【女王さまのワードローブ】イギリス国民に愛されつづけるエリザベス女王の物語を描いた絵本【子どもから大人まで】

2024年3月30日

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女王さまのワードローブ  イギリス国民に愛されつづける女王エリザベスの物語   ジュリア・ゴールディング/文  ケイト・ヒンドレー/絵  前沢明枝/訳 BL出版

70年以上の在位期間、イギリス国民だけでなく多くの人々に愛されたエリザベス二世女王。この絵本は、彼女の人生をファッションを通して時代とともにたどっています。

この本のイメージ エリザベス二世☆☆☆☆☆ ファッション☆☆☆☆☆ 歴史☆☆☆☆☆

女王さまのワードローブ  イギリス国民に愛されつづける女王エリザベスの物語   ジュリア・ゴールディング/文  ケイト・ヒンドレー/絵  前沢明枝/訳 BL出版

<ジュリア・ゴールディング>
イギリス、ロンドン郊外で生まれる。ケンブリッジ大学で英文学を学び、卒業後ポーランドで外交官として働く。そののちオックスフォード大学で英国ロマン派文学を学び、博士号を取得。「キャットと王立劇場のダイヤモンド」(キャット・ロイヤルシリーズ 静山社)でウォーターストーンズ児童文学賞、ネスレ子どもの本賞金賞などを受賞。ほかに「キメラの呪い」(コニー・ライオンハートシリーズ 静山社)などがある。

<ケイト・ヒンドレー>
イギリスのブリストル在住。ファルマス・カレッジ・オブ・アートでイラストレーションを学び、印刷デザイナーとして働きながら、絵本やグリーティングカードの制作をしている。はじめての絵本The Great Snortle Huntはケイト・グリーナウェイ賞のロングリストに選ばれた。ほかにYou must Bring a Hatなどの絵本のほか、読み物のThe Royal Rabbitsシリーズのイラストも手がけている。

<前沢明枝>
翻訳家。アメリカのウェスタンミシガン大学で英米児童文学を、ミシガン大学大学院で言語学を学ぶ。現在は大学で翻訳と英語を教えている。おもな著書に「「エルマーのぼうけん」をかいた女性ルース・S・ガネット」(福音館書店)など。訳書に「家出の日」(産経児童出版文化賞推薦 徳間書店)、「野生のロボット」(福音館書店)などの読み物のほか、絵本では「ぼくだって とべるんだ」(ひさかたチャイルド)、「ミスター・ベンのふしぎなぼうけん」シリーズ(朔北社)、「ビバリーとしょかんへいく」(文化出版局)など多数。

 原題はTHE QUEEN’S WARDROBE-The story of Queen ElizabethⅡ and Her Clthes.イギリスでの初版は2021年。日本での初版は2022年2月です。

 全40ページのフルカラーの絵本で、エリザベス二世女王の人生をファッションを通じて詳しく綴っています。
おそらく在位70周年を記念して出版された絵本で、たいへん豪華で美しい仕上がりになっています。

 表紙には金のインクが使われていますし、なかのイラストは女王のお召し物が詳細に描かれています。しかし、表紙を含めて挿絵にも使われている深い緑色や、シックな赤、落ち着いたクリーム色などがとても上品で、華やかではあるけれども高貴な雰囲気が伝わってきます。

 中身は非常に字が多く、だいたい小学校中学年くらいを対象にした内容になっています。

 エリザベス二世女王がエリザベス・アレクサンドラ・メアリー王女として生まれてから、在位70周年までの人生を歴史的事件とともに描いているため、エリザベス女王のファッションとともに近代史を学ぶこともできます。

 日本人は当時の日本のことしか知りませんが、この絵本を読むと当時のヨーロッパの事情をうかがい知ることができ、意外な事実を知ったりもします。

 第二次世界大戦が始まったとき、王女だったエリザベス女王はまだ13歳で、「国民とともにいるべき」という王室の信念で国外には避難しなかったこと、国民と同じように配給券で購入した質素な生地で仕立てられた服を着ていたこと。

 17歳のとき、女子国防軍に入隊し、運転手と整備士の訓練をうけ、大型トラックのエンジンの取り付けなどもできたことも書かれています。

 そして、終戦直後のもののない時代に配給券でつくられたウェディングドレス。国民から「結婚式に役立ててほしい」と送られた配給券を一人ひとりに返送したエピソードなどが語られていました。

 このときの様々な想いのこもったウエディングドレスは、おそらくは多くの人々の思い出となっていることでしょう。

 1952年に、エリザベス王女は25歳の若さでエリザベス二世としてイギリス女王に即位します。戴冠式のドレスをデザインしたのは、思い出深いウェディングドレスのデザインをしたノーマン・ハートネルです。この美しいドレスは大英帝国王冠、国王のオーブ、十字架の王笏 などとともに詳細に描かれています。

 70年代になると、カラーテレビの普及にともない、女王のファッションはカラフルになったようです。さまざまな社会情勢とファッションは密接につながっていたのですね。

 70年以上の長きにわたり、国民を愛し続け、愛され続けたエリザベス二世女王。
 日本も昭和が63年以上ありましたので、1人の方が長きに渡り、国民に寄り添い続けてくれた時代があったことについて、いつもは気にしないけれども、ずっと心のどこかで感じていた「変わらない安心感」があったことなど、少しは理解できます。

 これからどんな時代が来るのでしょうか。

 きっと、明るい、幸せな時代が来ると信じて、祈ろうと思います。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 華やかなイギリス王室のファッションを通じて、エリザベス二世女王の人生を知ることができる絵本です。総ルビではなく、文章の量も多いので、だいたい小学校中学年から。賢い子ならば二年生くらいからは読めるかもしれません。

 ヨーロッパのほうの近代史を知ることができ、学びになります。
 小さなお子さまから大人まで、服飾に興味がある方にはおすすめです。

 

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