【父の日特別企画】【おとうさん】父の日に読みたい、父と娘のハートフルストーリー絵本。読み聞かせにも。【4歳 5歳 6歳 7歳】

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おとうさん つちだ よしはる/作 小峰書店

わたしは、おとうさんのじてんしゃにのって、おとうさんと でかけるのが、だいすきです!おきにいりの ハンカチを もって、きょうも でかけます……

この本のイメージ 父の愛☆☆☆☆☆ 娘の愛☆☆☆☆☆ ドラマチック☆☆☆☆☆

おとうさん つちだ よしはる/作 小峰書店

<つちだ よしはる>
土田 義晴(つちだ よしはる、1957年2月11日~)は、山形県鶴岡市出身の絵本作家。酒田南高等学校・日本大学芸術学部油絵科卒。芸術学学士。主に全国の保育士から人気を得ており、多数の絵本や書物の絵を描いている。

おとうさん つちだ よしはる/作 小峰書店

 6月の第3日曜日は父の日です。今年は6月20日。母の日の花はカーネーションですが、父の日の花はバラ。

 父の日は、子どもがお父さんに日ごろの感謝を伝える日ですから、父の日に親が子どもに本を買ってあげるのはちょっとちがうんですけども、おとうさんにちなんだ絵本を読むのもいいかなと思って、今日はこれをご紹介。

 初版は2003年9月6日。ロングセラー絵本ですね。
 小さな女の子と、そのおとうさんとのハートフルストーリー絵本です。

 わたしは、このサイトをはじめてから絵本の魅力を知って読むようになったので、絵本について詳しくはなく、日々、発見の連続です。
 しかし、「これはすごい絵本だな」と、衝撃をうけました。

 お話は……

 「わたし」のおとうさんは、家で難しい仕事をしています。でも、外に出るとわたしを自転車にのせてこいでくれます。
 春も、夏も、秋も、おとうさんと自転車に乗っていろんなところに行って、摘んだ花を大切なハンカチにつつんで、そして、ひとつひとつ、川に流します。川は海へつながっているとお父さんが言ったから。

 ある日、拾ったドングリを包んだハンカチを、落としてしまいます。お父さんは探してくれましたが、みつかりませんでした。お母さんが刺繍してくれた大切なハンカチなのに……。

 翌日、お父さんが刺繍してくれた新しいハンカチをもって、お父さんの自転車にのって、わたしは海に行きます……

 ……と、いうのがあらすじ。

 ラストは衝撃の展開で、かなりびっくりするだけでなく、涙が出そうになるかもしれません。小さな子だと泣いてしまうかも。(哀しい涙ではなく)

 これくらいの年齢向けの絵本で、ここまで深い情緒にアクセスする絵本は珍しいので(わたしが無知なだけかもしれませんが……)感動すると同時にかなり驚きました。

 もちろん、社会問題をとりあげた絵本など、難しいテーマに取り組んだ子供向けの絵本もありますし、絵本は必ずしも子どもを子ども扱いしないものではあります。

 しかし、この絵本は、「難しいことを子どもに噛みくだいて教える」ようなタイプの「大人っぽい」本ではなくて、子どもの情緒の成熟に対して「あなたならわかるはず」と信頼をもって向き合うタイプの「大人っぽさ」があるのです。

 児童文学は、子どもの頃読んだ感想と、大人になってから読んだ感想では違ってくることがよくあります。子供向けの、正統派で単純なテーマの奥に、大人が読んだときには理解できる、大人向けのテーマがひそんでいて、多重構造になっていることが多いからです。

 親子ものの場合は、子どもの頃は子どもの立場で読み、大人になると親の立場で読み、どちらの気持ちもわかるようになります。

 この絵本のストーリーは、主人公の女の子のいじらしい気持ち、お父さんの深い愛情、そしてお母さんの愛がしみじみと伝わってきて、そして、ラストの展開でずどんと心を揺さぶられます。

 そして「ああ、そうだったのか!」とすべての疑問が解けてから、最初にもどって読み直すと、女の子とお父さんが感じていたこと、考えていたことがよくわかるのです。

 こういう「伏線をラストに回収する」話も、未就学児にとってはかなり複雑なのですが、手加減なく入れてくるのは、率直に言ってすごいと思います。

 これくらいの年の子どもは、思考にとりとめがなく、むしろ、もっとシュールな世界観を持っていることが多いものです。ここらへんも、最初はすべてわからなくても、大きくなったら理解してくれればいい、と言うおおらかな愛情を感じます。

 内容を確かめてからお買い求めになりたい方のために、ネタバレしますと

ここからネタバレ 平気な方だけクリック
 
実は、海のそばにはお母さんのお墓があって、「わたし」とおとうさんはお墓参りに来たのでした。「わたし」が桜の花びらやバラの花びらなど、綺麗なものをみつけてはそれを川に流していたのは、川はお母さんのお墓のある海に続いていて、お母さんがお花が好きだったからです。(これははっきりとはそう書かれていないが、読み取れるようになっている)
 お母さんが刺繍してくれたハンカチはなくしてしまったけれど、お父さんが夜なべして新しいハンカチに刺繍をしてくれました。
 「わたし」は、大好きなお父さんがいるのだから、もう泣くのはよそうと決心するのでした。

 お父さんが家で仕事をしていたのは、娘のためだったというのもラストまで読むとわかります。そのように、「ああこれはこういう意味だったのか」と最後まで読んだらわかるシーンがたくさんあるので、何度も何度も繰り返し読み込むことができる深いストーリーです。

 小さな子どもにとっては、かなりの読解力を要求する物語ですが、子どもを子ども扱いしていないところが、すばらしい。実際、これくらいの年頃でも、深いところまでちゃんと理解してしまう子もいますしね。そして、最初は全部理解できなくてもいいのです。大人になったときに「もしかしてあれは……!」と全部わかる日が突然来ることもある、それが児童文学。

 娘がいるお父さんは、読み聞かせしてあげてください。絵がかわいらしく美しいだけでなく、物語のなかにも、深い愛情があふれ、そして、お子さまの情操教育や、読解力の向上にも一役買ってくれる絵本です。

 字はすべてひらがなとカタカナなのですが、文章にかなりのボリュームがあり、読解力を必要とします。簡単な絵と文章だけの絵本を卒業したあたりから、最初は読み聞かせで。

 きっと親子の絆が深まります。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 心の深い部分に届く物語なので、おすすめします。ただし、お子さまのおかれた環境によっては、受け止められない場合があるかもしれませんので、お子さまがHSCの場合は、まず保護者の方がラストまで読んで判断されてください。
しかし、いい本なので、とてもおすすめです。

 読後は、親子で自転車でお出かけしたくなる絵本です。

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