【どんくまさんのクリスマス】50年以上愛されるロングセラー絵本。心優しいくまさんのクリスマス。【絵本】【4歳 5歳 6歳】
山からのっそり下りてきたどんくまさんの耳がぴくりと動きました。幼稚園のこうさぎたちがいい声で歌っています。もうすぐクリスマスなのです。どんくまさんも一緒に歌いだしたくなっちゃって……(どんくまさんのクリスマス 柿本幸造/絵 蔵富千鶴子/文 至光社)
この本のイメージ 動物ファンタジー☆☆☆☆☆ 気のいいくま☆☆☆☆☆ クリスマス☆☆☆☆☆
どんくまさんのクリスマス 柿本幸造/絵 蔵富千鶴子/文 至光社
<柿本幸造>
1915年広島県生まれ。「どんくまさんシリーズ」(至光社刊)、「おかえりくまくん」(佼成出版社刊)、「ごろりんごろんごろろろろ」(ひさかたチャイルド刊)などの作品がある。小学館絵画賞受賞。
<蔵富千鶴子>
1939年東京生まれ。子ども時代を山口県の海辺の町で過ごす。 1965年より至光社編集部にて月刊保育絵本「こどものせかい」の編集制作と絵本創作に携わる。どんくまさんシリーズ26冊のほか、「のらいぬ」(谷内こうた・絵)「ゆうやけいろの くま」(つるみゆき・絵)、「ちいさい イエスの おたんじょうび」(矢野滋子・絵 サンパウロ)などの絵本作品がある。
あと一ヶ月でクリスマス。
クリスマスを待つこの季節は、クリスマスをテーマにした絵本をご紹介しています。クリスマスをテーマにした本って、クリスマスプレゼントにもらうのもいいけれど、その前に親子で読んで当日をわくわくしながらすごすのもいいですよね。
本日ご紹介するのは、50年以上愛されるロングセラー、「どんくまさん」のシリーズの一冊、「どんくまさんのクリスマス」です。初版は1974年。
お話は……
もう冬です。山からのそのそ下りてきたどんくまさんの耳に聞こえてきたのは、こうさぎのようちえんの合唱でした。もうすぐクリスマスなので練習していたのです。
いい気持ちになって歌声にあわせて大声で歌っちゃったどんくまさん。
大きな唸り声に、ようちえんのこうさぎたちはびっくり。
それがきっかけでどんくまさんもクリスマスの催しに誘われます。
けれど、どじなどんくまさんは失敗ばかり。
飾りに使うもみの木を森に取りに行き、全部の家の前にもみの木を植え替えたどんくまさん。
疲れきってぐうぐう眠ってしまいました。そして……
……と、いうのがあらすじ。
実家は「仏教なのでクリスマスはありせん」と言う頑固な家だったので(昔はわりとありました)、クリスマスのことを良く知らないわたしでしたが、よくよく思い出してみたら、幼稚園はキリスト教の幼稚園でした。
そういえば、「救い主の誕生」の劇を幼稚園でしたような。わたしはお星様の役だったような。お星様はその他大勢ではあったのですが、ナレーターでもあったのでけっこう台詞が多かったような……
と、すっかり忘れていた記憶が蘇ってきました。
キリスト教の幼稚園では、やっぱりクリスマスに劇をするんですね。
この絵本では、どんくまさんはこうさぎたちの幼稚園の劇に参加することになります。
「いやいや、クリスマスでしょう、くまなんだから冬眠しなくちゃ」って思う方もきっといらっしゃいますよね?
その疑問はラストでちゃんと回収されます。とってもかわいい形で。
失敗ばかりだけど心優しいどんくまさんと、どんくまさんを受け入れて一緒にクリスマスを楽しむこうさぎたちとの交流に心があったかくなる物語です。
動物ファンタジーって、肉食獣と草食獣が仲良くしていたり、猛禽が小鳥と友達だったりして、現実の生物の世界に反している設定が多く、それを「科学的ではない」と嫌うお子さまが一定数います。
現実の世界では熊が山から下りてきたらこんなほほえましいことにはならないのですが、動物ファンタジーは様々な人間の比喩として動物が使われるので、そのようにご理解いただければと思います。
熊ものの動物ファンタジーって、絵本や児童文学では昔から愛される題材で、わたしも大好きなのですが、だからといって現実世界の熊の危険がなくなるわけではありません。そこらへんが難しいところです。
動物ファンタジー好きの自分としては、そこにはいつも戸惑いや葛藤があります。熊って本当に危険ですから。
お子さまの年齢が少し大きくなって、家から出てお散歩できるような歳になったら、現実の熊のことも教えてあげたほうがいいのかもしれません。熊の見た目は本当に可愛いのだけども。
文章は読みやすく、すべてがひらがなとカタカナ。見開きに最大でも十行前後なので五十音が読めればひとりでコツコツ読みきることができます。もちろん、読み聞かせにも。
クリスマスを待つ、今の季節にぴったりの絵本です。
ふわもこの部屋着をきて、お気に入りの飲み物を用意して、リラックスタイムにぜひどうぞ!
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はまったくありません。お子さまがクリスマスで劇をするような幼稚園に通っているのなら、身近に感じられるかも?
どんくまさんとこうさぎたちの交流に心がほっこりする絵本です。
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