【わかったさん】ホットケーキをつくろう！ お話を読んだらお菓子作りも楽しめる、なつかしのクッキングファンタジー【小学校低学年以上】
わかったさんはクリーニング屋さんの娘です。あるとき、どんなしみでも落ちて、どんな汚れもつかない洗剤がほしくなりますが、ヤッタさんの研究所で留守番しているうちに不思議な電話がかかってきて……
この本のイメージ スーパー洗剤☆☆☆☆☆ ホットケーキ☆☆☆☆☆ 不条理ファンタジー☆☆☆☆☆
わかったさんのホットケーキ 寺村輝夫/作 永井郁子/絵 あかね書房
＜寺村 輝夫＞
1928年東京生まれ。早稲田大学卒業。『ぼくは王さま』で第15回毎日出版文化賞受賞。1984年「独特のナンセンステールズで、子どもの文学の世界を広げた」功績により第17回巌谷小波文芸賞を受賞。2006年没。
ホットケーキって、なんだかむしょうに食べたくなる時がありますよね？
日曜の朝とか。
いまは、「パンケーキ」と言う名前で、たいそうハイカラな盛り付けで専門店やカフェのメニューに登場しますが、休日の朝ごはんにホットケーキを焼くと、いまでもちょっぴり気分があがります。
おはなしと、お料理の両方を楽しめる、レシピつきクッキングファンタジー「わかったさん」のシリーズ。
今回はホットケーキです。
わかったさんは、クリーニング屋さんの娘です。いつも専用バンで洗濯まえの衣類を回収したり、綺麗になった衣類をおとどけしたりしています。どんなに不思議なことがおきても「わかった、わかった」と了解するので、「わかったさん」と呼ばれています。
今日は、レストラン「ライオン」のコックさんの仕事着を届けます。でも、カレーのしみが取れません。びくびくしていたら、コックさんは許してくれました。
次は、おむかいのそばやさん。汗かきのおそばやさんは、どんなに汚しても汚れないように洗濯できないかなと言われます。
そんなの無理ですよ、と言いつつ、そんな洗剤があればいいなと思うわかったさん。
そして、お次はヤッタ研究所。
ヤッタさんというマッドサイエンティストの仕事場です。
到着すると同時に、わかったさんに留守番を頼んで飛び出してゆくヤッタさん。そして、そこへ電話がかかってきて……
わかったさんが電話に出ると、電話のあいてもわかったさんだったのです！
びっくり仰天のわかったさん。さて、ここからはいつもの、白昼夢のような不思議なわかったさんワールドへジャンプです。
次々と不思議な出来事がおきるなか、ヤッタさんから不思議なホットケーキミックスのタネをもらいます。これは粉末ではなくて液体のホットケーキミックス。それを、銀行で焼くわかったさん……
と、言うのがあらすじ。(わかんないですよ！)
わかったさんの物語は、途中で起きたまま、不条理な夢の世界に入ってゆくので、つじつまのあわなさにびっくりします。
でも、このわけのわからなさが、わかったさんシリーズの魅力です。
そして、お菓子の作り方はミュージカル。
レシピを歌ってくれるのが、わかったさんワールドです。
今回も、おいしいホットケーキの作り方を楽しく歌ってくれます。
この本の初版は1989年。当時は存在しなかった「液体ホットケーキミックス」も、いまならコストコ等で売っています。科学は進歩したんですねえ。
あんまりお出かけできない生活が続いていますが、そんなときは、おうちでハンドクラフトをしたり、お料理したり、お菓子をつくったりして過ごしましょう。
ホットケーキは、トッピングしだいで、お菓子にも食事にもなって便利です。それに、たくさん作って冷凍しておくこともできますしね！
小さめのホットケーキを作って冷凍して置けば、あとで野菜や卵をはさんだり、クリームやフルーツを添えたりして食べることが出来ます。天気の悪い日もホットケーキがあると、気分があがるので、おすすめです。
この本の巻末にも、自家製ホットケーキミックスでのホットケーキのつくりかただけでなく、様々なホットケーキのバリエーションレシピが掲載されており、一粒で二度おいしい(古いよ)構成になっています。
お天気の悪い日は、おうちで歌いながらホットケーキをやいてみましょう。
うきうきしてくることまちがいなしです。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はありません。不思議でゆかいなクッキングファンタジーです。次から次へととんでもないことがおきて、どんどんお話がすすむ、不条理ファンタジーなので、読み聞かせにおすすめです。
読後は、親子でホットケーキを作りましょう。一緒に作ると、失敗も思い出になります。
https://www.mmanorhouse.com/2020/01/14/post-1229/
