【雪の女王】アンデルセンの童話をエロール・ル・カインの絵で。大人も楽しめる絵本【小学校低学年以上】

2024年3月19日

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雪の女王 ナオミ・ルイス/文 エロール・ル・カイン/絵 うつみよしこ/訳 ハンス・C・アンデルセン/原作 ほるぷ出版

ある日、少年カイは雪の女王に連れ去られてしまいました。幼馴染のゲルダは行方不明のカイを探して、さすらいの旅に出ます。はたして、カイは見つけ出せるのでしょうか……

この本のイメージ 幻想的☆☆☆☆☆ エキゾチック☆☆☆☆☆ 迫力の美☆☆☆☆☆

雪の女王 ナオミ・ルイス/文 エロール・ル・カイン/絵 うつみよしこ/訳 ハンス・C・アンデルセン/原作 ほるぷ出版

<ナオミ・ルイス>
Naomi Lewis(1911年9月3日~ 2009年7月5日)は、英国の詩人、エッセイスト、文芸評論家、アンソロジスト、子供向けの物語のリテラー。彼女は、デンマークの子供たちの作家、ハンス・クリスチャン・アンデルセンの翻訳、およびレビューとエッセイで特に有名です。エリナー・ファージョン賞受賞。

<エロール・ル・カイン>
エロール・ル・カイン(Errol Le Cain、1941年3月5日~1989年1月3日)は、シンガポール生まれの絵本作家、イラストレーター、アニメーター。「キューピッドとプシケー」や「キャベツ姫」、「魔術師キャッツ」や「おどる12人のおひめさま」など多くの絵本を発表した。

<うつみよしこ>
内海宣子。日本の翻訳家。ピノキオクラブ主宰。

雪の女王 ナオミ・ルイス/文 エロール・ル・カイン/絵 うつみよしこ/訳 ハンス・C・アンデルセン/原作 ほるぷ出版

  

  <いつものスケトーク。うざい場合はスクロールしてくださいね>

 フィギュアスケートイタリア大会、みなさまお疲れ様でございました……。
 鍵山優真選手、優勝おめでとうございます。ショート7位からのごぼう抜きは、すばらしすぎる。すでに堂々たる貫禄もあります。友野一希選手ののびのびとした演技も素敵でした。まだまだのびしろがいっぱいあるのがうれしい。

 三原選手、連戦できるような体力が戻って来たと言うのが、うれしいです。4位入賞おめでとうございます!
 宮原選手は、はじめて見たときはあどけない雰囲気の選手だったのに、すっかり、しっとりとした大人の雰囲気の選手になりました。宮原選手も一時期たいへんな故障をし、長く滑れないのではないかと危ぶまれていたので、こうして滑っている姿を見れてしあわせです。本当に元気をもらっています。

 フィギュアスケートファンの「孫」、ボーヤン・ジン選手完全復活かも、とうれしかったのですが、まだまだ病み上がりだったのですね。はやく良くなりますように。ボーヤン選手を見ているとスポーツって純粋でいいなといつも思います。

 そして、ロシア女子……。トップを獲ったとしてもそこに長くはいられない、おそろしい場所。世界選手権やオリンピックの枠が最大三人でほんとうによかった……。人数無制限なら、ロシア選手だらけになってしまう。

 わたしが子供の頃、バレーボール漫画「アタックNo.1」が大人気でした。よくわからない必殺技を繰り出してくるソビエト連邦(当時、ロシアはソビエト連邦でした)の選手たちに、主人公の鮎原こずえたちが、根性で立ち向かうのですが、最近のフィギュアスケートは、まさにそんな感じです。スポ根漫画の世界が、現実に展開している……! 怖い、こわすぎる……!

 現実と幻想が交錯する、不思議なスポーツの時代になりました。

 ……と、前置きは長いのですが(長すぎるよ!)、これからは本日の本のおはなし。

 本日ご紹介するのは、幻想的な画風で知られるエロール・ル・カインの「雪の女王」。原題はThe Snow Queen. 原書初版は1979年。日本語版初版は1981年です。

 エロール・ル・カインは、漫画家のさくらももこ先生が大ファンだったことで知られています。
 ル・カインの絵は、独特の美で、かなり癖があるので、お子様だと好き嫌いが別れると思います。

 とくに、この「雪の女王」は、ゲルダや山賊の娘などがかなりエキゾチックに描かれており、小さなお子様だと「こわい」と感じてしまうかもしれません。わたし自身としては「雪の女王」は彼の中でいちばん好きな絵とまでは行かない、ほかの作品のほうが好きなものがあるのですが、しかし、やはり、唯一無二の美があります。

 この、恐ろしくも美しい雪の女王のインパクト。

 「雪の女王」のストーリーに関しては、アンデルセンの「雪の女王」で書いておりますので、リンクしておきますね。
 アンデルセンの「雪の女王」のレビューはこちら

 この絵本は、ナオミ・ルイスの再話ですが、魔法の鏡の成り立ちなどは省略されています。ただ、カイが自分の小さなそりを雪の女王のそりにむすびつけてしまったために連れ去られた場面は、原作通り。
 この、「小さな子どもが自分の小型のそりを大人のそりにこっそり結びつけて遊んでいるうちに連れ去られてしまう」と言うエピソードは、寒い国の昔話には、わりと見られるので、よくある事故だったのだと思います。子ども心にはゆかいなのだと思いますが、やはり、危ないですね。

 カイはうっかり自分から雪の女王に近づいてしまい、結果的に連れ去られてしまいます。
 このシーンの雪の女王が、とにかく美しい

 エロール・ル・カインは、シンガポールの画家で、幼いころインドで暮らしていた時代もあるので、画風が西洋と東洋が入り混じった、エキゾチックな魅力があり、後半で登場する山賊の娘たちは、ちょっとインド風の雰囲気があります。こういう多国籍なテイストがほかの画家にはない、独自の魅力をかもしだしているのです。

 細密な筆致で、隅々まで描かれており、子どもから大人まで、長く楽しめる絵本です。

 最近は、ディズニー映画「アナと雪の女王」の大ヒットで、「雪の女王」と言う言葉自体は有名になりました。が、もし、まだ原作に触れたことがないなら、おすすめします。
 悲劇好きなアンデルセンのお話の中で、「雪の女王」はかなりドラマチックなハッピーエンドで、しかも登場人物に悪い人がいないと言う、アンデルセンらしからぬ(失礼)作品なのです。

 「マッチ売りの少女」や「人魚姫」でショックを受けたお子様にはぜひ、「雪の女王」を。心が癒されます。クリスマスにぴったりの、幻想的で美しい、そして無償の愛に満ちたファンタジーです。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 小さなお子様には少し怖く感じられるかもしれません。幻想的で美しい絵本です。大人も楽しめます。独特の雰囲気なので、読む人を選びますが、惹かれる人もいると思います。そういう絵本です。

 寒い日に、あたたかいお部屋で、スパイスの効いた熱々のココアとともに読みたい、ちょっぴり大人っぽい絵本です。

 

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