【HSP】繊細さんが「自分のまま」で生きる本【繊細さは幸せへのコンパス】

2020年10月20日

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繊細さんが「自分のまま」で生きる本  武田友紀/著 清流出版

HSPという気質をご存知でしょうか。人口の20%はHSPだそうです。5人に1人のこの気質は、まだまだあまり認知されていません。感受性が高くて、さまざまな情報を受け取りやすいHSPには、生き方のコツがあるのです。

繊細さんが「自分のまま」で生きる本  武田友紀/著 清流出版

<武田友紀> 九州大学工学部機械航空工学科卒。HSP専門カウンセラー。 

繊細さんが「自分のまま」で生きる本  武田友紀/著 清流出版

 このサイトでは、普通の人よりも感受性の高い「ひといちばい敏感な子」HSPについてのおすすめ書籍と記事を何ヶ月かに一回掲載しています。わたし自身がHSPであり、周囲にもHSPが多いことから、このサイトもHSPのためのブックガイド的な意味があります。

 HSP(Highly sensitive person)という概念は、1996年にエレイン・アーロン博士が提唱しました。この人たちは、周囲からの情報を過剰に受け取りすぎる傾向がある、5人に1人の気質です。20%なので、案外多いと思います。

 HSPかどうかを調べる簡単なチェックリストがこちらにありますので、どうぞ確かめてみてくださいね。(エレイン・アーロン著「ひといちばい敏感な子」より)

 日本でも海外でもHSPの研究はそれほど進んでいません。なぜなら、HSPは「気質」であり、治療すべき「病気」ではないからです。
 Wikipediaの記述を見ても、アローン博士をはじめとする海外の専門書との食い違いもみられ、まだまだ手探りの状態だと感じます。

 HSPは、「敏感すぎる」ので、二次的な問題として、うつなどの症状が出ることがありますが、HSP=うつとも違うので、誤解を受けがちです。また、繊細だからと言って天使のように聖人君子というわけでもないので、それも誤解を受けがちです。「外部から多くの情報を受け取りすぎる」。これがすべてだと思います。

 武田友紀先生のこの本は、この誤解されがちなHSPについて、わかりやすく噛み砕いて書いてくださっています。また、字が大きくて、それほどボリュームがないので、HSCのお子様も気楽に読める本だと思います。

 HSPには、四つの特徴があります。

DOES(ダズ)

Depth of processing(処理の深さ)
 様々なことを瞬時に感じ、他の人が通常考えない深さまで考える。複雑なことや細かなことに目を向け、表面的なことよりも本質的なことを考える傾向にある。

Overstimulated(刺激を受けやすい)
 ひといちばい気がつき処理するため、人よりも早く疲労を感じやすい。大きな音や光、暑さや寒さ、痛みなどに敏感だったり、楽しいイベントでも刺激を受けすぎて疲れたり、興奮して目が冴えて眠れなかったりする。感じすぎた刺激を流すために、1人の時間や静かな時間が必要。

Emotional reactivity and high Empathy(感情的反応性・高度な共感性)
 共感力が強く、他者の意思や気持ちを察しやすい。HSPは非HSPよりもミラーニューロン(共感を生む働きをするといわれている神経細胞)の活動が活発だといわれている。事故や事件のニュース、暴力的な映画などが苦手な傾向にある。

Sensitivity to Subtle stimuli(些細な刺激に対する感受性)
 小さな音、かすかな匂い、相手の声のトーンや視線、自分を笑ったこと、ちょっとした励ましなど、細かなことに気づく。気づく対象は様々で個人差がある。

 (以上引用 p18 p19)

 これらの気質により、どんな「生きづらさ」が発生するのか、それがどのような弊害になり、どのように乗り越えてゆくのがいいかは、千差万別です。

 HSPは、時には二次的症状として鬱やネガティブになることもあるし、過敏すぎてイライラとすることもあるし、自分を守るためにいっさいを遮断して感覚を麻痺させてしまう人もいます。HSPだからといって、いつでもどんなときでも天使のようにやさしく善良で、細やかな気配りができるとは限りません。

 生まれながらに、ミラーニューロンの働きが活発だというだけの、「気質」だからです。

 しかしながら、社会は非HSPを基準に作られているので、HSPは生きづらさを感じながら手探りで自分の生き方を模索している方が多いと思います。

 クリエイターや職人業界はHSPが多く、特に、微妙な匂いや手触り、感覚で出来が左右される、料理、伝統工芸や、熟練が必要な町工場などのモノヅクリ、緻密な計算と感性の両方が必要なゲーム開発、プログラミング、感受性が必要なアート、音楽、文筆などの分野でHSPは活躍しています。そういう業界は周囲を見てもHSPだらけです。

 以前の記事で、HSPは普通の人より多くの情報を受け取りすぎる「気質」なため、「気にしなければいいよ」と言うアドバイスは、かえって困惑させてしまうかもしれない、と書きました。

 HSPは病気ではないため、努力して「治す」ことはできません。まれに、自己防衛のためにすべての感覚や刺激をシャットアウトして麻痺状態にしている人もいますが、それくらい極端にしないと「ちょうどよく鈍感になる」のは難しいのです。

 HSPにとって「細かいことは気にしなければいいよ」と言うのは、魚に対して「濡れたくないなら泳がなければいいよ」とアドバイスするのに似ています。(そして、そのように解釈してしまうことがある)それくらい、難しいことです。

 おそらく、非HSPは、HSPのことがわからないと思うのです。だから、「前向きになりなよ」とか「そんな細かいことは気にしなければいいのに」とか、つい善意で言ってしまう。(善意だと言うのがHSPにはわかります)けれど、そこで「わかる、わかるよ」と言うのも無理があります。(無理に「わかるよ」と言われても、HSPは無理に言ってるとわかります)

 こういうとき、一番心が楽になる言葉はなんでしょうか?

 それは、

「そうなんだね」。

 あなたはそうなんだね、よくわからないけど、そうなんだね。
 それだけでいいのです。

 わたし自身HSPですが、自分以外のHSPのことが全部わかるわけではありません。
 HSPにも、いろんなタイプがあって、敏感なアンテナの向いている方向も人それぞれです。光や色、音に敏感な人もいるし、匂いや、他人の感情、その場の雰囲気など、十人十色なのです。

 「からくりサーカス」と言う漫画がありますが、この漫画に出てくる「ゾナハ病」と言う、目の前の人が笑っていてくれないと死んでしまう病気、と言うのはまさにHSPだと感じました。(架空の病気です) この物語は、ゾナハ病の鳴海と心が凍り付いている少女しろがねの心の交流を描いています。しかし、HSPの人間が読むと、鳴海としろがねと言うふたりのHSPの物語に感じられるのです。(作者の意図は不明)

「繊細さんが『自分のまま』で生きる本」には、HSPが無理をせず、やわらかい心のまま生きてゆくためのヒントがたくさん書かれています。日本のHSP関連書籍の中で、いちばん読みやすく、わかりやすく、親子で読むこともできる本だと思います。

 これはすべての本に言えることですが、本に書いてあることがすべて自分にあてはまりすべてを実践すれば100%上手くゆく、みたいなことは、ないので気負いは禁物です。
 本に書いてあることをして上手く行かなくても仕方がないし、すべてを書いてある通りにできなくてもよいと思います。むしろ、そんな「肩の力」を抜いたほうがいいですもんね。

 それでも、この本はおすすめです。武田先生ご自身がHSPらしく、HSPが読んでいて心がきつくなるような表現がほとんどありません。常時語りかけるような口調で書いてあるので、小学校高学年くらいからならお子様でも読みやすいと思います。

 最初はアーロン博士の本をおすすめしますが、日常的に時々読んで、ほっとしたいときは、この本はおすすめです。表紙もかわいらしく、雨の中を傘を差しながら虹を目指して楽しそうに歩く女の子の絵にはげまされます。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな表現や、断定的口調、否定的表現はほとんどありません。安心してお読みいただけます。
 字が大きく、ほどよいボリュームなので、親子で読むことも可能です。表紙がとてもかわいいので、持ち歩いても大丈夫。ちょっとしたときに取り出して、ぱらぱらとめくって気になるところを読むのもいいかも。
 肩の力をぬいて読めるので、おすすめです。

 また、HSPのライフスタイルについては、絵本作家ターシャ・テューダーの人生も参考になります。
 無理をしてたくさんの人と交流しなくても生きて行く方法はあるし、そして、こんなにも美しく幸せな生活ができると言う実例を見せていただいた気持ちです。ターシャの絵本のレビュー記事もよろしければどうぞ。

いつもありがとうございます

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