【きみがしらないひみつの三人】生きるってなに?命ってなに?人生を深く、わかりやすく描いた絵本【子どもから大人まで】

2024年3月21日

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きみがしらないひみつの三人 ヘルメ・ハイネ/作・絵 天沼春樹/訳 徳間書店

君が生まれたとき、三人のともだちがやってきて、きみの中で働き始めた。それは、アタマはかせ、ハートおばさん、そして、いぶくろおじさん……彼らは死ぬまで一緒にいてくれる、君の大切な友達なんだ。

この本のイメージ 命とは☆☆☆☆☆ 生きるとは☆☆☆☆☆ 人生とは☆☆☆☆

きみがしらないひみつの三人 ヘルメ・ハイネ/作・絵 天沼春樹/訳 徳間書店

<ヘルメ・ハイネ>
1941年ベルリンに生まれる。大学で美術と経済学を学び、卒業後ヨーロッパ、アジアなど各地を放浪、南アフリカでは演劇に携わる。1976年に絵本作家としてデビー、ユーモラスで温かい作風の絵本を数多く出版し続けている。ボローニャ国際児童図書展グラフイック賞など、受賞も多い。現代のドイツでもっともよく知られ、愛されている絵本作家の一人。

<天沼春樹>
1953年埼玉県川越市生まれ。中央大学大学院博士課程修了。現在、中央大学文学部兼任講師。日本児童文芸家協会理事。著書に『水に棲む猫』(パロル舎・日本児童文芸家協会賞受賞)など

 原題はDER CLUB.ドイツ本国初版は2001年。日本語版初版は2004年です。

 「きみがしらないひみつの三人」とは、頭、ハート、胃袋のこと。彼らは、赤ちゃんが生まれたときから働き続けます。

 アタマはかせは、きみが見たり聞いたり嗅いだりしたものを覚え、学び、ストックする。
 ハートおばさんは、きみの心にわいてくる、いろんな気持ちの世話をしてくれる。
 いぶくろおじさんは、きみが食べた食べ物をもう一度料理して身体に吸収しやすくしてくれる。

 三人は、仲のいい友達だけど、ときどきけんかもする。三人がけんかをしたり、黙り込んだりすると、きみは病気になってしまう。

 三人のうち一人が目立つこともあるけれど、三人はいつも一緒にきみのためにがんばって、ずっときみを応援してくれるんだ……。

 自分の頭や身体、心のことを、じっくりと考えてみちことはあるでしょうか。
 頭と身体、そして心は、大切な一生の親友です。

 けれど、人間は、自分のことはついつい後回しにしてしまいがち。
 頭をないがしろにすれば仕事や勉強に支障が出るし、身体をないがしろにすれば病気になり、心をないがしろにすれば、健全な生活は出来ません。

 それでも、人が無理をしてしまうのはなぜなのでしょうか?
 それは、自分の頭や身体、心は、「自分のものなので粗末に扱ってもいい」と無意識に思ってしまっているからでは。

 でも、それがこんなふうに自分のために一途についてきてくれる、大切な親友たちだと思ったら、そんな粗末に扱う事はできなくなります。だって、生まれたときから一緒にいて、一生自分のことを応援してくれる、大切な大切な仲間なんですから。

 この本は、人間の人生や命の仕組みを教えてくれるだけでなく、根源的な「自己肯定感」を高めてくれる絵本なのです。

 最近、「親ガチャ」と言う言葉があるようです。残念ながら人は、生まれてくる環境を選ぶことが出来ません。もしかしたら、自分を肯定してくれる人がまったくいない場所で成長してゆかねばならない子もいるかもしれません。

 しかし、それでも、どんな人にも「ひみつの三人」はいるのです。「ひみつの三人」だけは、生まれてから死ぬまであなたと一緒にいてくれる、心強い応援団なのです。

 文章は、ひらがなとカタカナ、そして簡単な漢字で書かれており、すべての漢字には振り仮名が振ってある総ルビです。小ぶりの絵本ですが、できれば小さいうちから読み聞かせしてあげてください。

 自分を大切に思えるようになる、そんな温かい言葉でいっぱいの絵本です。

 今、つらい環境にいる小さなお子さまにおすすめの絵本です。
 学校でうまくゆかないとき、なかなか自分の気持ちを理解してくれる人がいないとき、そして、「ひみつの三人」の誰かの調子が悪くて不調で苦しんでいるとき……そんなときでも「ひみつの三人」は、あなたを一生懸命応援し続けているのです。

 もしかしたら、小さな子どもが読むと「ふーん、そうなんだ」と、ただの豆知識を聞いたような気分になるだけで終わってしまうかもしれません。そして、大人になってから読んで、はじめて、子どもの頃には気づかなかった、深い意味に気づくかも。

 プレゼントに、読み聞かせに、そして、大人の和み絵本にも。子どもから大人まで、いつ、誰が読んでも、新しい発見があると思います。

 年寄りになると、この歳までがんばってくれてる「ひみつの三人」にありがたいと思うようになります。彼らは何十年も休日なしで頑張ってくれてるんですから。

 ありがとう、「ひみつの三人」。

 「彼ら」がいる限り、どんな人も、ひとりぼっちではないのです。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。子どもから大人まで、全年齢におすすめできる絵本です。むしろ、HSPHSCの方のほうが多くのことを感じ取ると思います。
 大切な方へのプレゼントに、親子の読み聞かせタイムに、小さなお子さまが家で過ごすお留守番アイテムにも。自己肯定感を上げてくれます。

 「命」について描かれた子供向け絵本の中で、哀しい気持ちにさせたり涙を流させたリしないで、ここまで本質的なことを説明した本は珍しいと思います。読んでいると、不思議と元気が沸いてきます。大人が読んでも励まされる絵本です。

 

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