【魔女たちは眠りを守る】人知れず人々を守る魔女たちのやさしい物語。【中学生以上】

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魔女たちは眠りを守る  村山早紀/作 まめふく/絵 KADAKAWA

この世には魔女がいる。不思議な力が使えて、普通の人より長生きな、心優しく不思議な人たちが。彼女たちは、人に紛れ、世の片隅で、ひっそりと、人間たちを守って暮らしているのだ……

この本のイメージ 魔女☆☆☆☆☆  やさしいファンタジー☆☆☆☆☆ 浄化の涙☆☆☆☆☆

魔女たちは眠りを守る  村山早紀/作 まめふく/絵 KADAKAWA

<村山早紀>
1963年長崎県生まれ。日本の児童小説作家。「ちいさいえりちゃん」で毎日童話新人賞最優秀賞、椋鳩十児童文学賞を受賞。主な作品は『シェーラひめのぼうけん』『新シェーラひめのぼうけん』シリーズ、『風の丘のルルー』シリーズ、『はるかな空の東』などであり、近年は風早の街を舞台にした『コンビニたそがれ堂』シリーズ、『カフェかもめ亭』シリーズ等が人気を博している。

<まめふく>
作家・イラストレーター 東京都在住。児童書を中心に書籍の装画や挿絵、雑誌、雑貨などのイラストを制作。

魔女たちは眠りを守る  村山早紀/作 まめふく/絵 KADAKAWA

 「シェーラ姫の冒険」の村山早紀先生の、大人向けのファンタジーです。このサイトでは、「中学生以上」としました。2020年4月初版。絵は「ルイスと不思議の時計」のまめふく先生です。

 お話は……

 この世には魔女がいる。世界の片隅でひっそりと暮らし、人に紛れ、人を助け、見守り続けて長い命を生きる魔女たちが。

 古い港町、桜の花びらが舞う季節に、若い魔女の娘が帰ってきた。
 赤毛の長い髪をなびかせ、金色の瞳をした使い魔の黒猫を連れた、彼女の名は、七竈・マリー・七瀬。

 ひとの子らが「魔女の家」と呼ぶ、銀髪の美しい魔女二コラのカフェバーに、今日も魔女たちは集うのだ。

 これは、そんな魔女たちとひとの子たちの物語。

 短編集なので、六つのお話と、エピローグで構成されています。

 第1話 遠い約束
 第2話 天使の微笑み
 第3話 雨のおとぎ話
 第4話 月の裏側
 第5話 サンライズ・サンセット
 第6話 ある人形の物語
 エピローグ 貝の十字架

 の7つのお話です。七竈の七とかけているのではないでしょうか。七番目のお話「貝の十字架」は七瀬自身のお話。
 歳のとりかたがゆっくりで、長い時間を生きる魔女たちと、短い命の人間たちの交流を描いたファンタジックストーリーです。

 「サンライズ・サンセット」のような、亡き人を見送るお話は、自分では止めようもなく涙が出てきてしまうので、どうしようもないのですが、それ以外のお話も、心がほっこり温かくなるお話ばかり。

 わたしが個人的に1番好きなのは、「月の裏側」。
このお話では、魔女とか妖怪とか、一般的に「怖い」と思われているものがやさしい存在として描かれています。


 でも、人とは違う能力をもち、人より寿命が長くても、苦しんでいる人にたいした事はしてあげられない。そして、寿命がながいだけ、力及ばなかったことを想って悔やむこともある。
 けれど、やさしくて、長生きで、忘れないからこそ、何年経っても約束を守って会いにきてくれる。

 村山先生は、「コンビニたそがれ堂」でも、日常に「ささやかな魔法」を添える短編を書いていらっしゃいますが、実際人生における「魔法」とか「奇跡」と言うのは、そんなささやかなものなのかもしれません。もしかしたら、気づかずに見過ごしてしまうような。

 ここ数年、天変地異や、伝染病や、不況や、いろんなことがありすぎました。平気でいようとすると、知らず知らずのうちに心が疲れてしまいます。

 読書は、疲れた心を支えてくれる人生の友だちです。読書をしていると、過酷な現実からほんの少しだけ距離をとることができるのです。

 ジェットコースターのような奇想天外なストーリーや、波乱万丈の物語はわくわくして面白いけれど、精も根も尽き果ててへとへとになってしまった時には、それさえも負担になってしまうこともあるかもしれません。

 そんなとき、村山ワールドは、疲れた心をふんわり包み込んでくれるでしょう。

 はかないけれど懸命に生きた命の美しさ、いとしさに胸がいっぱいになり、見送る魔女の気持ちになってはせつなくなり、見送られる人間の気持ちになっては、「一生懸命生きよう」と思える、やさしい物語です。

 もちろん、「世の中、こんなにやさしくはないよ」と言う気持ちになってしまうこともあるかもしれません。けれど、繰り返し読むうちに、やさしい魔女たちの魔法が、少しずつ少しずつ、じんわりと癒してくれるのです。

 一気に、ではなく、お気に入りの温かい紅茶を飲みながら、少しずつ読みたい物語です。

 ※この本は電子書籍もあります。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 おすすめです。HSPやHSCの方のほうが、多くのメッセージを受け取れると思います。

 人と死別する話が多いので、もし、なんらかの事情でダメだなと思ったら、精神的に落ち着いたときにお読みください。しかし、やさしい愛情にあふれる、癒しの物語です。救われる人もいると思います。

 どなたかにプレゼントをお考えの方は、まず、お読みになってみてください。涙は流れますが、癒されるお話です。

 読後は、バナナと生クリームを添えたプリンと、温かい紅茶でティータイムを。寒い日は、熱々のココアでもいいですね。

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