【ゆきがやんだら】まっさらな雪に足跡をつける。雪と出会うこうさぎのほのぼの絵本【4歳 5歳 6歳】

2024年3月31日

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ゆきがやんだら    酒井駒子/作  学研

あさおきたら、「まだねてていいよ」とママがいうの。「えんがおやすみになったから」って。きのうはよなかからゆきがいっぱいふって……雪の日のママと子どものほのぼの絵本。

この本のイメージ 雪☆☆☆☆☆ 母と子☆☆☆☆☆ 雪の上を歩く☆☆☆☆☆

ゆきがやんだら    酒井駒子/作  学研

<酒井駒子>
絵本作家、画家。絵本に「よるくま」(偕成社)、「ロンパーちゃんとふうせん」(白泉社)、エッセイに「森のノート」(筑摩書房)など。「金曜日の砂糖ちゃん」(偕成社)でブラティスラヴァ世界絵本原画展(BIB)金牌、「くまとやまねこ」(河出書房新社)で講談社出版文化賞など国内外で受賞多数。

ゆきがやんだら    酒井駒子/作  学研

 

<この季節おなじみのスケートトーク。不要な方はスクロールしてね>

 ついに今年も、スケートの季節がやってまいりました。グランプリシリーズが開幕です。初戦はおなじみ、スケートアメリカ。

 まずは、三浦佳生選手、銀メダルおめでとうございます! すばらしい演技でした。ショートプログラムはなんと1位。このショート1位フリー最終滑走という、のっけからメガトン級のプレッシャーに耐えての銀メダルは、大きな価値があります。フリーの最初のジャンプ失敗からの立て直しの早さが頼もしい。
 ロマンチックと言うよりはかっこいい「美女と野獣」。いつもながら目が追いつかない速さ。まさにハイスピードビースト。でもラストは王子さまでした!

 三宅星南選手、悔しい結果でしたが華やかな演技は健在。174センチという長身ならではのダイナミックな演技が魅力です。わたしは、三宅選手のステップが好き。20歳前後は、身体が急激にがっしりと大柄になる時期なので、きっと見えない苦労がたくさんあるのでしょう。次回も期待しています。

 島田高志郎選手、怪我で欠場の鍵山優真選手の代打出場です。ほろ苦い結果となりましたが、フリーの巻き返しが見事。しなやかで少年ぽさが残る演技がチャップリンにぴったり。ユーモラスで繊細、儚げな世界観を表現していました。どんなにジャンプが不調でもスピンは完璧なのはさすがはステファン先生門下です。感動。

 女子は、我らの坂本花織選手、優勝おめでとうございます! さすがは世界のカオリサカモト、今回もダイナミックなジャンプをぶちかましてくれました。坂本選手が跳ぶたびに大歓声、割れんばかりの拍手です。坂本選手が愛されていてわたしもうれしい。

 松生理乃選手、体調不良だったらしく、ショートのみ出場でフリーは棄権となりました……心配です。繊細で美しい演技の選手です。いちばん悔しいのは本人だと思うので、はやくよくなりますように。

 そして、我らがレジェンドカップル、「かなだい」こと村元哉中&高橋大輔組。またしてもすばらしい演技を披露してくれました。スケートアメリカと言えば、高橋選手の伝説のプログラム「白鳥の湖ヒップホップバージョン」を初披露し世界に衝撃を与えた場所。今回も、大きなインパクトを残したと思います。現役を継続してくれてほんとうに嬉しい。結果関係なく、見ているだけで幸せなカップルです。

 海外選手について少し。
 イリヤ・マリニン選手、4A成功、そして優勝おめでとうございます! 4Aの高さが人間離れしすぎている。あまりにもふわっと、垂直に高く跳ぶので人間じゃないみたいでした。(小並感) まだ成長期前のスレンダーな少年体型、エルフのような跳躍。新時代の宇宙人。表現力はこれからとなると、末恐ろしい選手です。

 そして、グレイシー・ゴールド選手、お帰りなさい。ゴールド選手は、摂食障害に苦しみ、長い間競技から遠ざかっていました。奇跡のカムバックです。様々なことを乗り越えての復活。これからどんな世界を表現してくれるのか、楽しみです。

 今年はスケート界隈は、オフシーズンから激動の連続で、今シーズンは無事開幕できるのだろうかと心配でしたが、開催しました。この世にスポーツがあるのはありがたいことです。すべてのアスリートに幸あれ。

  <ここからが本題。本日の本紹介>

 さて、今回ご紹介するのは、酒井駒子先生の愛らしい絵本、「ゆきがやんだら」。初版は2005年です。

 日本は縦に長いので、ひとつの国の中に北海道のような北国から沖縄のような南国までがある、不思議な国です。
 北のほうの雪国では、一夜にして雪が50センチ、ひどいときは1メートル以上積もることもあります。

 雪は音もなく降り続けるので、暖房の効いた家の中にいると気がつきませんが、朝になるととんでもないことになっていることも。

 この絵本の中表紙には雪の空港の絵が描かれています。あっという間に飛べなくなってしまうんですよね、飛行機。

 「ゆきがやんだら」は、そんな雪深い地方の、ある大雪の朝のお話。

 夜のあいだに大雪がふって、幼稚園はおやすみ。ママも雪で降り込められておでかけができません。
 パパは飛行機が飛ばなくて、お仕事からもどってこられません。
 こうさぎの男の子はママと一緒に1日お部屋で過ごします。

 夜になったら、雪はやんでいました。
 まっさらの雪の上を、こうさぎとママは歩きます……

 ……というのがあらすじ。

 主人公はこうさぎの男の子。擬人化されて人間のお洋服を着て、マンションで暮らしています。ママもうさぎ。
 しんしんと雪がふる、雪国のしずかな1日を描いた絵本です。

 雪で交通がストップして、ママはお買い物に行けず、パパはお仕事から戻ってくることができず、大人は不便なのですが、子どもにとってはおうちでママを独り占めできるとき。

 雪は音を吸収してしまうので、雪の日はおそろしいほどの静けさに包まれます。

 「ぼくとママしかいないみたい、せかいで。」(引用)

 こうさぎの男の子は、自分とママしかいないような世界で、ママと雪遊びをするのでした。

 子どもの目から見た、雪の日の、不思議な感覚。
 音もなく降り続け、見る見る間に変化する風景。雪が降っている間と、雪がやんで空が晴れ気温が上がり始めたときとでは、まるで違う国に移動したような気持ちになるくらいの別世界です。

 その、何十時間かのあいだの、音のない白い世界で、こうさぎの男の子はママと一緒にすごします。雪が楽しくて、寒くてもついつい遊んでしまって鼻水をたらしてしまう男の子を、嫌な顔せずに包み込んでくれるママの愛情。

 雪の日のわくわくと、大好きなママと一緒に遊べる喜びと……小さな子どもが感じる、感受性の世界を美しく表現している絵本です。
 やんちゃでママ大好きなこうさきがとっても可愛らしい。おうち時間をあったくしてくれます。

 字はすべてひらがなとカタカナで読みやすく、寒くてお出かけできない日にぴったり。ママと坊やの絆を深めてくれそうな一冊です。
 雪深い地方のママさんに、読み聞かせ用にぜひどうぞ。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はまったくありません。
 寒い雪の日、ママとふたりで過ごす男の子の、わくわくした気持ちやママと一緒にいられる喜び、ママの息子への包み込むような愛情が描かれた絵本です。

 

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