【歴史探偵アン&リック】もっと歴史が好きになる! 最強バディが挑む豪華絢爛ミステリー第3巻。【源氏絵あわせ、貝あわせ】【小学校中学年以上】

2024年4月11日

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歴史探偵アン&リック 3  源氏絵あわせ、貝あわせ  小森香折/作 染谷みのる/絵  偕成社

わたし、花畑杏珠。相棒は石松陸。ふたりで「アン&リック」。歴史にまつわる秘宝をさがすバディなの。今回はひょんなことから京都に来て、失われた秘宝の話を耳にしたんだけど……

この本のイメージ 歴史ミステリー☆☆☆☆☆ 凸凹バディ☆☆☆☆☆ 宝探し☆☆☆☆☆

歴史探偵アン&リック 3  源氏絵あわせ、貝あわせ  小森香折/作 染谷みのる/絵  偕成社

<小森香折>
東京都に生まれる。「ニコルの塔」でちゅうでん児童文学賞大賞、新美南吉児童文学賞を受賞。作品に「歴史探偵アン&リック」シリーズ、「夢とき師ファナ」「時知らずの庭」「ウパーラは眠る」など、翻訳に「リスベート・ツヴェルガーの聖書物語」などがある。

<染谷みのる>
奈良県に生まれる。イラストレーター、漫画家。書籍の装画や挿絵、雑誌での漫画執筆を中心に活動

 歴史にまつわる謎を解き、失われた秘宝を探す「歴史探偵アン&リック」シリーズ、第3巻は2017年初版です。

 お話は一応一話完結の形をとっており、どの巻から読んでもわかるようになってはいるのですが、アンとリックがはじめて出会いバディを組むきっかけとなった第1巻から読んだほうがわかりやすいでしょう。

 第1巻「里見家の宝をさがせ!」のレビューはこちら

 歴史って、大好きな人と大嫌いな人に分かれますよね。
 嫌いな人の理由はたいてい「年号を覚えるのが面倒だから」。

 暗記修行になってしまうと歴史はあまりにも味気ない。けれど、歴史を多くの人々が登場する「群像物語」だと思うとわくわくしてくるのです。

 このブログでは、「学ぶ」ことが楽しくなる本を定期的にご紹介しています。

 「勉強」と言うとなんだかイメージが暗い言葉です。「強いる」って字が使われているならかもしれません。

 でも、本来、知らないことを知るって楽しいこと。知的好奇心を満たす「学び」はもしかしたら「辛い修行」ではなく「遊び」にできるかもしれないのです。

 かく言うわたしも、学生のころは勉強が嫌いでした。一生懸命がんばっていましたが、「楽しい」なんて感じたことはない。ただ、必死にがんばっていただけでした。

 努力することは大切です。でも、もしもそれが「楽しいこと」だったら「努力する」なんて意識もなく続けられるはず。

 子曰く、「これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。」(論語)

 「『知っている』ということは、勉強を好きな人間には及ばない。勉強を好きな人間は勉強を楽しんでいる人間には及ばない。」と言うこと。

 この「歴史探偵アン&リック」は、そんな年号暗記ばかりで味気なかった「歴史」の勉強がぐっと楽しくなるシリーズです。

 さて、今回のお話は……

 おばあちゃんと京都に遊びに行くはずだったリックですが、おばあちゃんが骨折してしまったことで、急遽一人旅となってしまいます。

 そんなとき、京都の「源氏物語展」で行われる小学生向けの「絵あわせ」イベントの予選を突破したアンは、本選参加のため京都に行くことに。

 付き添いのいないアンはリックと一緒に京都旅をすることに決めました。

 「絵あわせ」大会ではまずまずの成績をおさめたアン。
 けれど、そこで出会った高桐初音ちゃんは可愛くておしゃれだけど、なかなかに「いけず」な女の子。

 なりゆきで二人は高桐家の失われた秘宝を見つけ出すことになってしまいます。

 さて、歴史探偵アン&リックはこの謎を解き明かせるのでしょうか?

 ……と、いうのがあらすじ。

 アンこと花畑杏珠(はなばたけあんじゅ)は、ファッションが大好きなおしゃれな小学6年生。バディのリックこと石松陸(いしまつりく)は頭脳明晰で運動神経も抜群だけど、歴史が好きすぎる歴史オタクです。

 前回まで、ほんの少しだけ距離があったアンとリックの関係ですが、今回はぐぐっと近づきました。というのも、アンと同じようにおしゃれ大好きな初音ちゃんという明確な「敵」が現れたから。

 初音ちゃんは表向きは優等生のかわいい子。賢くておしゃれな有名小学生インスタグラマーですが、実は超「いけず」(いじわる)な女の子でした。

 アンが初音ちゃんに卑怯な手段でいじめられたことでリックは腹を立ててしまいます。
 しかし、それをものともしないというか、まったく気にしていないアンもメンタルが強い。

 共通の敵を持ったことで、アンとリックの結束はより強固なものになりました。

 アンの直感とリックの推理がタッグを組めば天下無敵。
 さて、高桐家の秘宝は無事発見されるのでしょうか……?

 文章は読みやすく、ひらがながわりと多めで難しい漢字には振り仮名がふってあるので小学校中学年から。細かい章に分かれており、アンとリックの一人称で書かれた章が交互に入っているので、歴史に詳しくない子はアンに、歴史が好きな子はリックに感情移入して読めるようになっています。

 歴史を知ることが楽しくなる、「歴史探偵アン&リック」。来年の大河ドラマは源氏物語がテーマのようですし、予習気分で読んでみるのも楽しいですね。

 夏休みの読書にぜひどうぞ!

 ※この本には電子書籍もあります。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。史実とフィクションが融合した、明るく楽しい歴史ミステリーです。物語に登場する史実を自分なりに調べると楽しさも二倍になります。

 読むと京都に行きたくなるかもしれません。
 読後は抹茶パフェでティータイムを。

 

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