【推しになりたい!!】キラキラ輝きたい!がんばる女の子の自己実現ストーリー第2巻。【なぞのふたご登場で大ピンチ!?】【小学校中学年以上】
ウチ、藤道れいん。エンタメ人育成学園小学部の5年生!オモシロいキャラクターばかり集められた「Cコース」に所属してるんだ。ある日、スペシャルだとウワサの「Sコース」から挑戦状がとどいて……!?
この本のイメージ アイドル養成学校☆☆☆☆☆ 学園友情物語☆☆☆☆☆ 自己実現☆☆☆☆☆
推しになりたい!! 2 なぞのふたご登場で大ピンチ!? 令丈ヒロ子/作 淡海音々葉/絵 ポプラ社
<令丈ヒロ子>
1964年、大阪市に生まれる。嵯峨美術短期大学(現・京都嵯峨芸術大学)卒業。講談社児童文学新人賞に応募した作品で、独特のユーモア感覚を注目され、作家デビュー。おもな作品に「若おかみは小学生!」シリーズ(講談社青い鳥文庫)、「メニメニハート」「パンプキン! 模擬原爆の夏」(以上、講談社)、「ブラック・ダイヤモンド」シリーズ(フォア文庫)、「笑って自由研究」シリーズ(集英社)など。
<淡海音々葉>
おうみねねは。日本の漫画家。まんがタイムきららにて「そらコミュニケーション」を連載。
「若おかみは小学生!」でおなじみ令丈ヒロ子先生がおくる、キュートなアイドル養成学校物語の第2巻です。初版は2023年3月。
お話は完全に1巻から続いているので、ご興味をもたれた方は1巻から順番にお読みになってください。1巻「推しになりたい!! 1 エンタメ人育成学園小学部Cコース」のレビューはこちら↓
今回のお話は……
Cコースの仲間たちと打ち解けて、がぜんやる気になってきたれいんたちのもとに、Sコースから挑戦状が届きました。
Sコースは「スペシャル」のSだとウワサの優秀な生徒たちが集まるコースです。
キャラクターの濃さ、面白さでは負けないCコースの面々ですが、まだまだそれぞれの技術は未熟。なんでもそつなくこなし、かっこいいSコースに勝てるのだろうか?
そのうえ、校長先生はCコースを廃止したがっているというウワサまで耳にして……
……と、いうのが今回のあらすじ。
「推し」とは何でしょうか?「推しになる」とはどういうことでしょうか?
多くの人の「推し」になるというのは、多くの人の中でひときわ輝く魅力的な人になると言うこと。
れいんたちはSコースの生徒たちに比べて、すべてにおいてまだまだ未熟で勝負してもかなわないのではないかと不安を抱えていました。
Sコースの生徒たちは「誰よりも輝く」ために努力を惜しまず、そして輝いている子たちだったからです。
でも、CコースのれいんたちにはSコースにはない美徳がありました。
それは、「誰かを笑顔にしたい」と言う気持ち。他人に幸せを届けたい、見知らぬ誰かに幸せになってほしいという願い、つまり「与える気持ち」です。
「自分が誰よりも輝きたい」と言う欲は、一歩間違うと他人に負けたくない、蹴落としたいと言う「奪う気持ち」になりかねません。
「推し」とは誰よりも輝くスターであると同時に、多くの人に笑顔や幸せを届けるのが役目です。
「誰よりも輝く」事にこだわり続けると、勝負に囚われて一番大切なことを見失ってしまいます。それは「推し」の本質……「一人でも多くの人々に幸せを届けること」という「与える気持ち」を忘れてしまうのです。
れいんちゃんたちは、この試練をどう乗り越え、Sコースにどう立ち向かってゆくのでしょうか。
それは読んでみてのお楽しみ。
文章は読みやすく、れいんちゃんの一人称で書かれており、すべての漢字に振り仮名が振られています。小学校中学年から。小説の読み始め、読書初心者さんにおすすめです。
今回も新キャラ登場。
新しいキャラクターたちは今後どういう活躍をするのかも楽しみです。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はありません。
ポジティブな女の子の自己実現ストーリーです。明るく楽しい学園コメディですが、心の成長あり熱い友情ありで、太いテーマも垣間見えます。
読後はタコ焼きと緑茶でひとやすみ。
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