【おはなしのたねをまくと・・・】「物語」と出会う喜びを描いた美しい絵本。読み聞かせに。【4歳 5歳 6歳】

2024年4月6日

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おはなしのたねをまくと・・・  クラウディオ・ゴッペィティ/文 ディアナ・ニコロヴァ/絵 いのうえさあや/訳  工学図書

それは、この世界にはない どこか。知っているはずなのに 知らない名前の場所から はじまります……「物語」が生まれて、小さな子どもの手に届くまでの不思議な不思議なファンタジー。

この本のイメージ ファンタジー☆☆☆☆☆ 物語の魅力☆☆☆☆☆ 本の魔法☆☆☆☆☆

おはなしのたねをまくと・・・  クラウディオ・ゴッペィティ/文 ディアナ・ニコロヴァ/絵 いのうえさあや/訳  工学図書

<クラウディオ・ゴッペィティ>
イタリア、フォリーニョ生まれ。ウルビーノ・カルロ・ボ大学で文学と哲学を専攻。卒業後はミラノにうつり、クリエイティブ・ライティングの修士号を取得した後、大手広告代理店に勤務。現在はテレビの脚本家や大学教授として活躍するかたわら、子ども向けの作品の執筆に力を入れている。

<ディアナ・ニコロヴァ>
ブルガリア、ブルガス生まれ。ソフィアの国立美術アカデミーを卒業後、ミラノでコミュニケーションデザインの修士号を取得。近年は子ども向けのイラストレーションの仕事を主な活動の場としている。

<いのうえさあや>
東京大学教養学部・文学部でイタリア語を学習した6人(瀧本晃子、武田創太、松本由依子、成松奈津美、山口絵里子、山﨑大暢)による共訳。2022年、第28回いたばし国際絵本翻訳大賞(イタリア語部門)最優秀翻訳大賞を受賞。

 本が大好きなすべての人に捧げる美しい絵本です。原題は、IL GOIARDINIERE DEI SOGNI.イタリアでの初版は2018年。日本語版の初版は2022年9月です。

 イギリスの古い児童文学を読んでいると、暖炉の前で父親や母親が子どもたちに短いお話をするシーンがよく目にします。それは、古い昔話だったり、童話だったり、またはお父さんやお母さんの思い出話だったり、または即興で作った物語だったり。

 「お話して」と子どもがせがむと、大人は自分の「物語ストック」のなかから選んで様々なお話をするのです。
 「お話をする」と言うのは、どうやら、海外ではかなりポピュラーな親子の娯楽らしい、と、翻訳の物語を読むことで知りました。

 物語を語ることと、物語を聞くことは、互いの間に「空想」「想像」を介したコミュニケーションで、脳科学的に言えば小さな子どもの脳の発育に効果があるでしょうし、情緒的に言えば親子がとても深いレベルで交流できるすばらしい時間だと思います。

 そんなふうに、大切な人と「物語」を通じて交流したことがある子にとっては、「おはなし」とは特別な意味を持つはず。

 この絵本は、そんな子どもの心に滑り込む、数々の名作たちがどんなふうに生まれるかをファンタジックに描いています。

 この世界にはないどこか、知っているはずなのに 知らない名前の場所で。
 ひとりのおじいさんがおはなしの種を蒔きました。

 それは、ぐんぐんと育ち、やがて立派な木になって、お話の書かれたページをたくさん実らせました。
 おじいさんは木に実った「おはなし」を収穫し、その一ページ一ページを丁寧に本に仕上げます。

 出来上がった本は、窓から羽ばたいて、山を越え、海を越え、とある古い図書館に舞い降ります。

 そこでひとりの少年がその本を見つけ、夢中になって読むのでした……

 ……と、言うお話。

 現実には物語が書かれた紙が実る木はありませんが、この物語は作家の心に物語の種が芽生え、それが丁寧に育てられ、完成し、「本」となって子どもの手に届くまでの過程を比喩的に表現しています。

 自分が読んでいる不思議で素敵な本は、どこからどんなふうにやってくるのか……

 空想が大好き、「お話」が大好きな子どもにはわくわくする絵本かも知れません。または、まだまだ絵や「ことば」を楽しむ事はできても、「物語」を楽しむ段階にはなっていないお子さまに、「物語」の魅力を知るきっかけにしてもいいかしれません。

 幻想的で美しい、不思議な絵本です。

 すべての子どもの心にヒットするタイプの絵本ではないかと思いますが、一冊でも「お気に入り」の絵本があるお子さまには、わくわくする絵本になるはず。

 親子で「物語」について語り合うことがお好きな方には、おすすめです。
 寒い冬、お風呂上りのリラックスタイムにぜひどうぞ。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。HSPHSCのほうがより多くのメッセージを受け取れるでしょう。「物語」を読んだり聞いたりするのが大好きなお子さまにおすすめです。

 

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