【ムジナ探偵局】へんてこ横丁の妖怪事件簿。ムジナ探偵の活躍第6巻【榎神社の幽霊】【小学校中学年以上】

2024年4月7日

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ムジナ探偵局 榎神社の幽霊  富安陽子/作 おかべりか/画 童心社

「宝くじが当たる」と評判の稲荷神社の絵馬堂で、夜な夜な幽霊の泣き声がするらしい。そして同時に起きる神社周辺での怪異。これはムジナ探偵の出番です。さて、幽霊の正体と事件の謎は解けるのか? 

この本のイメージ  化身☆☆☆☆☆ 人と怪異の交流☆☆☆☆☆ 妖怪探偵☆☆☆☆☆

ムジナ探偵局 榎神社の幽霊  富安陽子/作 おかべりか/画 童心社

<富安陽子>
富安 陽子(とみやす ようこ、1959年2月15日~)は、日本の児童文学作家。東京都生まれ。和光大学人文学部卒業。25歳でデビューし、1989年「クヌギ林のザワザワ荘」で日本児童文学者協会新人賞、小学館文学賞、1997年「小さなスズナ姫」シリーズで新美南吉児童文学賞、2000年「空へつづく神話」でサンケイ児童出版文化賞を受賞。「やまんば山のモッコたち」はIBBYオナーリスト2002文学作品に選出。2011年、「盆まねき」で第49回野間児童文芸賞、第59回産経児童出版文化賞フジテレビ賞を受賞。2021年、「さくらの谷」で第52回講談社絵本賞を受賞。(wikipediaより)

<おかべりか>
1950年埼玉県に生まれる。オリジナル作品に「よい子への道」「よい子への道2」「とちめんぼう劇場」「やきゅうじょうにいこう」(福音館書店)「しずちゃんのおつかい」(ひかりのくに)「おだんごちゃん」(童心社)など。挿絵に「ムジナ探偵局」シリーズ(童心社)「やまんば妖怪学校」シリーズ、「おばけやさん」シリーズ(偕成社)「はっけよい鯉太」(フレーベル館)「空を飛んだポチ」(講談社)「日本のわらい話」(ポプラ社)など多数。

 「ムジナ探偵局」は「天と地の方程式」や「シノダ!」など、日本神話や日本の妖怪をテーマに独自の世界観でファンタジーを書き続ける富安陽子先生の人気シリーズ。第6巻「榎神社の幽霊」は2007年10月出版です。

 お話は、それぞれ一冊でまとまっており、どの巻から読んでも楽しく読めるようになっているのですが、細かな設定などは、順に読んだほうがわかりやすいため、まずは第1巻からお読みになることをおすすめします。

 第1巻のレビューはこちら

 今回のお話は……

 榎神社の怪異の謎を解く「榎神社の幽霊」、
 宝石事件の時に登場したネズミ刑事の婚約者の謎を解く「裏藪の骨」、
 源太が出会った怪異の謎を解く「三人の客」

 の三本です。

 短編集なのでくわしいあらすじは省きますが、人と「人外の何か」の交流が今回のテーマとなっています。
 ムジナ探偵自身も、人間と人外のあいだに生まれたらしい秘密があり、今後その謎がだんだん解けてゆくのかもしれません。

 それぞれのお話の謎解き要素は面白いだけでなく、「裏藪の骨」には凝った暗号もあり、これはかなり心が躍ります。また、短いお話の中にも、人とひとでないものたちの心の交流がしっかりと描かれているところも「ムジナ探偵局」らしさ。

  和ファンタジーにはふたつの流れがあります。「桃太郎」のような悪者討伐系の物語と「羽衣伝説」のような人間と人外のものの交流を描いた物語です。

 前者のお話は西洋のファンタジーにもよく見られる勧善懲悪のストーリーなのですが、子ども向けの和ファンタジーの世界では、「ゲゲゲの鬼太郎」や「となりのトトロ」など、どちらかと言うと人間と「人外の何か」が分け隔てなく仲良くするお話が好まれます。

  小さな子どもが原っぱや木陰で遊ぶこと、目に見えない何かと交流すること、動物や植物の気配を感じて共存して生きること、それらすべては日本人の「日常」であり、なおかつ「ファンタジー」でもあります。
 この「現実」と「非現実」の境界線のなさ、日常のなかに常に不思議があるのが日本的。

 日本人が不思議なものを愛する心は自然を愛する心なのです。

 文章は読みやすく、すべての漢字に振り仮名が振ってある総ルビです。内容的には小学校中学年以上ですが、賢い子なら小学校低学年からコツコツ一人で読めると思います。短編集なので手軽に読めます。

 大人が読んでももちろん面白いのですが、「小説」を読み始めたばかりの読書好きの小さなお子さまにおすすめ。読みやすいだけでなく謎解き要素があり、読みながら想像力、推理力、洞察力などをフル回転させるので読後の達成感が大きいのです。

 なつかしの「ゲゲゲの鬼太郎」や「悪魔くん」に通じるところもあり、水木ワールドが好きな方は楽しいと思います。水木漫画よりはずっとほのぼのとしていて怖くありません。

 面白くて謎解き要素もあり、ムジナ探偵の豆知識も楽しめる「ムジナ探偵局」。妖怪好きのお子さまにぜひどうぞ!

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。ゆかいで、ほのぼのとしたオカルト事件簿です。総ルビなので、五十音が読めれば、ひとりでコツコツ読むことが出来ます。「小説」を読むのが大好きなお子さま向け児童小説です。

 

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