【はるにあえたよ】春をしらないこぐまたちが春を探しにおでかけします。出会ったのは……?【絵本】【4歳 5歳 6歳】
マークとマータはふたごのこぐま。まだ、外に出たことがありません。ふたりは、はじめての春にわくわくです。待ちきれなくなったふたりは春を探しにでかけますが…… (はるにあえたよ 原京子/文 はたこうしろう/絵 ポプラ社)
この本のイメージ 動物ファンタジー☆☆☆☆☆ 春☆☆☆☆☆ くま☆☆☆☆☆
はるにあえたよ 原京子/文 はたこうしろう/絵 ポプラ社
<原京子>
東京都生まれ。和光大学芸術学科卒業。1978年KFSコンテスト児童図書部門受賞。おもな作品に、「くまのベアールとちいさなタタン」シリーズ、「イシシとノシシのスッポコペッポコへんてこ話」シリーズ(ともにポプラ社)、「ザックのふしぎたいけんノート」シリーズ(メディアファクトリー)、「にんじゃざむらい ガムチョコバナナ」シリーズ(KADOKAWA)、 絵本に、「ねえ、おはなし きかせて」「はるにあえたよ」「サンタクロース一年生」「もりのみんなのたんじょうび」(以上、ポプラ社)などがある。
<はたこうしろう>
1963年、兵庫県西宮市で生まれる。絵本作品に「なつのいちにち」「えほん図鑑 へんてこ! りくのぜつめつどうぶつ」「にちようびのぼうけん!」「いっすんぼうし」「ゆき」「ショコラちゃん」シリーズ(文・中川ひろたか)「クーとマーのおぼえるえほん」シリーズ「おとうさんもういっかい」シリーズ「はじめてのオーケストラ」(原作・佐渡裕)「どしゃぶり」「ぶう ぶう ぶう」「ぎゅう ぎゅう ぎゅう」「こちょこちょさん」「まてまてさん」(以上5作・すべて文・おーなり由子)「えほん遠野物語 でんでらの」(原作・柳田国男 文・京極夏彦)などがある。
今年の春は天候不順で、春が来たのかまだなのかわからない、はっきりしない日が続いています。
あたたかくなったと思ったら土砂降りの雨が降ってみたり、桜が咲き始めたかなと思ったら急に冷え込んでみたり。
体調も崩しやすい季節ですが、身体を冷やさないように気を付けて難しい季節を乗り切りましょう。
本日は、この時期にぴったりの絵本をご紹介。原京子先生とはたこうしろう先生のタッグの絵本、「はるにあえたよ」です。初版は2007年。
お話は……
マークとマータはふたごのこぐまです。
はじめての長い冬眠から目覚めたばかりのふたりは、まだ外の世界を知りません。おとうさんとおかあさんがもうすぐ「はる」がやってくるのだと教えてくれます。
「はる」って、なんだろう?
知らないことばかりのふたりにお父さんが「はる」について、教えてくれます。
つめたい風がやんであたたかくなること、地面から草の芽がて、赤や黄色のいいにおいの花が咲くこと……
待ちきれなくなったマークとマータは自分たちで「はる」をさがそうと外に飛び出します。
けれど、まだまだ外は銀世界。冬眠中のかえるを起こしてみたり、ふたごのやまねをびっくりさせてみたり……
そんなふたりのもとへ、不思議な少女がやってきます……
……と、いうのがあらすじ。
ふたりが出会ったのはただの人間でマークとマータが勘違いしただけなのか、それとも本当に春の妖精だったのか、そこははっきりとはさせず想像にまかせる形になっています。
現実世界でも、ひとつの印象的な出会いにより、がらりと季節が変わるかのような気持ちになることがあります。ずっと冬のさなかにいたような気持ちだったのに、春が来たような。
ふたごのこぐまにとって、少女との出会いがそうだったのかもしれません。
文章は絵本としてはボリュームがあるほうで、最大で見開きに20行前後、各見開きにだいたい10行前後となかなかに読みごたえがあります。
しかし、字はすべてひらがなとカタカナなので、五十音が読めるお子さまならコツコツひとりで読み切ることができるでしょう。もちろん、読み聞かせにもおすすめです。
モノトーンで描かれた冬の世界にすこしずつ春の兆しが見えてきて、少女の訪れとともにフルカラーの春がやってくるラストは美しい。
春をむかえる心躍る気持ちを掻き立ててくれる絵本です。
この季節の読み聞かせに、ぜひどうそ!
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はまったくありません。ほのぼのと、心温まる春の絵本です。
モノトーンの世界がだんだんと春めいてフルカラーの世界になってゆくのが美しく、色彩を楽しむ絵本でもあります。
読後はカスタードタルトとジャムタルトでティータイムを。絶対に食べたくなります。
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