【ハリー・ポッター】今さら読めない?世界的ベストセラー。「ハリー・ポッター」を読むならこの季節がおすすめ【ハリー・ポッターと賢者の石】【小学校中学年以上】

伯父さんの家で育てられているハリーは、両親の顔を見たこともありません。孤独なハリーですが、時々不思議なことがおきるのです。ある日、奇妙な郵便がやってきて、青ざめた伯父さんは破り捨ててしまいます。けれど、郵便のほうが追いかけてきて……
この本のイメージ 冒険の幕開け☆☆☆☆☆ 出生の秘密☆☆☆☆☆ 友情☆☆☆☆☆
ハリー・ポッターと賢者の石 J.K.ローリング/作 松岡佑子/訳 静山社
<J.K.ローリング>
イギリスの小説家兼脚本家。1965年生まれ。エクスター大学にてフランス語と古典を専攻。処女作「ハリー・ポッターと賢者の石」でスマーティーズ賞他を受賞する。
誰もが知っているベストセラー、ハリー・ポッターシリーズのご紹介です。
あまりにも有名な小説ですが、そろそろハリー・ポッターを知らない子たちも多くなってきたと思い、あらためてご紹介することにいたしました。
この小説は、ハリーが11歳の時点からスタートし、1年に1冊ペースで刊行され、1冊のなかで彼の1年間の生活を描いてゆく構成でした。
イギリスの学校は9月始まりで第1巻は学校入学前の夏休みから始まるので、このブログを開始したときから「8月になったらハリー・ポッターを紹介しよう」と心に決めていたのです。
改めて読み直しましたが、非常に考え抜かれた緻密なファンタジーで、執筆前の準備も相当に力を入れていたと思います。魔法世界という架空の世界をまるまる考え、たくさんの呪文を設定し、登場人物たちの長い歴史も細かく設定されています。
わたしは一度読みきっていたので、今、最初から読み返してみて、細かい伏線の多さに驚きました。
最初読んだときは「フーン」と読み流していた箇所が、今読むと涙が出てしまったりして(おそらくディープなファンの方は、何度もこの経験をされていると思いますが)最終巻まで読みきった後には、第1巻を読み直すのをおすすめします。
さて。
何も知らない人のために、最初から説明しましょう。
孤独な男の子
ハリー・ポッターには両親がいません。交通事故で死んだと聞かされています。
そして、ハリーにだけ異常にいじわるな伯父さん伯母さん夫婦、わがままでいじめっ子の従兄弟のダーズリー一家と一緒に暮らしています。のっけから虐待されていて、まるでシンデレラのようです。
周囲には不思議なことがよくおきるので、気味悪がられて学校でも友達はいません。
さみしい日々をおくっていたハリーでしたが、ある日、ハリーに不思議な郵便が届きます。
伯父さんは勝手に見て、青ざめて破り捨ててしまいますが、次から次へと同じ郵便が届き、どんなに破り捨てても郵便のほうから追いかけてきます。これが、ハリーの冒険の始まりでした。
魔法使いの学校に入学
手紙は、ハリーを魔法使いの学校に入学させるお誘いでした。ハリーの両親は魔法使いだったのです。
戸惑うハリーでしたが、新しく出会った親切な人たちに支えられて、ハリーは寄宿舎制の「ホグワーツ魔法魔術学校」に入学します。
一緒にはしゃぐ友達がいて、夢中になれる部活があってと、ハリーは思ってもみなかった楽しい学校生活を過ごすことになります。
ハリーの出生の秘密と、しのびよる危険
不思議な学校生活にも慣れたころ、ハリーは自分の両親の秘密にふれることになります。
そして、両親の死と、自分の額の傷にかかわる邪悪な魔法使いについても、知るようになります。
そして、「彼」は、完全には死んでいなかったのです。
「彼」は復活しようとしている……
その企みに、ハリーは知らず知らずのうちに巻き込まれてゆくのです。
ハリーの勇気と友情の力
ホグワーツでハリーが体験する最初の危機は、ハリー自身の勇気と、友達たちの力で撃退します。一緒に冒険したロンとハーマイオニーとは、強い友情で結ばれます。
怖い思いはしたけれど、ハリーは成長し、よりいっそうホグワーツが好きになります。
そして、「新学期にまた会おうね」と約束して、夏休みをすごしに、伯父さんの家に帰ります。
これが1巻のあらすじ。
この巻では、ハリーの生い立ちや世界の設定の説明だけでなく、主要キャラクターの顔見せ的な部分もあります。
魔法使いの学校というだけで、わくわくする設定ですが、登場人物たちも最高。
まず、言うまでもなく、親友のロン・ウィーズリー。孤独で悩みがちなハリーの支えになってくれる、明るい友達です。
ロンのママは愛情深く、ハリーのぶんまで手編みのセーターを編んでくれたりして、ハリーに家庭のあたたかさを分けてくれる、肝っ玉母さんです。シリーズ後半では、魔女としても大活躍します。
そして、もう1人の親友、ハーマイオニー・グレンジャー。ふつうの人間を両親に持つ彼女は、学年でいちばんの努力家で優等生。ハリーやロンが突っ走りすぎないようブレーキ役になってくれたり、頭を使う仕事を引き受けてくれたり、宿題を手伝ってくれたり、頼りになります。それに、かわいい。
ハリーの学友たちや先輩たちもちいさな脇役までいい味を出しています。
ロンのお兄ちゃんたちは、この巻では顔出し程度ですが、パーシーもフレッドもジョージも強烈な個性を出しています。
先生方も魅力的で、ダンブルドア校長は偉大な魔法使いだと言うのに、かなりチャーミングなおじいちゃんです。いつもはクールなのに部活のことでは熱くなるマクゴナガル先生や、危険動物に目がないハグリッド、ツンデレの権化のようなスネイプ先生などなど、「こんな先生たちとこんな学校で過ごしてみたい」と思える人たちばかり。
じつは、物語はこの先、4巻あたりから深刻な雰囲気になってゆくのですが、1巻、2巻は明るく楽しく、わくわくするような学園物語なので、この巻は終始楽しく読みすすめることができます。
この季節は、「ハリー・ポッター」を読み始めるのにぴったり。
分厚い本ですが、読み終わるとハリーたちとともに一年間過ごした気持ちになれる、不思議な物語です。
世界中の子どもたちが夢中になった、魔法少年の物語を、まだの方はぜひ体験してみてくださいね。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
暴力シーンや流血シーンもるのですが、残酷になり過ぎないようにうまく描かれており、精神的にダメージを受けるような描写は少ないです。シリーズ後半は、重苦しい展開なのですが、この巻は、おそらく安心してお読みいただけると思います。
お菓子やお料理、お茶など、食べるシーンが多く、どれも最高においしそう。
読んだら絶対におなかがすくので、濃い目の紅茶と、パウンドケーキやビスケットなどをご用意くださいね。
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