【金星特急】SF少女小説の傑作第3巻。絶世の美女を求めて旅をするサバイバルジャーニー【高校生以上】

2024年3月29日

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金星特急 3  嬉野君/作 高山しのぶ/絵 ウィングス文庫

絶世の美女「金星」の花婿になれば、この世の栄華は思いのまま。途中乗車も途中下車も許されない「金星特急」。錆丸たちが停車したのは、なんと砂鉄の出身地だったのだ。ここでの試練、錆丸は潜り抜けられるのか?

この本のイメージ パラレル近未来☆☆☆☆☆ 元気系主人公☆☆☆☆☆ サバイバル☆☆☆☆☆

金星特急 3  嬉野君/作 高山しのぶ/絵 ウィングス文庫

<嬉野君>
3月17日生まれ。長崎県出身。小説ウィングス2006夏号、「パートタイム・ナニー」にてデビュー

<高山しのぶ>
11月28日生まれ。主な作品に「あかつき」「ハイガクラ」など。

 初読です。初版は2010年。
 わけあって、個人的に「読まずに死ねない小説」リストの1冊だった小説です。(ほかには氷室冴子、「シェーラ姫の冒険」など……)

 このサイトはわたしの読書記録もかねているので、続き物の小説のレビューも掲載しています。「金星特急」は、一話完結ではなく、完全な続き物なので、この記事でご興味を持たれた方は、まずは第1巻をお読みください。

 第1巻のレビューはこちら

 お話は……

 絶世の美女「金星」が乗客を募集した「金星特急」。乗り込んだ者たちは、全員、「金星」の花婿候補だ。
 「金星」の花婿になれば、この世の栄華は思いのまま。しかし、「金星特急」に乗って帰ってきたものは、誰もいない……

 東京駅始発の「金星特急」に乗り込んだ錆丸は、偶然出会った謎の傭兵砂鉄、美剣士ユースタスと道連れになる。また、途中乗車できないはずの「金星特急」に、特殊な言語能力で乗り込んできた王子アルベルト。

「金星特急」が停車したのは、草原の真ん中、砂鉄が属する傭兵集団「月氏」の幕営地。彼らの「羊追い祭」の開催期に居合わせた花婿候補たちは、強制的に祭に巻き込まれる。

 彼らの一人を指名し、倒さなければ、草原の彼方に追放され、列車の出発に間に合わない。

 さて、錆丸は、この試練をどう乗り越える?

  ……と、いうのが今回のあらすじ。

 このブログは、おもに児童書を紹介する読書ブログですが、わたしの読書記録もかねているので、わたしが個人的事情で読んでいる本も登場します。

 これは、昔、友だちにすすめられていて(おそらく雑誌連載当時)、当時は忙しくて読むことができず、後回しになっていた本なのです。
 今になって読み始めたのですが、面白いですね。ただ、第3巻を読んで「これは中学生だとまだ早いかもしれない」と思い直し、「高校生以上」としました。

 高校生以上だと、トップページのプルダウンメニューには今のところ表示されません。面白いし、ダイレクトなエロシーンはいまのところ無いんですが、セリフとかではかなり過激なことを言ってるので児童書サイト向けって感じではないなと思ったので。(スミマセン、昭和の人間なのでね……)

 しかし、内容は、掛け値なしに面白いです。

 今回は、砂鉄の過去が描かれます。また、新キャラとして美少女「彗星」が登場。彗星と行動をもにするマリアはゲストキャラなのか、レギュラーなのかはわかりませんが、包容力があって魅力的な女の子です。

 月氏の幕営地でも、美しくて強い雷鳥や、射手座、綿雲など魅力的な女性キャラが続々登場。また錆丸の兄も登場します。
 謎が少し開かされるたびに、新たな謎が生まれる、わくわくの展開。

 わたしは、堅物で正直、誠実なユースタスが大好きですが、それとは正反対のヒキョー王子アルベルトもなかなか。
 アルベルトは王子でありながら学者なので、自分の知的好奇心のためには命を賭けるタイプ。そのためにはヒキョーも厭わないと言う、知識欲のためにかなりいろんなものを犠牲にしている残念な王子ですが、ここまで来るといっそすがすがしい。自分勝手で頼りにならないと思いきや、そうでもなくて、つかみどころの無い人です。

 また、今回は錆丸のとある「秘密」も明らかになり、がぜん盛り上がってきました。

 今回は、モンゴルあたりがモデルなのでしょうか。現実の地球とは似ているようでかなりちがう、架空のパラレルワールドを疾走する「金星特急」。

 「かぐや姫」と「銀河鉄道999」を合体させて、少女小説の風味をふりかけた、しかし、本格派のSF少女小説です。本編が完結した後の続編もあるようですし、これからの長い旅が楽しみです。

  ※この本は電子書籍もあります。紙の本は欠品しがちなので、抵抗がなければ電子書籍でどうぞ。

 ※過去のレビューでは「中学2年生以上」と書いていましたが、今回過激な科白などがあるため「高校生以上」としました。今後どうなりますか……

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 バトルシーンやアクションシーンがあるので、流血シーンはあります。しかし、気をつけて書かれていると思います。「そういうシーンがあるのだな」と思って読めば大丈夫なら、おすすめです。男の子でも楽しく読めると思います。

 また、花街など大人っぽい設定と、今回は過激な科白もあるので、このサイトでは高校生以上とさせていただきます。

 

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