【風の丘のルルー】人はわかりあえる?児童小説の名作を電子書籍で。波乱万丈の第4巻【魔女のルルーと風の少女】【電子書籍】【小学校中学年以上】

2024年4月7日

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魔女のルルーと風の少女  風の丘のルルー 4  村山早紀/作 ふりやかよこ/絵  ポプラ社

ルルーは魔法書を勉強してほうきをつくりました。ほうきがあれば遠くの街へも飛んでゆけます。くまのぬいぐるみのペルタとともに、ルルーは見知らぬ土地へと旅に出るのでした……

この本のイメージ 異世界ファンタジー☆☆☆☆☆ 人と魔女☆☆☆☆☆ 心とは☆☆☆☆☆ 

魔女のルルーと風の少女  風の丘のルルー 4  村山早紀/作 ふりやかよこ/絵  ポプラ社

<村山早紀>
1963年長崎県生まれ。日本の児童小説作家。「ちいさいえりちゃん」で毎日童話新人賞最優秀賞、椋鳩十児童文学賞を受賞。主な作品は『シェーラひめのぼうけん』『新シェーラひめのぼうけん』シリーズ、『風の丘のルルー』シリーズ、『はるかな空の東』などであり、近年は風早の街を舞台にした『コンビニたそがれ堂』シリーズ、『カフェかもめ亭』シリーズ等が人気を博している。

<ふりやかよこ>
山口県生まれ。 大分県立芸術短期大学油絵科卒。 「ばあちゃんママのなつやすみ」で絵本にっぽん新人佳作、「いらいらあきあきとりかえっこ」でニッサン童話と絵本のグランプリ優秀賞。

 2000年にポプラ社から出版された名作です。現在は電子書籍で全巻読むことができます。
 児童文学の名作「シェーラ姫の冒険」の村山早紀先生の魔女シリーズです。シェーラ姫は太陽のような元気なお姫さまですが、ルルーのお話はいつも少し哀愁を帯びています。

 お話自体は一話完結の形でどこから読んでもわかるようになっています。しかし、大きな流れはありますので、ルルーが風の丘で暮らすようになった第1巻から読み始めたほうがわかりやすいでしょう。まずは、第1巻「魔女の友だちになりませんか?」から。

 「魔女の友だちになりませんか?」のレビューはこちら

 今回のお話は……

 ルルーは魔法書を勉強して新しい魔法を身につけようとしていました。
 その手始めに、「ほうき」をつくったのです。ほうきがあれば、遠くの町へ飛んでゆくことができます。

 はじめて作ったほうきに乗って、ルルーはぬいぐるみのペルタとともに、見知らぬ土地へやってきます。

 そこは、湖畔の街市。

 親切なジャンという少年に助けられ、ルルーは湖畔の街市の市長の甥、盲目のギルバートの目を治すべく滞在することになりました。

 ギルバートは目を患ってから、湖畔の粗末な家に1人で住まわされ、苦しい生活をしています。ギルバートの叔父の市長が手配したことですが、どうしてそんなひどいことをするのか……

 やがて、この街に「怪盗ハルヴァル」が現れたらしいと噂が流れ……

 ……と、いうのがあらすじ。

 この物語は毎回、様々な形で「人はわかりあえるのか」と繰り返し問いかけてきます。

 人の心はもろく、はかなく、すぐ揺らぎ、壊れ、裏切る。それでも人を信じるのか? 信じていいものなのか?

 ルルーは様々な出会いや経験を経て、少しずつ成長し、辛いことや哀しいことがあっても「それでも人を信じる」と言う選択をします。

 一口に「人間」とひとくくりにしてしまうと、あまりにもいろんな人がいます。性善説で生きていると、辛い思いをすることもあるでしょう。幼い子どもであればあるほど、その経験の少なさから、人を信じることに迷いを感じてしまうかも。
 小学校中学年くらいは、まさに生まれてはじめてそんな悩みに直面するときです。

 しかし、ルルーはそれでも「人間の本質」はいいものだ、と信じることにしたのです。それは、いままでの経験から一歩ずつ階段を登るように成長してきたルルーの強さでもあります。

 そんなルルーと対比してこの物語には、その部分の階段をどうしても登れなかったバラケという少年も登場します。
 バラケは一見とても強そうに見えるのですが……バラケとルルー、ほんとうに強いのはどちらなのでしょうか。

  残念ながら紙の本では入手困難ですので、電子書籍か図書館で。どうしても紙の本をお探しの場合はまれに中古で手に入ります。

 電子書籍なら全巻手に入ります。

 漢字とひらがなの配分がほどよく読みやすい文章ですが内容が哲学的なので、できれば小学校中学年から。キャラクターが多く、繊細な心のひだが書き込まれていて読み応えがあります。総ルビ(すべての漢字にふりがな)なので、本好きで賢い子なら低学年からでもコツコツ頑張れば読むことが出来ます。

 電子書籍には、電子書籍専用の読書リーダー端末がおすすめ。
メールやSNSで読書を邪魔されず、本を読むことだけに集中することが出来ます。また、表示フォントを大きくすることも出来るので、目に負担をかけません。

 昔の名作が電子書籍で読める、いい時代になりました。
 ルルーの物語は、はじめて人間関係の深い問題に出会うお子さまに、ヒントと励ましをくれるはず。

 春の風がふきぬけるこの季節に、風の丘のルルーの物語をぜひどうぞ。

 ※この本は現在、Amazonでは新品の「紙の本」は入手困難です。マーケットプレイス、中古(古書)でお求めになるか、図書館、またはまれに書店にある場合があるので、お近くの書店の書店員さんにお尋ねください。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 繊細で感じやすい、HSCのお子さまにとくにおすすめします。
 人の心のもろさ、傷つきやすさ、踏み外しそうになる弱さと、それでも人を信じて正しく生きようとする強さを描いていて、感じやすい年頃のお子さまの心に寄り添い、励ましをくれるストーリーです。

 今現在、悩みや苦しみの中にいる内向的なお子さまに。電子書籍でルルーのやさしい世界に触れてみてくださいね。

 読後はお気に入りのハーブティーでひとやすみ。

 

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