【心に風が吹き、かかとに炎が燃えている】クリスマスプレゼントに!ターシャ・テューダーがセレクトし、挿絵を描いた美しい詩集。【ターシャ・テューダーと家族が愛する詩】【小学校高学年以上】
ターシャ・テューダーはアメリカの絵本作家であり、人形作家であり、ガーデナーです。彼女の独自のライフスタイルは今尚多くの人々に愛されています。これは、ターシャが家族と朗読を楽しんでいた詩を選び、挿絵をつけた詩集です。(心に風が吹き、かかとに炎が燃えている ターシャ・テューダーと家族が愛する詩 ターシャ・テューダー/編・絵 内藤里永子/訳 メディアファクトリー)
この本のイメージ 詩集☆☆☆☆☆ ターシャ・テューダー☆☆☆☆☆ 家族愛☆☆☆☆☆
心に風が吹き、かかとに炎が燃えている ターシャ・テューダーと家族が愛する詩 ターシャ・テューダー/編・絵 内藤里永子/訳 メディアファクトリー
<ターシャ・テューダー>
(Tasha Tudor / 1915-2008)
1915 年米国ボストン生まれ。23 歳で絵本作家としてデビューして以来、一貫して自然と古き良き時代を描きつづけ、100 冊を越える絵本が出版されている。1946 年に発表した「1 is One」でコールデコット賞を受賞。アメリカでターシャ・テューダーといえば知らない人はいないくらい大きな存在で、彼女の絵は「アメリカ人の心を表現する」絵と言われている。57 歳のとき、思う存分庭造りをするため、バーモント州に移り住み、自給自足の一人暮らしを始める。ターシャが育んだ美しい庭は、究極のナチュラルガーデンとして世界中のガーデナーの憧れとなる。日本でも「ターシャの庭」「ターシャ・テューダーの言葉」三部作(メディアファクトリー)など、そのライフスタイルは数多くの本で紹介され、ターシャの暮らしを1 年にわたって追ったNHK のドキュメンタリーが放映されるなど、広大な庭で季節の花々を育てるターシャのスローライフは大きな注目を集めた。
<内藤里永子>
翻訳者。詩人。60代半ばまで大学で教える。著書に「絵本作家ターシャ・テューダー」「イギリス童謡の星座」、訳書に「ジョージア・オキーフふたつの家」「わたしは名前がない あなたはだれ? エミリー・ディキンスン詩集」「キャラコブックス」「恋をするターシャ」「ターシャ・テューダーのマザーグース」他、ターシャ・テューダーの翻訳書多数。詩集に「一夜だけの詩遊び」(谷川俊太郎との共著)がある。
本日ご紹介するのはアメリカの絵本作家、ターシャ・テューダーの編んだ詩集「心に風が吹き、かかとに炎が燃えている」です。
原題はWINGS from the WIND.アメリカでの初版は1964年。日本での初版は2001年です。
このブログでは定期的にアメリカの絵本作家、ターシャ・テューダーの絵本とライフスタイルをご紹介しています。
ターシャ・テューダーはアメリカの絵本作家、人形作家、ガーデナーです。
彼女は、56歳のときにバーモント州の山の中に東京ドームくらいの広大な土地を購入し、そこに19世紀ふうの家を建て、庭を作り、ヤギやコーギー犬を飼い、自給自足の生活をしながら作家活動をし、92歳まで生きました。
はじめてターシャを知ったとき、彼女の生き方を知り、「こんな生き方もあるのか」と衝撃を受けたことを思い出します。
ターシャ・テューダーは自身のことを「ただの主婦」だと言っていたそうです。
優れたクリエイターでありガーデナーでもあった彼女ですが、彼女の創作活動は彼女の「日常」であり、ごくふつうの日々の暮らしそのものであったことと、そしてナチュラリストのような生活をしていながらいっさいの思想活動もしていなかったことなどに強い信念を感じました。
「やりたいことを我慢しない」「好きなことを好きなようにする」……そのような生き方を貫きながら、他人にはそれを押し付けず、世捨て人にもならず、創作を通じて多くの人々との交流もし続ける、その優れたバランス感覚。それはターシャの生き方の最大の魅力です。
ターシャはひとりを楽しむ天才でしたが、完全に孤立したり他人を拒絶したりもしていませんでした。
電気を使わない19世紀ふうのキッチンや暖炉、ろうそくの照明で生活をする、自分のライフスタイルに非常な頑固なターシャでしたが、客間には電気を通していたり、腐りやすいものの保存には冷凍庫を使用したりと現代人としての柔軟性も忘れない。
その生活の中で彼女は次々と心あたたまる絵本を生み出し続けました。
わたしは根性無しなので、ターシャの生き方をすっかりそのまま真似することはできませんが、ターシャの人生からエッセンスを学び取ることは大きな財産になりました。
「好きなことをひとりで楽しんでいい」と言うのは、とかく集団でいることを求められる日本人にとって、心安らげる考え方ではないでしょうか。
園芸や創作、読書は自分との会話です。でも、自分と語り合う静かでゆったりとした時間は人生を豊かにしてくれます。
この絵本は、ターシャと家族たちが愛した詩をターシャ自身が編んだ詩集です。
ターシャの家では、冬なら暖炉の傍で夏ならろうそくの光のもとで、家族全員で詩を朗読して楽しむ習慣があったそうです。きっと、ひとりの時でも詩を楽しむ時間を大切にしていたことでしょう。
ターシャの選んだ詩は独特なものばかりで、子どもたちと一緒に読むと言うのにびっくりするほど教訓的な詩が少ないのです。
むしろ、大自然の美しさを称える詩や、感受性が自由に羽ばたくような、心が遠くまで旅をするような詩が多く、のびのびとした感性を愛していたターシャらしさがあります。
それはターシャの作った庭にも似ています。
バラやスイセン、チューリップなど美しい花々があふれる庭でありながら、どの花もまるで野生の花のように縦横無尽に茎や葉を伸ばし自由闊達に咲き誇る、楽園のような空間。
バラやクレマチスの枝や蔓がどこへ伸びようとするのか制限も操作もしようとしない、ありのままの美を愛する庭を思い起こさせる詩集です。
文章は読みやすいのですが、振り仮名がふってないので、だいたい小学校高学年から。読み聞かせならば中学年から。すべてのページにターシャのモノクロのイラストが入っています。大人にもおすすめの絵本です。
ターシャを愛する方に、詩がお好きな方に、大切な方へのプレゼントに。
または、感受性の豊かなお子さまへのクリスマスプレゼントとして。
寒い冬にぴったりの絵本です。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はまったくありません。ターシャ・テューダーを愛する方のコレクションアイテムとして、ゆっくりとしたひとりの時間を大切にする方におすすめの詩集です。
読後は温かいお茶でひとやすみを。
商品ページはこちら←
最近のコメント