【チョコレート屋のねこ】幸せをはこぶチョコレートとねこのファンタジー絵本。バレンタインに。【バレンタイン】【4歳 5歳 6歳】

2024年3月21日

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チョコレート屋のねこ スー・ステイントン/文 アン・モーティマー/絵 中川千尋/訳 ほるぷ出版

ちいさな村のちいさなチョコレート屋におじいさんとねこがすんでいました。ある日、おじいさんは、しっぽにピンクのおさとうをまぶしたチョコレートねずみを作ってみました……

この本のイメージ 美しい絵☆☆☆☆☆ かわいい猫☆☆☆☆☆ ほのぼのハッピーエンド☆☆☆☆☆

チョコレート屋のねこ スー・ステイントン/文 アン・モーティマー/絵 中川千尋/訳 ほるぷ出版

<スー・ステイントン>
作家であり、出版社のアートディレクター。夫と三人の息子とともに、イギリス在住。「サンタクロースのしろいねこ」(アン・モーティマー/絵 徳間書店)など。

<アン・モーティマー>
ねこを主人公にした多くの絵本を描いている画家。イギリス在住。「こねこのみつけたクリスマス」(マーガレット・W・ブラウン ほるぷ出版)など。

<中川千尋>
創作絵本や童話では、「天使のかいかた」(理論社)で日本絵本賞読者賞を受賞、「かりんちゃんと十五人のおひなさま」(偕成社)で第47回野間児童文芸賞受賞、などがある。

 バレンタインが近くなると、チョコレートを題材にした絵本をご紹介することにしています。ちいさなお子さまへのプレゼントだけでなく、バレンタインチョコレートに絵本を添えるのも素敵じゃないですか?

 でも、クリスマスと違って、チョコレートを題材にした絵本って、まだまだ少ないのです。出版社さま、お願いします!(と、テレパシー)

 本日ご紹介するのは、ねこ画家として世界中の愛猫家に愛されるアン・モーティマーの絵が美しい絵本。原題はChocolate Cat. 初版は2007年。日本語版の初版は2013年です。

 翻訳はこのサイトでもご紹介した「まほろ姫」シリーズのなかがわちひろ先生です。中川先生、作家であり画家であり、翻訳家でありと、むちゃくちゃ多才ですね。超人だ……。

 お話は……

 海と山に挟まれた、とあるちいさな村に、おじいさんとねこが暮らしているチョコレート屋さんがありました。村にはこれといった名物もない、たいくつな村でした。
 おじいさんは、一度も笑ったことがありません。

 ある日、おじいさんはピンクのしっぽの、チョコレートのねずみを作りました。
 そのチョコレートねずみを一口食べたねこは、「こんなおいしいチョコレートは、みんなに食べてもらわなくっちゃ」と、村のみんなの店先に、こっそり隠します。

 そのチョコレートねずみを食べたとたん、村の人々は、次々に「素敵なこと」を思いつき、自分の店の商品とチョコレートで、素晴らしい新商品を生み出すのでした。

 果物屋さんは、おいしい果物とチョコレートでチェリーボンボン、パン屋さんはチョコレートのカステラやロールケーキ、食料品屋さんはナッツチョコレートとホットチョコレート、花屋さんはお花の砂糖漬けが乗ったチョコレート、金物屋さんは魚や動物の金型で作ったチョコレートなどなど……

 笑わないおじいさんに笑ってほしいねこは、ついにおじいさん自身にチョコレートねずみを食べさせます。そして……

 と、言うのがあらすじ。

 これといって名物もない、さびれた村が、チョコレートと猫のおかげでどんどん新しいものを生み出し、幸せでにぎやかな村になってゆく、ほのぼの幸せストーリーです。

 猫の絵がリアルで、そして愛らしい。アン・モーティマーのあふれる猫愛が伝わってきます。ちょっと太めのおとな猫で、ふくふくと愛嬌があり、お菓子の中にうずもれる猫、お花にかこまれる猫、作戦が成功して得意げな猫など、表情豊か。見ているだけで幸せ気分になります。

 また、村の人々と一緒に開発するチョコレート菓子も、とってもおいしそう。オレンジのチョコレートかけや、カップケーキ、ホットチョコレートなど、読んでいるうちに思わず「ちょっとお店行ってくる!」とお菓子を買いに飛び出してしまいそうになるくらい。

 字はほどよい大きさで、ひらがなが多く、しかもすべての漢字に振り仮名がふってある総ルビです。ねずみのチョコレートの魔法で、次々と新商品を生み出して幸せがひろがってゆく様子は、読んでいて元気が出てきます。ちょっと大版の絵本なので、読み聞かせにもおすすめです。

 巻末には「チョコレートの話」として、チョコレートの歴史やこぼれ話が掲載されていて、知育要素もあるのがうれしい。(そうそう、大切なことですが、現実には、ねこにはチョコレートを食べさせてはいけないこともここで注意事項として書かれています。)

 猫のかわいさと、チョコレートのおいしそうな絵の最強合体絵本。大人が読んでも癒される絵本です。猫好きな方へのプレゼントにも。

 この季節、ぜひ、手に取ってみてくださいね。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。猫がチョコレートと幸せを運び、村中に笑顔が広がってゆくお話です。おじいさんを幸せにしたい猫がけなげでかわいく、読んでいて、ほっこりします。

 猫好きのお子さまに、そして猫好きの方へのプレゼントにもおすすめ。
 読後は、もちろん、チョコレートケーキやホットチョコレートで、ひとやすみ。

 

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