【HSP】短所は長所。敏感すぎる気質とどう付き合う?HSPのもつ能力を知ろう。

2024年2月17日

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鈍感な世界に生きる敏感な人たち

これはHSPの人たちが、生きづらい人生を生きていくための指南書です。
著者は、心理療法士であり、多くのHSP(ハイリー・センシティブ・パーソン:感受性が強く、繊細で、敏感すぎる人たち)の治療をし、かつ、自身もHSPだと自認しています。

鈍感な世界に生きる敏感な人たち  イルセ・サン/[著]  枇谷 玲子/訳  

<イルセ・サン> デンマークのオーフス大学で神学を学ぶ。心理療法士。心理療法協会の会員でもある。スーパーバイザー、トレーナー、講演者、セラピストとして活動している。

 あらゆる外界からの情報を受信する、非常に繊細すぎる気質HSPについては、1996年にその概念を提唱したエレイン・アーロンの「ひといちばい敏感な子」のブックレビューを記事にしています。

 さて、本書では、タフでアグレッシブで外交的な人間が「理想」とされる世の中で、HSPの真価がなかなか評価されなかったことから、HSPとは何かだけでなく、HSPの能力やその生かし方について、書いています。

 最初のチェックリストはアーロン博士のものと類似しているのではぶくとして(厳密には違いますので、気になる方はご購入の上、お試しになってください)

 わたし自身、アーロン博士のテストでも、イルセ・サン博士のテストでも満点に近いHSPですので、自分の生きづらさについて、たいへん参考になりました。

 さて、本書の第一章に書かれている、HSPの能力について引用してみましょう。
(以下項目のみ引用)

1.一度に多くの情報を吸収できる。

 これ、長所に入ってるのがありがたいですよね。
HSPの人は、外部から流入してくる情報が多すぎて、圧倒されてしまうことがあります。個人的には、ほかのどんなものより、ひとりの人間が放つ情報量がいちばん多く感じます。

これは、一口にHSPと言っても、それぞれ個人差があると思います。たとえば、農業とか漁業に携わっている方なら、天候、気候から受け取る情報が多いでしょう。

 よく、「あと何時間で雨が降りそうだ」とか「今日はしけそう」とか言い当てる人がいますよね。あれは、常人には受け取れない情報を、大自然からたくさん受け取っているのだと思います。

 以前、テレホンセンターでカスタマーサポートをしていた友人は、「人の声を聴くと、だいたい性格がわかる」と言っていました。彼女はきっと音声に敏感なHSPだったのですね。
わたしは、メールサポート歴が長いので、文章から相手の気持ちを感じてしまうことはよくあります。

 ただ、そういう微かな徴候から、相手の気持ちを汲み取る訓練をしていますと、じっさいに体面で人とお会いしたときに、情報が多すぎて困ってしまうことが、あるんです。

 リアルな人間って、ヘアスタイルからメイクから服装から小物から、声音や目つき、身振り手振り、雰囲気など、もちろん喋っている内容もですが、膨大な情報を全身から発していますよね。これが一人ならまだいいんですけど、多人数になると、なにをどう受け取ったらいいやらで、へとへとになってしまうわけなんですよ。(そんな繊細な人に見えないって?まあ、見た目はガサツなオバハンなのでねえ……トホホ)

 この本を読んで、「ああ、わたしだけじゃない」とほっとしました。そして、この要素がHSPの能力、つまり「長所」として挙げられているのを読んで、かなり救われたのです。

2.音やにおいなどの微細な違いも察知できる。

 これも、敏感な分野が人それぞれだと思います。光や音に敏感な人は周囲にかなりいます。直射日光が苦手でサングラスが必要な人や、ノイズキャンセルヘッドホンが手放せない人、臭いに敏感でどうしてもマスクが必要な人などなど…。

 音に敏感すぎて、店のスピーカーやアンプなど音響状態によって、入れない店がある人もいます。これ、本当に不便ですよね。店員さんの感じが良い店だといたたまれないですよね。

 たいていの人が、とても不便、不自由をしているので、これも長所として挙げてもらえているとうれしくなりますね。

3.ゆっくり、深く多角的に考えられる。

これも、長所として数えられていてうれしい項目です。
たいていのHSPは、自分の性格のこの部分を「どんくさい」とか、「瞬発力が無い」と捉えていることが多いのです。

 ほかの人のように、素早く考えて素早く判断できない、どうしても時間をとって、ぐずぐずとしてしまう…。ともすれば、臆病、とか行動力が無い、と言われてしまうところです。ですから、「ほかの人より考える深度が深いから」と言ってもらえると、救われます。

4.とても慎重で、危機管理能力が高い

これも、臆病、とか怖がり、とか言われてきた部分ではないでしょうか?
「心配性」や「怖がり」と言われてきた人の長所は、危機察知能力の高さです。
その「危機」は、物理的に危ないことだけでなく、人と人とのもめごとや、誰かが傷つくことなども入ります。それを、普通の人よりは深い深度で考えるのです。

かといって、それらを防止できるかと言うと、人と人との関係は複雑なので、そんなに簡単ではないんですけどね。(失敗多し)

これは、じつは、わたしの今の仕事……カスタマーサポートには向いてる資質なのですね。

5.共感力が高く、気配り上手

 わたしは、まだまだ不出来なところがあるので、ぜんぜんちゃんと出来てないのですが、医療関係やホテル関係の業界で、働き者で気働きが効き優しくて頼りになる、非の打ち所もないような人は、往々にして職場ですべてのエネルギーを使い果たしてしまい、家に帰ると何も出来なくなってしまっていることが多いとよく聞きます。

おそらく、HSPの能力を外で使い切ってしまうんでしょうね。

敏感すぎる人は、この「スイッチ」のオンオフがとても大事だと思うのです。

6.誠実で、責任感がある。

 一般的にHSPは、いろいろなことに気がつきすぎるがゆえに、自分が関る場で起きることすべてに、反射的に責任をとろうとする傾向が強いそうです。

ただ、これも個人差があって、やはり受信能力が強すぎるために、あれもこれもと背負ってしまい、パンクしてしまって、感情的に爆発してしまい、それをわがままと取られることもあるそうです。
HSPは、我慢と爆発は避けないといけないですね。

7.想像力が豊かで、内的生活が充実している。

 これも、長所に数えていただけるのはありがたいですね。
よく、「地に足が着いてない」とか、リアルを受け止めてないとか、言われやすいHSPです。
また、臆病で行動しないとか、シャイだとか、引っ込み思案だとか、誤解もされやすいです。

 わたしが子供の頃、周囲の大人たちからいちばん言われた言葉は「下手な考え休むに似たり」でした。いや、考えてるのと寝てるのはぜんぜん違うって。でも、よく寝ながら考えてるけど。

 ひとりで思索にふけっていると、「退屈している」、または「暇をもてあましている」とも言われやすいですよね。(笑)
そんなとき、たいてい、頭の中は大忙しです。

 つまり、いままで欠点だと思っていたところは、長所だったわけです。

 短所は長所。この長所を伸ばしていければ、HSPの人生はずっと生きやすくなるのかもしれません。

 長くなりましたので、本日はここまで。続きはこちら

 
この本、とてもいい本なので、思い当たるところがある人には、おすすめですよ。

 

 

HSPの日常行動の対策はこちら

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