【森のなかの小さなおうち】どんなときでも、力を合わせて工夫すれば…。家族愛あふれる絵本【4歳 5歳 6歳】

2023年1月11日

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森のなかの小さなおうち エリザ・ウィーラー/作 ひらおようこ/訳 工学図書

パパはてんごくにいってしまった。だから、わたしたちはあたらしいおうちをさがさなきゃいけないの。ふかい森のおくに、小さな小屋がみつかった……

この本のイメージ 家族愛☆☆☆☆☆ 貧しくても工夫して☆☆☆☆☆ 困難を楽しく乗り越える☆☆☆☆☆

森のなかの小さなおうち エリザ・ウィーラー/作 ひらおようこ/訳 工学図書

<エリザ・ウィーラー>
アメリカ合衆国ミネソタ州在住。Miss Maple’s Seeds(未邦訳)がニューヨークタイムズのベストセラーになったほか、絵本や児童文学作品の挿絵も多く手がける。ウィスコンシン州北部の自然あふれる環境で育ち、カヌーやブルーベリー摘み、雪あそびなどを通じて四季を楽しんだ経験が、現在の創作活動の源となっている。絵本が日本で紹介されたのは本作が初めて。

<ひらおようこ>
兵庫県在住。米国モントレー国際大学院(現ミドルベリー国際大学院モントレー校)卒業。特許事務所勤務のかたわら英米文学翻訳家を志す。第28回いたばし国際絵本翻訳大賞で最優秀翻訳大賞を受賞し、本作が初の訳書。

森のなかの小さなおうち エリザ・ウィーラー/作 ひらおようこ/訳 工学図書

 原題はHOOME IN THE WOOD.アメリカでの初版は2019年。日本での初版は2022年です。

 これは、作者エリザ・ウィーラーの祖母マーベルが、世界恐慌のさなか、ふかい森の奥の小さな小屋で家族全員で暮らした頃のことを絵本にしたものです。

 夫を失い未亡人となったママは、八人の子どもたちをつれて、森の奥の小さな小屋に引っ越します。
 黒いシートで覆われた小さな小屋は、じめじめしていて、ちらかっています。

 「もしかしたら、たからものがみつかるかもよ」と言うママの言葉に、子どもたちはわくわくしながら家を探検します。
 がらくたばかりに見えた部屋を整理し、庭に出て、落ち葉の下のふんわりとした土に種をまきます。
 「できるのに すこしじかんのかかるたからものもあるのよ」

 おうちが綺麗になり、まいた種は根をはり芽を出しのび始めます。

 森でとったベリーでジャムをつくり、畑でやさいを育てます。
 ママが街で働いているあいだは、子どもたちがおうちの仕事をします。まきを割ったり、掃き掃除をしたり、草むしりや洗濯などなど……

 冬は兄たちが狩りをして、秋に貯蔵した野菜と一緒に食べます。

 遊びは何もないなかから手元にあるものを使って遊びます。地下の倉庫から出てきたはぎれでパッチワークを作ったり、覚えたての字で自分で文章を書いてお話を作ったり……。

 祖母のマーベルは後に、人生でいちばんたいへんだったときなのに、振り返ると「あの頃がいちばん楽しかった」と言ったそうです。 

 文章は読みやすく、漢字混じりの文章ですがすべての漢字に振り仮名が振ってある総ルビです。ひとり読みもいいですが、ぜひ、読み聞かせで。
 何もないなかで楽しく暮らすマーベルたちの生活を読みながら、親子でさまざまなことについて話す機会が作れそうです。「大草原の小さな家」シリーズが好きな方にはおすすめです。

  「何もないところで遊ぶ」と言うところで「文字」や「文章」があるのには、とても共感します。

 わたしは幼い頃、きょうだい同士で遊ぶとき、何もないとよく「しりとり」をして遊んでいました。
最初はふつうのしりとりなんですけども、そのうちにジャンルを決めたりして独自ルールのしりとりにして盛り上がっていたものです。

 これがなかなか語彙が増えるし、どうでもいい豆知識も増えるのです。

 長時間バスや電車に乗っていなければならない時などは、よくやりました。「言葉」や「文字」、「文章」を使った遊びは、道具が要らないのでいつでもどこでもできます。

 もしかしたら便利なモノに慣れた人からは「わびしい遊び」に見えるかもしれませんが、そういうのがいい思い出になることもあるんですよ。絵本を読んでいて、わたしも懐かしく思い出しました。

 令和の今、文明は発達してずいぶん便利になりはしましたが、度重なる天変地異や自然災害、感染症、経済の悪化、戦争など、相変わらず大変なことばかり。

 けれど、この、マーベルたちの生活、幸せを作り出そうとする姿勢からは学ぶものがあります。
 工夫しながら生活する中に、たくさんの小さな幸せはあるのかもしれません。

 「できるのに すこしじかんのかかるたからものもあるのよ」。

 この言葉を大切に、わたしも、できるまで時間のかかる宝物を育てようと思います。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。困難ななか、家族全員で工夫して幸せを作り出そうとしている一家の物語です。深い森の四季を通じて、主人公の一家が生き生きと生活し、荒れ果てていた小屋が素敵なおうちになってゆく様子が描かれています。

 文章は漢字とひらがなが混じっていますが、すべての漢字に振り仮名が振ってあり、読みやすいです。

 読後は、薄く切ったパンとベリーのジャムとでお茶がしたくなります。

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