【うろおぼえ一家のおかいもの】あれってなんだっけ?どうしてもおぼえていられない「うろおぼえ一家」がお買い物に。ゆかいで楽しい絵本です。【3歳 4歳 5歳】
あひるの「うろおぼえ一家」は、くらしよいまちに住んでいます。お父さん、お母さん、兄さん、妹、弟の五羽家族。でも、肝心なことをちゃんとおぼえていられません。今日は「お」のつくことをするために早起きをしたのでしたが……
この本のイメージ 動物ファンタジー☆☆☆☆☆ 抱腹絶倒☆☆☆☆☆ 知育☆☆☆☆☆
うろおぼえ一家のおかいもの 出口かずみ/作 理論社
<出口かずみ>
1980年佐賀県生まれ。作品に「ABC かるた ちいさいおじいさんのくらし」「TOOMIN VALLEY」「どうぶつせけんばなし」「画集 小八」(以上えほんやるすばんばんするかいしゃ)「おべんとういっしゅうかん」(学研プラス)など、絵の仕事に「ポテトむらのコロッケまつり」(文・竹下文子/教育画劇)「たくはいび――ん」(作・林木林/小峰書店)などがある。
とぼけたあひるたちの、ゆかいな絵本「うろおぼえ一家のおかいもの」です。2021年初版。
何かを記憶するって、なかなか難しいですよね。
わたしは幼いころ、物覚えが悪い子でした。
ところが、母は異常な記憶力の持ち主で、一度見たり聞いたりしたことは一発で覚えてしまえるのです。そんな母のことを父はよく「手帳要らず」と言って褒めていました。
抜群の記憶力と得意料理はサラダとサンドイッチというまるで銀河英雄伝説のフレデリカのような母でしたが、そんな母に育てられましたので、わたしは「メモをとる」という正しい記憶方法を教えられないで育ち、幼少期はさらに四苦八苦してしまいました。
母にはメモなんて必要なかったのです。その日に必要なことは一日の終わりにまとめてメモすればいいという、驚異の記憶力。「その場で帳面に書きつけるなんて、時間の無駄でしょう」と言うのですが、いやいや、そんなこと普通の人にはできないから。
と、言うわけで「書けばいいんじゃないか、書けば」と気がついたのは、小学校中学年くらいでした。
書くってすばらしいですね。と、言うわけで、わたしは最近では手にもメモをすることすらあります。「納豆」とか。歳をとれば、利便性優先のためにそれくらいの恥じらいは捨てられるというものです。
さてさて、本日ご紹介するのは「うろおぼえ一家のおかいもの」。
なにひとつ、きちんと覚えていられない、あひるの一家のおかいものを描いた絵本です。
ある日、あひるのうろおぼえ一家がお買い物に出かけます。
何を買うんだっけ?
四角いもの? 一家は豆腐を買います。あれれ、なんかちがうな?
重いもの? 一家は石を買います。あれれ、これだったっけ。
しまるもの? 一家は段ボール箱をもらいます。
つめたいもの? 一家はアイスクリームを買います。
ひかるもの? 一家はちょうちんをゆずってもらいました。
さてさて、おるすばんしているお母さんのもとに帰ってきた一家。これでよかったのかな?
……と、言うのがあらすじ。
もう、どうしようもなくいい加減なのですが、一家は誰一人として誰も責めようとはせず、おおらかに受け流してしまいます。
四角くて重くて閉まって、つめたくて光るもの……もうすこしで正解にたどり着きそうなのに!
様々な形容詞に対して、それぞれに当てはまるものを考える連想ゲームのような面白さと、うろおぼえ一家たちの珍道中を楽しむ知育とストーリーが一体化した絵本です。
字はほとんどがひらがなとカタカナ。漢字はすこしだけですがすべて振り仮名が振ってあります。五十音が読めればコツコツ一人で読みきれるでしょう。もちろん、読み聞かせにも。
おやすみ前に読み聞かせをしたら爆笑まちがいなし!
男の子でも女の子でも楽しめる、ゆかいな絵本です。
肩の力を抜いて爆笑したいときにぜびどうぞ!
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はまったくありません。ゆかいな絵本です。楽しくて圧迫する要素がないので、HSCにもおすすめです。知育要素もあり、楽しみながら連想ゲームのように様々なものの名前を覚えることができます。
読後はアイスクリームが食べたくなるかも?
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