【新魔女図鑑】不思議な世界に迷い込んだら魔女の弟子になっちゃった!【小学校中学年以上】

2024年4月13日

広告

新魔女図鑑  角野栄子/著 下田智美/絵 ブロンズ新社

ツヤちゃんのおばさんのエイコさんが黒猫を追いかけて図書館に行ったら、不思議な本にめぐり合いました。本は別の世界に通じていて、そこにはなんと魔女がいたのです……

新魔女図鑑  角野栄子/著 下田智美/絵 ブロンズ新社

<角野栄子>
日本の童話作家、絵本作家、ノンフィクション作家、エッセイスト。日本福祉大学客員教授。代表作は「魔女の宅急便」。

<下田智美>
1969年和歌山県生まれ。動植物の専門学校を卒業後、自然を中心にしたイラストで活躍中。絵本に「木の実とともだち」「イチゴはともだち」「海辺のともだち」(いずれも偕成社)がある

 ハロウィンシーズンなので、魔女や魔法関係の本を重点的にご紹介しています。
 本日ご紹介するのは「魔女の宅急便」でおなじみの角野栄子先生の「新魔女図鑑」。初版は2000年です。

 エイコおばさんがある日、図書館の不思議な本から異世界に入り込み、そこで出会った魔女のゾゾさんから魔女について詳しく伝授されると言うストーリーと、詳細な絵で表現された図鑑ふうの魔女にまつわるあれこれが融合した楽しい絵物語。

 魔女の歴史や魔女の持ち物、役目の説明、魔女が使うハーブのあれこれ、ハーブを使ったお料理のレシピなども登場して盛りだくさん。

 そのうえ、全見開きに下田智美先生のフルカラーの挿絵が入っています。

 アニメーションでなじみのあるカラフルでかわいい魔女ではなく、ちょっと怖げな雰囲気の魔女のゾゾさん。
 けれども、大自然の声を聞き、自然と共存し、身近な人々の幸せをねがい、力を尽くすのでした。

 魔女は「大切な人を守りたい」と言う気持ちが生まれたもの。その強い愛情と、森の木や草花や動物たちの声を聞いて彼らから学んだ知識で魔女は人々を守ってきたのでした。

 それは「母性」と言われる女性の古い力なのかもしれません。
 自分のなかの優しい気持ちが魔法を作るんだ……と、ツヤちゃんは気づくのでした。

 女の子って、一度は魔女や魔法にあこがれるものです。
 わたしの幼い頃にはもうすでに子供向けアニメに「魔法少女もの」と言うジャンルがありましたから、女の子にとっては「魔女」は「お姫様」や「アイドル」と同じくらいに定番の「夢」でした。

 けれども、昔ながらの魔女の伝説や物語、ファンタジーに登場する魔女と出会うと、魔女とはもっと大自然に根ざした地味で暖かな存在だと知ります。
 角野先生が「魔女の宅急便」で描く魔女も、舞台が現代でありながら風や雨の声を聞き、時間をかけて植物を育てる昔ながらの魔女でした。

 大切な人の幸せを願う心、森や草花、動物たちを愛する心、季節のうつろいや身近な美しさを感じる感受性……そうしたものを大切に育ててゆけば、どんな人も魔女になれるはず。

 「新魔女図鑑」は、現実世界と「もうひとつの」世界との狭間にいる魔女から、現代社会で生きてゆくうえで大切なことを教えてもらう本です。

 特別な修行をしなくても、異世界に行かなくても、身近な小さなことを大切にすれば魔女になれる……

 夢と現実が融合した、黄金色のたそがれ時のような本です。
 魔女が大好き、ファンタジー大好きなお子さまに。

 文章は平易で読みやすく、総ルビではありませんが難し目の漢字には振り仮名が振ってあるので小学校中学年から。賢い子なら低学年でも大丈夫。読み聞かせも楽しそうです。

 手作り箒の作り方や、魔女のハーブレシピなどハンドメイドやお料理、お菓子作りのレシピも詳細なフルカラーの挿絵付きで紹介されています。
 「ぞっとしてはっとクッキー」や「スパイスボール」などは親子で作ってみたくなること間違いなし!

 物語と図鑑の「狭間」からやってきた「新魔女図鑑」。
 この季節にぴったりの絵物語です。

 プレゼントに、読み聞かせに。ハロウィンシーズンにぜひどうぞ!

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はまったくありません。魔女に関係する図鑑や解説書で、子ども向けを探しているならこれがおすすめ。魔女の歴史なども詳細に書かれており、かなり本格的です。

 「エイコさん」がこの本に登場する魔女ゾゾさんに出会ったことで、「魔女が主人公の小説」を書いた設定になっています。

 

商品紹介ページはこちら

 

 

お気に入り登録をしてくださればうれしいです。また遊びに来てくださいね。
応援してくださると励みになります。

にほんブログ村 本ブログへ

広告