【なのだのノダちゃん】親友は吸血鬼?ふしぎなふしぎな夏休みの自由研究。オカルトファンタジックコメディ第3巻【まほうの自由研究】

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なのだのノダちゃん 3  まほうの自由研究  如月かずさ/作 はたこうしろう/絵 小峰書店

サキが出会った女の子は吸血鬼。その名はロムニア・クルトゥシュカラーチ・パパナッシュ17世。長くて覚えられないから、「ノダちゃん」って呼んでいる。今回はノダちゃんと夏休みの宿題をやろうとしたんだけど……

怖くないオカルト☆☆☆☆☆ バンパイア☆☆☆☆☆ 夏休み☆☆☆☆☆

なのだのノダちゃん 3  まほうの自由研究  如月かずさ/作 はたこうしろう/絵 小峰書店

<如月かずさ>
1983年、群馬県桐生市生まれ。「サナギの見る夢」(講談社)で第49回講談社児童文学新人賞佳作、「ミステリアス・セブンス―封印の七不思議」(岩崎書店)で第7回ジュニア冒険小説大賞、「カエルの歌姫」(講談社)で第45回日本児童文学者協会新人賞を受賞

<はたこうしろう>
1963年、兵庫県西宮市生まれ。絵本作家、イラストレーター。ブックデザインも数多く手がける

なのだのノダちゃん 3  まほうの自由研究  如月かずさ/作 はたこうしろう/絵 小峰書店

 自分のことを「わがはい」と言い、「~なのだ」と言うかわいいしゃべり方をする吸血鬼の女の子「ノダちゃん」と人間の女の子サキちゃんの、オカルトファンタジックコメディ第3巻です。初版は2017年。

 一応一話完結の形を取っていますが、サキちゃんとノダちゃんの出会いから順番に読んだほうがわかりやすいため、まずは第1巻「ふしぎなコウモリガサ」からお読みください。

 「なのだのノダちゃん ふしぎなコウモリガサ」のレビューはこちら

 今回のお話のテーマは夏休みの自由研究。

 サキちゃんが自由研究のテーマに選んだのは、ミニトマトの栽培。ところが、ノダちゃんがお手伝いしようと秘蔵のトマトジュースを振りかけようとしたら大失敗。ドバッとかかってしまったら、トマトが巨大化してたいへんなことに。

 巨大化したトマトは、空に飛び立ってしまいます。

 トマトを失って、呆然のサキちゃんは、新しい自由研究のテーマを探しに図書館へ。ところが図書館は休館日。ノダちゃんはかわりに、本をたくさん持っている知り合いの家に連れて行ってくれますが、それは、本物の魔女でした……

 ……と、いうのがあらすじ。

 今回も三つのお話に別れていますが、全体的に一つのストーリーになっています。

 ・まほうのミニトマト観察
 ・まほうのスライムつくり
 ・まほうの貝がら工作

 の三篇。

 そして今回は新キャラとして、ノダちゃんのおうちに時々ごはんをつくりに来てくれるという魔女さんが初登場。

 この魔女さん、とても親切でやさしくて上品なのです。挿絵も、よくある魔女帽子をかぶったすがたではなく、ちょっぴり、角野栄子先生(「魔女の宅急便」の作者)似のやさしげなおばさまです。お料理上手の魔女さんっていいなあ。

 結局、魔女さんの家の蔵書はサキちゃんの自由研究の役には立たなかったのですが、楽しい体験をいっぱいして、さいごにはちゃんと自由研究もできあがりました。サキちゃんとノダちゃんの楽しい夏の思い出です。

 次々と不思議な事件がおきるので、「次は何が起きるのかな、何が起きるのかな」とわくわくしながら最後まで読むことができます。

 字が大きく読みやすい物語なので、読み聞かせだけでなく、絵本を卒業したばかりの小学校低学年のお子さまにもおすすめ。厳密に言うと総ルビではありませんが、ほぼほぼ振り仮名が振られているので大丈夫。すべての見開きに、はたこうしろう先生のかわいい挿絵が入っています。

 主人公は女の子のサキちゃんですが、ノダちゃんが中性的で女の子にも男の子にも見える雰囲気なので、男の子でも抵抗なく読めると思います。とにかく、明るくて楽しいのです。

 わたしは、オカルトコメディが大好きなので、よくこのブログでご紹介しています。

 おばけや吸血鬼などが登場するゆかいなファンタジーには、子どもが日常で出会う「こわいこと」におびえない心をくれる「心の予防接種」の効果があります。

 まだ生まれてから数年しかこの世界を知らない、小さな子どもには「知らないこと」がいっぱい、「こわいこと」がいっぱい。未知のことは楽しそうなことでもありますが、繊細な子の中には怖いと思う子もいます。

 感受性が鋭い子にとっては、夕暮れ時、暗闇だけでなく、知らない音や知らない動物、知らない動き、知らない言葉など、怖いことがいっぱいなのです。そういったものの中に「おばけ」もいます。いるのかいないのかわからない、いたとしたら何をするかわからない「おばけ」は、繊細な子にとっては自力では対処しきれない「こわいこと」。

 ところが、おばけの登場する面白くてゆかいなオカルトコメディには、これを解決してくれる力があります。小さなこどもの「こわい」を「面白い」「楽しい」「かっこいい」に変換してくれるのです。

 また、ファンタジーは、子どもの想像力を育てる効果があります。

 よく「ファンタジーは現実逃避だ。ファンタジーなんて読んでいたら現実に立ち向かう力が無くなる」と否定する方がいるのですが、わたしが小さなころに「ドラえもん」や「鉄腕アトム」などで読んだひみつ道具や便利なものたちは、かなり現実になりました。かつてファンタジーストーリーの魔法のように考えられていたものも、今は科学の力で実現しています。

 「こんなふうになったらいいな」と想像する心が科学を発展させてきたのではないか、とわたしは思うのです。

 このサイトでは、わたしの趣味でファンタジーやSF、(こわくない)オカルトをご紹介しています。子どもっぽいと思われる方もいらっしゃるかもしれません。でも、そういうファンタジックで楽しいお話は、心が疲れたときの回復剤にもなります。

 「なのだのノダちゃん」シリーズは、最初から最後まで「楽しい」が詰まった、オカルトコメディです。どんなに失敗しても、しょんぼりタイムは一瞬だけ、すぐに立ち直って新しいことをしようとするサキちゃんとノダちゃんからは、学ぶこともたくさんあります。

 しょんぼりしがちな今日このごろ、ノダちゃんたちの大冒険を読んで、親子で癒されましょう。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素がまったくありません。つきぬけるように明るいオカルトコメディです。まったく怖くないので、HSCのお子さまにおすすめです。

 読後は、魔女さんのティータイムのような、冷たくしたハチミツ入りのハーブティーでひとやすみ。

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