【もうはるですね】森に春がやってきた!こりすの一家のほのぼの絵本。【0歳から100歳まで】【絵本】
こりすのぱろとぴことぽろは、高い木のうえにのぼり、雪がだんだんとけていることに気づきました。こりすたちは雪解け水にのって水がどこへいくかを確かめようと……
この本のイメージ りすの一家☆☆☆☆☆ 春が来た☆☆☆☆☆ 雪解け☆☆☆☆☆
もうはるですね いわむらかずお/絵と文 至光社
<いわむら かずお>
日本の絵本作家。「14ひきのシリーズ」(童心社)や「こりすのシリーズ」(至光社)は国内だけでなく、フランス、ドイツ、台湾などでもロングセラーとなり、世界の子どもたちに親しまれている。
「14ひきのあさごはん」で絵本にっぽん賞、「14ひきのやまいも」などで小学館絵画賞、「ひとりぼっちのさいしゅうれっしゃ」(偕成社)でサンケイ児童出版文化賞、「かんがえるカエルくん」(福音館書店)で講談社出版文化賞絵本賞受賞。2014年にフランス芸術文化勲章シュヴァリエを受章。1998 年4月栃木県馬頭町に「いわむらかずお絵本の丘美術館」を開館。絵本・自然・子どもをテーマに活動を始めた。
本日は3月11日。
それぞれの胸にそれぞれの想いがある日です。
2011年の3月11日は、春とは言え、まだまだ寒い日でした。
この気温の低さが悲劇をより大きくもしました。
あの年、どれだけの人が春を心待ちにしたでしょうか。
今年の春は早く、ずいぶんと暖かくなりました。
それでも、この日になるとあの寒い午後を思い出します。
今日のこの日に何をご紹介しようかといろいろと悩んだのですが、「これだ」と言うものは見つからず今日まで悩み続けてきました。
ふと、手に取った絵本がこれです。
いわむらかずお先生の「もうはるですね」。初版は1985年です。
こりすのきょうだい、ぱろとぴことぽろと優しいお父さんとお母さんの五匹家族のシリーズの一冊。
春が来たことに気づき、三匹のきょうだいは雪解け水に乗って川を下ります。
途中で広い池にたどりつき、自力で戻れなくなったとき、旅立つ前のかもたちが背に乗せて助けてくれました。
かもたちを見送って、三匹のきょうだいはお父さんとお母さんに合流し春のおとずれを感じながらおやつを食べるのでした……
冬のあいだ中森を包んでいた雪はどこへゆくのか、かもたちは秋にやってきて春にはどこへゆくのか、季節のめぐりと自然の営みを感じさせながら、やんちゃな三匹の日常と家族愛を描いています。
人生にはどうしようもないことが時々起こります。
どんなに頑張っても解決できないことや、ただ心を強く持って、ふんばって、耐えることでしか乗り越えられないこともあります。
疲れたとき、元気が出来ないとき、どうしても自分に自信が持てないとき……
そんなとき、ただただ純粋な絵本のパワーがあなたに癒しをくれるかもしれません。
「もうはるですね」は、春の訪れを喜ぶ五匹のりすたち家族の、ほのぼのとしたストーリーです。いわむら先生のあたたかみのある筆致で詳細に描きこまれた森の植物たち、動物たち。
難しいところは何もなく、ひたすらピュアな世界が読む人の心を包み込んでくれます。
あまりにも大きすぎる困難がのしかかってくるとき、自分の無力感にさいなまれ、前向きなことなんてひとつも考えられなくなってしまうときがあります。どこから手をつければいいのかわからないほど、抱えている物が大きすぎると感じるときも人生にはあります。
わたしは、長い文章が読めなくなり、長らく小説が読めませんでした。
でも、絵本は読めたのです。
ゆっくりゆっくり、絵本を眺めながら、じっくりと読んで言葉をかみしめる。
驚くほど時間がかかりましたが、わたしにとって絵本を読む時間は心を休める大切な時間でした。
絵本は小さなお子さまの大切な友だちです。でも、大人の心の回復剤でもあります。
春の訪れを感じながら、いわむらワールドに癒されてみませんか。
週末のお風呂上りのリラックスタイムに、親子での読み聞かせに。そして、大人の和み本としても。
疲れきった心の底で眠っている子供心に声をかけてみましょう。
絵本を読んでいるうちに、じんわりじんわり、心が癒されてゆくはず。
つめたく凍りついた、深い深い心の傷がいつかすべて溶けて消えてしまいますように。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
おすすめです。とくにHSPやHSCが日常に疲れたとき、触れてほしいピュアな世界です。
ネガティブな要素はひとつもなく、ただただ優しい、愛らしい世界なので心が疲れたときに癒されます。
大人の和み本としてもおすすめです。
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