクリームなど、お菓子のレシピと作り方が詳しく書かれており、それが「どうしてそうなるのか」を理科の知識で説明しているクッキング・サイエンスストーリー。

 「わかったさん」「ルルとララ」のようなファンタジー要素は無く、ひたすら地に足のついた科学的アプローチで物語は進みます。

 男の子のそらくんは、「パティシエになりたい!」と言う熱意だけは人一倍なのですが、腕前的にはまったくの素人。「お菓子のレシピ」は要点しか書いていないので、レシピだけ見て独学でなんとかしようとして失敗ばかり重ねてしまいます。

 しかし、科学者のハートを持つ理花ちゃんが、そらくんの失敗の原因を探り、ひとつひとつ検証してゆくことで「正しい作り方」にたどりつくのでした。

 物語を楽しみ、お菓子の作り方を知り、「科学的考え方」を知ることができる、一粒で三度おいしい児童小説です。しかも、やや少女小説風味がありながらも理花ちゃんとそらくんのダブル主人公なので、男女どちらが読んでも楽しく読めそう。

 女の子なのに科学実験が大好きな論理派の理花ちゃん。男の子なのにお菓子作りが大好きで直感派のそらくん。
 それぞれ、「女の子なのに」「男の子なのに」おかしい、と言われるようなものが大好きで、それについて悩んだり他人の無理解に憤ったり。
 「女の子はこうでなくちゃ」「男の子はこうでなくちゃ」という「枠」を破壊する二人組でもあります。

 「科学でナゾとき!」がお好きなお子さま、「わかったさん」「ルルとララ」が好きなお子さまにはおすすめです。
 文章は読みやすく、理花ちゃんの一人称ですすみ、すべての漢字にふりがながふってある総ルビ。ひらがなさえ読めればコツコツひとりで読みきることができますが、理花ちゃんの科学知識が少し高度なので、小学校中学年から。

 最初はクッキーやホットケーキを作るのも四苦八苦していたふたりが、だんだんと高度なものにチャレンジしてゆくのを読んでいると、自分もお菓子が作りたくなります。

 巻末にはおいしいカスタードクリームの作り方が書いてあるし、読後は親子で創ってみるのも楽しいかもしれませんね。美味しいものと楽しい物語が大好きな人には、断然おすすめです!

 ※この本には電子書籍もあります。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はまったくありません。
 「らしさ」に囚われず、好きなものを貫いて良いんだ、というポジティブなメッセージにあふれています。

 お菓子作りやお料理が大好きな男の子、理科が大好きな女の子にとくにおすすめです。
 読後は絶対にお菓子が食べたくなります。クッキーかホットケーキ、またはコロネかも?

 

商品紹介ページはこちら

 

 

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