【ぼうしくんのクリスマスプレゼント】かわいい絵とほのぼのストーリー。やさしい心いっぱいのクリスマス絵本です。【4歳 5歳 6歳】

2024年3月20日

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ぼうしくんのクリスマスプレゼント 新井洋行/作・絵 角川書店

ぼくは帽子。今日はクリスマスなのに、あわてんぼうの誰かさんが、僕を落として行っちゃった……。雪の上でひとりぼっちの赤い帽子。でも、彼はとっても優しい帽子でした。ひとりぼっちの動物たちを見ると、自分のあげられるものをひとつひとつ、あげていったのです……。

この本のイメージ クリスマス☆☆☆☆☆ 無償の愛☆☆☆☆☆ ほのぼのハッピーエンド☆☆☆☆☆

ぼうしくんのクリスマスプレゼント 新井洋行/作・絵 角川書店

<新井洋行>
1974年、東京生まれ。二人の娘の父。絵本作家・デザイナー。 絵本に「れいぞうこ」(偕成社)、「いろいろ ばあ」(えほんの社)、「みず ちゃぽん」(童心社)、「どじにんじゃ」(講談社)、「おおごえずかん」(コクヨS&T)、「ころころぽーん」(ほるぷ出版)など多数。挿画に「パーシー・ジャクソン」シリーズ(ほるぷ出版)、「モーキー・ジョー」シリーズ(フレーベル館)など。くもん出版からは、「えほんとあそぼ」シリーズのほかに「ぴーかーぶー!」「カチン コチン!」(絵・小林ゆき子)の2冊がある。

<冒頭の近況トークです。レビューのみ読みたい方はスクロールしてね>

 いやあ、年末ですね。クリスマスが近づいてきています。クリスマスと言えば、フィギュアスケートファンにとっては、全日本選手権です。
怪我をして欠場中の羽生結弦選手や、紀平梨花選手の回復が気になるところです。

 そして、グランプリシリーズも、いよいよ大詰め。
 先日のロステレコム杯、友野一希選手! 3位表彰台、おめでとうございます! すばらしい、ニューシネマパラダイス! 友野選手の透明感のある世界観と、のびやかな四回転ジャンプ。友野選手のもつ、色あせない初々しさと透明感は、武器だと思います。本当におめでとうございます。

 田中刑事選手は、悔しい結果だと思いますが、ステップのすばらしさと、長身を生かした表現力は健在。個人的には表現力は世界トップクラスだと思うんですよね……。全日本、応援しています。

 松生理乃選手、このメンバーの闘いの中、たったひとり、ロシアという場所で、のびのび滑れただけですごいと思ってしまいました。所作や動きが美しくて大好きです。 

 女子は、ロシア女子に勝てるのかとか、そういう次元ではなくなってきてしまいました。人類として同じ土俵に立てるのか?と言うくらいの状態。
 ワリエワ選手は言葉を失うすごさです。手足があんなに長いのに美しくて安定したジャンプは脅威です。柔軟性があるので、スパイラルもスピンも美しい。ロシアの女の子が、こんなに背が高いのにここまでほっそりした体型を維持するのは、たいへんでしょうね。奇跡の体型だと思います。
 リーザ様は相変わらずお美しい。「レッツゴー!」から思わず手拍子してしまいますね。ずっとトリプルアクセルとともに滑り続けていて、自分の世界観があって、素敵な選手です。(後日、ワリエワ選手にドーピング陽性反応が。いったいどうなるの……2022.02.15追記)

 これで、グランプリファイナル出場選手が決定しました。
 男子は、鍵山選手、宇野選手が出場。個人的にはジェイソン・ブラウン選手が入っているのがうれしい。
 女子は……日本VSロシア。ちがう。坂本花織VSロシアです。な、なんたること!この宇宙人軍団にたったひとりで立ち向かう坂本選手!オリンピックや世界選手権よりしんどくないですか? 見ているほうは、何も望みません。どうぞせいいっぱい、満足できる演技を。

 そして、りくりゅう! ペアの三浦璃来、木原龍一組、グランプリファイナル出場おめでとうございます! 日本人同士のペアとしては史上初になります。快挙です!(高橋トラン組が2011年に出場したことはあり) 高橋成美選手が積み上げてきた歴史が開花したのですね。本当にめでたい、すばらしい。

 アイスダンスのかなだい組も、最高得点を更新しているようですし、年末に向けて、本当に楽しみになってきました。

 わたしは、ただ長く楽しんでいるだけのライトな愛好家です。でも、アスリートの皆さんが懸命に滑っている姿は、寒い季節の大切なビタミン剤。落ち込みがちなときやくじけそうなとき、本当に元気をいただいています。だから、怪我だけには気をつけて、楽しく滑ってくださいね。

 今年のフィギュアスケートは、知らない方にも見ていただきたいなと思います。カップル競技は熱いし、ロシア女子の異次元の演技は一見の価値ありです。

<今日の本題>(ブックレビューだけお読みになりたい方はここからお読みください)

  さて、本日ご紹介するのは、「ぼうしくんのクリスマスプレゼント」。初版は2020年11月。新井洋行先生の、かわいらしい絵本です。

 おはなしは……

 雪の上に、赤い帽子がひとつ、ちょこんと落ちています。白いボンボンかざりとふわふわがついた、赤い、かわいい帽子です。

 誰かさんに落っことされてしまった帽子くん、どうしようかと悩んでいると、一人ぼっちのうさぎが泣きながらやってきす。

 クリスマスなのに一人ぼっち、プレゼントをくれる人もいなくて泣いているうさぎさんに、赤い帽子は、自分の白いボンボンかざりをプレゼントしてあげました。うさぎさんは、尻尾に飾って、大喜びで去ってゆきます。

 次にやってきたのは、一人ぼっちのくまさん。くまさんも、プレゼントしてくれる人もいなくて泣いています。帽子くんは、白いフワフワをプレゼントしてあげます。くまさんは、白いフワフワを襟巻きにして大喜びで去ってゆきます。

 次にやってきたのは、一人ぼっちのきつねさん。帽子くんは、自分の本体を赤いお洋服としてプレゼントしてあげました。きつねさんは大喜びで去ってゆきました。

 ついに、すべてを失って魂だけになってしまった帽子くん。そこへ、一人ぼっちのトナカイが、泣きながらやってきます。

 しかし、もう帽子くんにはあげられるものがありません。トナカイを助けてあげられない帽子くんは、自分の無力に泣いてしまいます。

 そこへ、サンタさんがやってきて……と、言うのがあらすじ。

 ストーリーは、最初、「こ、これは『幸福の王子』のような悲しい話なのか?」と思わせておいて、なんとなんとのハッピーエンドです。(重要)

 帽子くんの無償の愛がはてしない。だって、魂だけになっても、嘆くのは身体を失ったことではなくて、ひとりぼっちのトナカイさんにプレゼントして上げられないことなんですから。

 こんな優しい帽子くん、ちゃんと持ち主に見つけ出されて幸せになって、ほんとうによかった!

 シンプルだけど、やさしいお話で、心がほっこりします。

 かわいい、あたたかみのある新井先生の絵で描かれる帽子くん、目だけなのに、とても表情が豊かです。プレゼントして満足げな帽子くんだけでなく、泣いていた動物たちもプレゼントをもらえてみんな幸せそう。

 子どもにとってクリスマスは「プレゼントをもらう日」ですが、「プレゼントをあげる」のも、こんなに喜びと幸せに満ちているんだと教えてくれる物語です。

 ひらがなとカタカナだけで書かれているので、五十音が読めれば読むことが出来るシンプルな絵本です。けれど、与える喜び、無償の愛に満ちています。大切なことがたくさん書かれていて、それでいて、けっして説教臭くならないのがいい。そして、ハッピーエンドなのが、もっといい。

 子どもはいつか大人になり、そしていつか自分の子どもにプレゼントをあげる立場になります。そうやって、幸せは循環してゆく。

 シンプルで、純粋で、学ぶことも多いクリスマスの絵本です。
 字を覚えたばかりの、小さなお子様へのクリスマスプレゼントに。または、読み聞かせにもぴったり。

 表紙の帽子くんの目がじっとこちらを見ていて、何かを語りかけているようです。
 「プレゼント」のすばらしさを知る絵本、この季節にぜひどうぞ。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。自己犠牲的に帽子くんがどんどん自分の一部をプレゼントしてしまいますが、最後はみんなが幸せになるハッピーエンドです。

 プレゼントを「もらう喜び」だけでなく、「与える幸せ」も描いていて、プレゼントを通じて幸せが循環しているお話。
 小さなお子様のクリスマスプレゼントとしておすすめです。ラストシーンが幸せいっぱいなので、ほのぼのとあたたかい気持ちになります。

 

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