【14ひきのあさごはん】みんなで食べる森のあさごはん。大自然に抱かれるやまねずみ大家族のロングセラー絵本【14ひきシリーズ】【3歳 4歳 5歳】

2022年9月24日

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14ひきのあさごはん いわむらかずお/作 童心社 

おとうさん、おかあさん、おじいさん、おばあさん、そして10匹のきょうだいたち。ぜんぶで14匹家族のやまねずみ大家族の日常を描いた絵本です。今回は森のあさごはん。どんぐりのパン、のいちごのジャムとジュース、そしておいしいスープ……

この本のイメージ ほのぼの☆☆☆☆☆ かわいい☆☆☆☆☆ 森のあさごはん☆☆☆☆☆

14ひきのあさごはん いわむらかずお/作 童心社 

<いわむら かずお>
日本の絵本作家。「14ひきのシリーズ」(童心社)や「こりすのシリーズ」(至光社)は国内だけでなく、フランス、ドイツ、台湾などでもロングセラーとなり、世界の子どもたちに親しまれている。
「14ひきのあさごはん」で絵本にっぽん賞、「14ひきのやまいも」などで小学館絵画賞、「ひとりぼっちのさいしゅうれっしゃ」(偕成社)でサンケイ児童出版文化賞、「かんがえるカエルくん」(福音館書店)で講談社出版文化賞絵本賞受賞。2014年にフランス芸術文化勲章シュヴァリエを受章。1998 年4月栃木県馬頭町に「いわむらかずお絵本の丘美術館」を開館。絵本・自然・子どもをテーマに活動を始めた。

14ひきのあさごはん いわむらかずお/作 童心社 

 いわむらかずお先生のかわいいやまねずみの物語、「14ひきの」シリーズ。「14ひきのあさごはん」は1983年初版です。
 「14ひき」は、おじいちゃん、おばあちゃん、おとうさん、おかあさんと、いっくん、にっくん、さっちゃん、よっちゃん、ごうくん、ろっくん、なっちゃん、はっくん、くんちゃん、とっくんの10匹きょうだい。
彼らは、森の大きな木のうろの家で暮らしています。

 一年間のいろんな行事をこの14匹の大家族が力をあわせて楽しみます。今回は「あさごはん」。森にクワガタやカブトムシがいて、そして、みんなで野いちごを採りにゆくので、これは夏のお話。

 おかあさんたちがどんぐりパンをこねて釜で焼き、おとうさんたちはたき火でスープを作ります。そして、子どもたちは、森で野いちご摘み。

 用意ができたら、大きな大きなテーブルで、みんなでおいしくあさごはんです。

 おじいちゃんがいて、おばあちゃんがいて、きょうだいがたくさんいて……みたいなおうちは、今は珍しくなりました。おじいちゃんおばあちゃんとも、両親とも、きょうだいともばらばらに暮らすのが今風です。

 でも、コロナ禍で外出できないでいると、家族の交流がないまま家で大人しくしているのも味気ない毎日です。最近はリモート通話が浸透してきましたから、ばらばらに暮らしていても、リモートで一緒に朝ごはんを食べたり、晩ごはんを食べたりするといいのかもしれません。

 昔は、祖父母と一緒に暮らす孫は多かったので高齢者と子どもの交流は自然にあり、昔話を聞く機会も多かったのですが、最近は世代間の交流がないので、昔のことをよく知らない子どもも増えています。
また、子どもと接することの少ない高齢者が、小さな子どもに過剰に厳しい要求をすることも増えました。

 でも、異なる世代どうしが交流することには、たくさんのメリットもあります。直接ディープに関わると、面倒なこともあるでしょうから、こういう、世代の違う人間のブログなんかを読むのもおすすめですよ。(と、押し売りしてみる)

 わたしたちが子どものころは、祖父母の世代は戦前で、戦前と言うともう完全に別の国みたいな感じなので、昔話は「不思議の国の話」を聞いているみたいで子どもには面白かったのです。田舎ではほぼみんな着物で暮らしていたとか、ごはんは竈で炊いたとか、魚は七輪で焼いたとか、そんな時代のお話です。

 昔話をよく聞く機会があると、自分の人生よりずっと長い時間のことを知ることができます。
 お年寄りは話が長くて、同じ話を何度もしてくれるのも、聞く子どものほうにはわかりやすくてありがたかった。
 昔の人のお話は、大きな事件の話だけでなく、昔の流行だったり、食べ物だったり、日常の面白い話がたくさんあるのです。そして当時はどういうわけか、全員、なんらかのオカルト体験を持っていたものです。(戦争がありましたからねえ……)

 今は、オカルトっぽいことを言うと「非科学的だ」って言われる時代。でも、わたしの祖父母や親の時代って、彼らが言うには、もうそこらじゅうに幽霊がいたそうです。でも、戦後10年目くらいで劇的に減ったと。

 「だから、十回忌というのはやっぱり意味がある気がする。だいたい、10年で成仏するんだと思う」と、当時祖母がよく言ってましたが、ほんとうにそうなんでしょうかね。(謎)

 そう言う会話も含めて、お年寄りとのお話は本当に面白かった。

 この絵本では、おばあちゃんとおかあさんと孫のさっちゃんとよっちゃんが親子三代でパンを作っています。パンはこねたり、まるめたり、焼いたりしないといけないので、作業をしながら、ちょいちょい会話ができます。

 おじいさんとおとうさんと、とっくんはスープを作っています。と、いっても小さなとっくんは見てるだけですが。でも、昔のお話が聞けたりするのは、たいていこんなとき。

 ラストは、大きなテーブルを囲んで大家族が食事をする今では珍しい光景です。

 でも、このやまねずみのシリーズのいいところは、毎回、全部、家族全員でがんばるところ。おばあちゃんとおかあさんたちがパンを作っているあいだに、おじいちゃんとおとうさんはスープを作ってる。野菜を包丁で切っているのはおじいちゃんだし、スープを丁寧にかき混ぜているのはお父さん。

 おかあさんと娘たちがきりきり舞で働いて大きなテーブルにごちそうを並べるような話ではなく、みんなで一緒においしいものを準備して、楽しく食べるところがまさに理想的大家族。

 14ひきシリーズは、繊細な絵がメインで、文章はほとんどありません。ひらがなだけなので、字をおぼえたての小さなお子さまに。また、季節の木や草花、動物、鳥、虫などが深い愛情をこめて詳細に描かれており、親子で読み聞かせをしながら、描かれている虫や動物たちを探すのも楽しいでしょう。大自然と子どもたちへの愛情いっぱいの絵本です。

 夏休みに読みたい絵本です。読み終わったらきっと、テーブルをふいたりおさらを並べたりと、ごはんの支度が楽しくなりますよ。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。夏の森の朝の様子が、繊細な筆致で美しく描かれています。やまねずみたちの仕草が愛らしく、ほのぼのとしてあたたかい気持ちになる絵本です。

 読後はきっと、野いちごが食べたくなります。キイチゴのジャムと素朴なパンでティータイムを。

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