【なのだのノダちゃん】親友は吸血鬼?そして、出会ったのは宇宙人? 星にねがいをかける第4巻【おねがい流れ星】【小学校低学年以上】

2024年3月29日

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なのだのノダちゃん 4  おねがい流れ星  如月かずさ/作 はたこうしろう/絵 小峰書店

サキが出会った女の子は吸血鬼ロムニア・クルトゥシュカラーチ・パパナッシュ17世。長くて覚えられないから、「ノダちゃん」って呼んでいる。今回は、ノダちゃんと流れ星に願いをかけてみたの。そうしたらなんと、出会ったのは宇宙人?

この本のイメージ 怖くないオカルト☆☆☆☆☆ バンパイア☆☆☆☆☆ 宇宙人☆☆☆☆☆

なのだのノダちゃん 4  おねがい流れ星  如月かずさ/作 はたこうしろう/絵 小峰書店

<如月かずさ>
1983年、群馬県桐生市生まれ。「サナギの見る夢」(講談社)で第49回講談社児童文学新人賞佳作、「ミステリアス・セブンス―封印の七不思議」(岩崎書店)で第7回ジュニア冒険小説大賞、「カエルの歌姫」(講談社)で第45回日本児童文学者協会新人賞を受賞

<はたこうしろう>
1963年、兵庫県西宮市生まれ。絵本作家、イラストレーター。ブックデザインも数多く手がける

 自分のことを「わがはい」と言い、「~なのだ」と言うかわいいしゃべり方をする吸血鬼の女の子「ノダちゃん」と人間の女の子サキちゃんの、オカルトファンタジックコメディ第4巻です。初版は2020年。

  一応一話完結の形を取っていますが、サキちゃんとノダちゃんの出会いから順番に読んだほうがわかりやすいため、まずは第1巻「ふしぎなコウモリガサ」からお読みください。

 「なのだのノダちゃん ふしぎなコウモリガサ」のレビューはこちら

 今回のお話は、なんとSF風味です。
 吸血鬼や妖怪、魔女が登場するごった煮オカルトファンタジーだと思っていたら、今回、宇宙人が参戦。ノダちゃんの活躍も宇宙規模となってまいりました。

 昨夜の流れ星にお願いをかけられなかったノダちゃん。悔しく思っていたら、魔女さんから「うちに流れ星たちがお泊りしているので来てみたら」とお誘いを受けます。

 魔女さんの家に遊びに行ったノダちゃんとサキちゃんは、テントの中で飛び交う流れ星たちに願い事をします。

 ノダちゃんのお願い事はすぐに叶いました。そして、叶いっこないだろうと思っていたサキちゃんの突拍子もないお願い事は「宇宙人と友だちになりたい」だったのですが……

……と、いうのがあらすじ。

 今回も三つのお話に別れていますが、全体的に一つのストーリーになっています。

 ・流れ星に会いに
 ・へんてこ惑星ツアー
 ・ペコちゃんのさがしもの

 の三本です。

 今回初登場のキャラクターは、宇宙人のピョンニャさんとペコちゃん。ピョンニャさんは宇宙の大スターらしいです。

 前回の「ノダちゃん」のレビューで、ファンタジーとは現実逃避ではなくて「こんなふうになったらいいな」と想像力を羽ばたかせるためのもの、と書きましたが、今回のお話はまさに地球の外、宇宙への夢をかきたててくれます。

 サキちゃんの美徳は、知らない世界やわからない世界の人と出会ったときに、何の抵抗もなく受け入れる器の大きさです。それは、サキちゃんの好奇心や想像力がとても大きいから。

 サキちゃんは、突然現れたノダちゃんと仲良しになれるし、ノダちゃんを通じて次々に出会う怪しげな人たちとも、ちょっとびっくりするけどすぐ打ち解けます。そのうえ、毎度毎度ノダちゃんが考えなしの大失敗をするのに、いやな顔ひとつせず(困り顔くらいはする)、受け入れて尻拭いをします。とてつもない包容力です。

 また、ノダちゃんが明るく天真爛漫で、吸血鬼ものによくある「友だちのいない寂しがりやの吸血鬼」でないところもいい。
 オカルト好きで友だちのいない女の子のところへ、やはり友だちのいない一人ぼっちの吸血鬼がやってきて、二人は親友になる、みたいなありがちなお話ではなく、最初からもう底抜けに明るい。

 吸血鬼だろうが人間だろうが魔女だろうが宇宙人だろうが、楽しければいいのだ、というノダちゃんと、器が大きく包容力があって、あたふたしながらも何でも受け入れてしまうサキちゃん。

 どんなへんてこなことに出会っても、こんなふうに楽しむことができたら、夢だって友情だって宇宙規模になりますね!

 「怖いこと」を「楽しいこと」に変えてくれたノダちゃんたち、今度は「未知のもの」を「面白いこと」に変えてくれました。

 子どもの人生は「わからないこと」「知らないこと」でいっぱい。
 でも、たくさんのわからないこととたくさんの失敗を乗り越えて楽しいことをいっぱい掴み取ろう、と言うのがノダちゃんとサキちゃんの物語です。

 字はほどよい大きさで読みやすく、すべての漢字にふりがながふってあります。小学校低学年から。サキちゃんの一人称なのでとても読みやすく、読み聞かせにもおすすめ。

 はたこうしろう先生の挿絵も可愛らしく、お話にぴったりです。読めばうきうきと楽しい気持ちにさせてくれる、明るいオカルトコメディです。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はいっさいありません。明るく楽しいオカルトファンタジックコメディです。怖いところが一つもないので、HSCのお子さまにおすすめします。今回は宇宙人も登場してSF風味です。

 荒唐無稽のハチャメチャコメディで、ノダちゃんがちょっと中性的なので、男の子でも楽しく読めると思います。

 読後はドーナツでティータイムを。

 

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