【オズの魔法使い】120年前に書かれたファンタジーの古典。竜巻に連れ去られた少女の大冒険【小学校中学年以上】

2024年2月13日

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オズの魔法使い フランク・ボーム/作 幾島幸子/訳  岩波少年文庫

 ある日、巨大な竜巻に家ごと飛ばされたドロシーは不思議な国に迷い込みます。家の下敷きになって悪い魔女は死に、小人たちマンチキンが取り囲んでお礼を言ってくれました。そして、白い服を着た北の魔女は、おうちに帰りたければオズのエメラルドの都へ行き、オズの魔法使い、オズ大王に会うようにと言うのです……

オズの魔法使い フランク・ボーム/作 幾島幸子/訳  岩波少年文庫

<フランク・ボーム>
ライマン・フランク・ボーム(Lyman Frank Baum、1856年5月15日~1919年5月6日)は、アメリカ合衆国の児童文学作家、ファンタジー作家。60編以上の童話、児童文学作品を執筆しており、特に「オズの魔法使い」をはじめとする「オズ」シリーズの作者として有名。戯曲家、俳優、自主映画制作者でもある。

 異世界迷い込み型ファンタジーの古典、「オズの魔法使い」です。様々な出版社からいろんなバージョンが出版されています。また、ジュディ・ガーランド主演の映画は、映画界の古典名作です。

 少女ドロシーが竜巻で家ごと吹き飛ばされ、たどり着いたところは異世界でした。
マンチキンの国を支配していた東の悪い魔女の上に、家ごとどすんと落ちたドロシーは、東の悪い魔女を無自覚に退治してしまいます。

 マンチキンに大変感謝されたドロシーですが、カンザスの家に帰りたいと願うと、北の良い魔女から「エメラルドの都へ行き、オズの魔法使い、オズ大王に会って頼みなさい」と助言されます。

 ドロシーと飼い犬のトトは、エメラルドの都に向けて旅をします。
その途中で、脳みその欲しいかかし、心臓(ハート)のほしいブリキの木こり、勇気が欲しい臆病ライオンを旅の友にして、一緒に旅をすることになります。

 と言う、かなり有名なストーリーです。

 著者のフランク・ボームは、子どもたちが純粋に楽しめる、説教臭くない楽しいおとぎ話を作りたくて書いたそうです。
たしかに教訓的な部分はあるにはあるのですが、説教臭くはなく、元気付けられる構成になっています。

 教訓的な話だと、主人公なりキャラクターの誰かがまず間違ったことをしてしまい、それによって痛い目にあって「こういうことはしてはいけないんだ」と理解する、と言う話が多いものです。

 でも、「オズの魔法使い」では、ドロシーをはじめとして、かかしも木こりもライオンも、自分の能力や魅力に気がついていないだけで、ちゃんと実力を発揮すれば、欲しいものは全部、もともと持っているんです。

 欲しいものを他人からもらおうとしないで自分の内側から発揮しよう、と言ってるようでもあり、仲間と旅をしていれば、自然と欲しいものは手に入るよと言っているようでもあります。

 そして、たくさん冒険をしたあと、ドロシーは銀の靴でおうちに帰ります。
最後にグリンダが、飛ぶ猿の帽子を使うところがあざやかです。本当にちょっとしか出てこないのに、グリンダ、このシーンだけでめちゃくちゃかっこいい

 オズシリーズは、実は本国ではすごくたくさんの続編が出ていて、その後も別作家で書かれ続けているらしく、調べてみておどろきました。ちょっと読んでみたいですね。

 早川書房で出版されていた続編はずいぶん昔にわりと読んだことがあって、「オズのオズマ姫」とかは大好きでした。気球で去ったはずのオズの魔法使いも、いい味出してまた出てくるんです。またどこかの出版社で出版してほしいものです。

 「オズの魔法使い」を読むと、「楽しさ」だけで子どもに何かを伝えるのは、難しいけれど大切なんだなと教えられます。本当の悪者は東西の魔女だけで、悪い人は出てきません。重苦しいところはなく、あくまで明るく楽しい、けれど、励まされるお話です。

ファンタジーが好きな方には、おすすめです。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。楽しく明るい、異世界ファンタジーです。旅の仲間がそれぞれ個性的でかわいいので、読み聞かせにもおすすめです。色鮮やかな映像が目に浮かぶストーリーです。
おいしそうな食事シーンが多いので、読み終わったら、おいしいお茶やフルーツをどうぞ。

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