【14ひきのおつきみ】もうすぐ中秋の名月。まんまるおつきさまをながめて秋を感じよう。やまねずみ大家族のロングセラー絵本【14ひきシリーズ】【3歳 4歳 5歳】

2024年3月18日

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14ひきのおつきみ いわむらかずお/作 童心社 

おとうさん、おかあさん、おじいさん、おばあさん、そして10匹のきょうだいたち。ぜんぶで14匹家族のやまねずみ大家族の、ほのぼの日常物語。秋といえばお月見です。家族みんなでおだんごを作って、お月見しよう。

この本のイメージ ほのぼの☆☆☆☆☆ かわいい☆☆☆☆☆ お月見☆☆☆☆☆

14ひきのおつきみ いわむらかずお/作 童心社 

<いわむら かずお>
日本の絵本作家。「14ひきのシリーズ」(童心社)や「こりすのシリーズ」(至光社)は国内だけでなく、フランス、ドイツ、台湾などでもロングセラーとなり、世界の子どもたちに親しまれている。
「14ひきのあさごはん」で絵本にっぽん賞、「14ひきのやまいも」などで小学館絵画賞、「ひとりぼっちのさいしゅうれっしゃ」(偕成社)でサンケイ児童出版文化賞、「かんがえるカエルくん」(福音館書店)で講談社出版文化賞絵本賞受賞。2014年にフランス芸術文化勲章シュヴァリエを受章。1998 年4月栃木県馬頭町に「いわむらかずお絵本の丘美術館」を開館。絵本・自然・子どもをテーマに活動を始めた。

 もうすぐ中秋の名月。今年の中秋は2021年9月21日です。
 中秋(ちゅうしゅう)の名月とは、旧暦8月15日の十五夜にお月見をするならわしのことです。

 昔の日本では、月の満ち欠けを基準にした太陰暦が使われていて、新月の日を朔日と言って、そこから30日周期で一ヶ月、15日目が「十五夜」、すなわち満月になるとされていました。

 しかし、実際には月の軌道にはズレがあるため、正確には30日周期にならないようで、「中秋の名月」がかならずしも満月にはならないのだとか。

 ところが、今年の「中秋」は、8年ぶりに満月なのです。しかも、この日は一粒万倍日この日にした良いことは万倍になって返って来ると言う、すばらしく縁起のいい日です。これはお月見したいですねえ。どうか晴れますように。

 大自然は太陽の周期と月の周期に影響されて存在していますので、太陰暦は農業をするにも、漁業をするにも便利だったのです。日本の様々な祝日や行事は、太陰暦をもとにした、農業の行事が起源で、人々は自然のサイクルに添って生活していました。

 旧暦では7月、8月、9月を秋としており、真ん中の月の8月15日を「中秋」と呼び、その夜にのぼる月を「中秋の月」と呼び、特別に愛しました。それは、この季節が稲作の収穫の時期であり、最も喜ばしい季節だからです。

 一年間、苦労して育てた稲がめでたく育ち、豊かな実りを与えてくれる時期が、秋です。ですから、その年に収穫したお米でお団子を作り、満月にお供えして、美しい月を愛でながらお祝いするのでした。なにしろ、太陽と月は一年間、大切な稲を育ててくれたわけですから、これは感謝のお祭りでもあります。

 本日、ご紹介するのは、いわむらかずお先生の「14ひきのおつきみ」。1988年初版のロングセラーです。

 「14ひきの」は、山ねずみの大家族のシリーズ絵本。おじいちゃん、おばあちゃん、おとうさん、おかあさんと、いっくん、にっくん、さっちゃん、よっちゃん、ごうくん、ろっくん、なっちゃん、はっくん、くんちゃん、とっくんの10匹きょうだい、ぜんぶで14匹です。

 やまねずみたちは、森の大きな木のうろの家で暮らしています。
 一年間のいろんな行事をこの14匹の大家族が力をあわせて楽しむ、ほのぼの絵本シリーズなのです。

 今回は、「お月見」。

 大きな木の上に子どもたちが登って、力をあわせて足場を作ります。皆でお月見をするためのお座敷を作っているのです。
 だんだんと陽が傾いて、夕焼け空になるころ、木の枝で作った素敵なお月見台が完成。お団子や栗の実、お茶を運んで、みんなでお月様が出てくるのを待ちます。

 そして、夜空に登場するまんまるのお月様。家族みんなでお月様を見ながら、楽しく団欒のときをすごす、と言うお話。

 昔は八人きょうだいだの十人きょうだいだのは珍しくなかったのですが、令和の今ではこんな大家族は考えられません。それに、コロナ禍の今、おじいちゃんおばあちゃんに会いに行ったり、親戚同士で集ったりなどは難しくなっています。

 でもだからといって、季節の行事を忘れてしまうのもさみしいもの。

 人と集えなくても、家のベランダからでも、せっかくの満月を楽しみましょう。
 家の中には、楽しいことがたくさんあります。親子で、ひとりで、おだんごを作るのも楽しいかもしれません。

 伝統的なお月見だんご(砂糖とかは入っていない)を満月にお供えしたあと、きなこや黒蜜をかけて食べるのもよいですが、お豆腐などを入れてつくると翌日になっても固くならないお団子が作れます。

 中国では、日本よりかなり盛大にお祝いするようで、日本でも有名な月餅だけでなく、様々なごちそうを食べる風習のようです。日本では、栗や里芋を食べる慣わしがあります。栗ご飯や、里芋の煮っ転がしなどを作るのもいいですね!

 14ひきシリーズは、繊細な絵がメインで、文章はほとんどありません。ひらがなだけなので、字をおぼえたての小さなお子さまにおすすめです。また、木や草花、動物、鳥、虫などが深い愛情をこめて詳細に描かれており、読み返すたびに発見があります。美しいだけでなく、たのしい絵本です。

 この季節に、親子でお楽しみください。満月が楽しみですね。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。季節の風流を感じる物語です。中秋の名月や、お月見の由来を教えつつ、一緒に読むのがおすすめです。
 絵が繊細で美しく、眺めているだけで癒される絵本です。

 

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